美容院開業における市場調査と立地探しにおける6つの法則

美容院を開業するにあたって市場調査と立地物件探しは最も慎重に進めなければならない。なぜなら立地や物件はその方向性が決まるとそれ以降後戻りができないからだ。

また、いかにコンセプト良くサービスのレベルが高くても立地にミスがあれば集客は困難となるだろう。立地、物件選びに失敗は許されないのだ。

アーキクラウドでは多くの美容院開業をお手伝いさせて頂く中で多くのノウハウを蓄積してきた。今回はそれらデータベースを基に美容院開業における立地・物件探しに失敗しないための法則について公開させて頂く。

 

法則1・市場調査の目的とは何か?

 

技術・接客・サービスに自信がある経営者は、市場調査に力をいれない傾向にある。立地や物件を決めてから市場調査を行った場合経営が上手くいないことが多い。開業計画は最初からやり直しとなってしまうことも充分に考えられる。

市場調査は、テナントの候補地を選んで、事前に行っておくことが大切だ。市場調査の目的を以下に記載する。

 


①開業する地域の市場や現状をデータ化することが出来る。

②既存の同業店舗と競合した場合、開業後、経営していけるのか把握する。

③経営コンセプトが地域の市場で通用するのか検討する。

④コンセプトが通用しない場合、どのような打開策があるのか検討する。

⑤地域の実情がわかれば、お店のメニュー、料金体系の設定が可能となる。

以上、地域の市場調査は、実際に地域の周辺など、自分の目で確認して、どの様な職種のお店が繁盛しているかなど総合的に検討する必要がある。

 

法則2・立地選定における法則とは?

 

新たな店舗を構える立地選定はオープン後の売上に直結する重要な項目だ。下記に立地選定をする上でのポイントをまとめたので参考頂きたい。

 

1.人口・世帯数

最も基本となる要素だ。単純に人が多ければ来客数は自然に増える。また年齢層も重要だ。若者が多いのか、お年寄りが多いかで、コンセプトは異なる。統計局のホームページや役所の資料などを利用して狙ったエリアの情報を調査してみよう。

人口総数を世帯数で割れば、一世帯あたりの人数がわかる。人数が2人以下であれば、単身者が多い世帯、それ以上であれば、家族世帯が多い地域となる。

人口増減数を調べれば、人口が増えている地域かわかり、地域の活性度を知ることができる。できれば人口が増えていて、これから活性するであろう場所を選択するのが良い。

 

2.集客施設を把握する

周辺の駅やスーパマーケットは、人の流れが多いため要チェックだ。曜日、時間帯によっても人の流れは変わってくる。

テナントから半径500mが第一次商圏といわれており、川や道路は障害物となっているこのような視点から検討すれば、美容院の立地条件は、かなり絞られてくるだろう。

以下に立地周辺の特徴を簡単にまとめてみた。

駅前商店街 通勤や観光など駅を利用する人が多いので、回転率が高く、単価が低い
繁華街 長時間営業に適している
オフィス街 サラリーマンなどが多く、土日は、お休みなので、人が減少する
住宅街 家族の人が多いので、集客が難しい

 

 

3.車の交通量・歩行者数

交通量の測定は正確に判定することは素人には難しいが、気になるエリアがあればご自身で足を使って実際に目で見て確かめるのが良い。ただ見た目の多さ、少なさだけ判断するのは危険だ。

例えばオフィス街の場合、平日は勤務のため人は増えるが、休日は全く人がいない。また商店街などは絶えず通行人がいるため、集客に向いていると思いがちだが、実際には殆ど通勤者だったりすることもある。目的性をもった人がどれだけいるかを見極める必要がある。

 

4.誘導施設の開発予定調査

人や車の流れの変化に大きく影響を与える、大型商業施設や公共施設、ホールや高層オフィス等を誘導施設と言う。

これらが建設され稼働すると周辺地域の人の流れが多く変化するため、事前にこの様な大型開発があるかどうかチェックする必要がある。

通常、大規模開発の場合は開発するに当たって所轄省庁の許可が必要となる。許可が降りたものは告示され計画内容について閲覧が可能なので、特定行政庁の都市計画課等へ行けば確認することができる。

事前に情報を仕入れないければ思わぬ不利益を得ることもあるので気をつけなければならない。

 

5.人の動線、行動目的を把握する。

単に人の多少を対象とするだけではまだ調査不足だ。人には行動パターンというものがある。人が集まるには理由があるからだ。

まず人は目的地まで最短距離を選ぶ。例えば大通りに比べて細い路地を通る人は目的地まで最短で行くという明確な目的がある場合が多い。

目的地の想定がつけば、その路地が立地条件として候補となるかもしれない。また、人は安全な道を選ぶ。工事中の建物や頻繁に道路工事がある様な場所は立地候補として避けておいた方が賢明だ。

また、群集心理として、人は多くの人が集まっている場所へ向かう傾向にある。広場や観光地へ向かう通りは通行量も多くなり、集客可能な場合が多い。

 

6.お客さまがどこから来るか考える。

続いて、人がどこから来るのか考えよう。人が「あの店にいってみよう」と思えるのは日常生活の場から徒歩で5分程度で行ける範囲だ。距離に換算すると300〜500m程度となる。

この範囲内に住宅地や駅前商店街などがあれば、充分に集客が見込める立地と言えるだろう。

しかし、幹線道路や河川、鉄道があると反対側からの来店が難しくなり、その分商圏は狭くなるだろう。インフラなどの環境設備も含めた上での立地選定が重要となる。

 

7.説明しやすい場所か、覚えやすい場所か?

お客さまの来店時に分かり易い場所かどうかもポイントの一つだ。インターネットやGPSが発達したものの、全ての人に普及しているわけではない。

お店の場所を電話で伝える機会もまだまだ多い。そんな時にランドマークとなる建物があるとお客様も分かり易いだろう。

「〇〇ビル前の大通り向いの◯◯」といった形で伝えれば、場所を直ぐに伝えることができる。下記の建物はランドマークとしては、最適なので確認しておきたい。

・大型商業施設(デパート、家電量販店など)
・高層建築物(オフィス、タワーなど)
・大手チェーン店(コンビニ、スーパー、物販店舗など)
・公共施設(市役所、駅、体育館)

 

その他、失敗しない立地の条件について、下記にまとめているので参照頂きたい。
繁盛店を作るための立地物件条件について

 

 

法則3・ライバル店の調査は必須だ!!

 

これからあなたが美容院を開業するエリアには必ず既存の同業店舗がある。それらは全てあなたにとってライバル店だ。そのライバル店の市場で勝ち抜いて行かなければならない。

そのためには既存のライバル店がどの様コンセプトで営業をし、どの様なサービスを提供し、どの様な内装デザインで、どれだけお客さんが来て売上を上げているのかを調査し、それをあなたのお店にフィードバックする必要がある。

ライバル店が行っていないコンセプト、テーマを営業展開すれば、それだけでその地域で注目されることも可能だ。

 

ライバル店の調査で調べることは明確だ。美容院の店舗の大きさ、坪数、お客様の人数、シャンプー台数、スタッフ数を調べることで、ライバル店の売る上げを想定してみよう。

サロンの階数、鏡面、スタッフ人数、技術レベル、平均年齢、定休日、カット料金、パーマ料金、カラー料金の項目を表にまとめて、ライバル度をチェックする。結果として、美容院の繁盛度を知る目安になります。10件ほど調べればそのエリアの平均値がでてくる。

そのデータを基にあなたのお店のコンセプトから想定売上をイメージしてみよう。

 

法則4・美容院の出店地域の聞き取り調査をしよう

 

聞き取り調査は、美容院の周辺の通行人、もしくは住民の感想を実際に聞く調査のことだ。ヒアリング調査とも言う。聞き取り調査の目的は、以下の項目を判断するためだ。今までの市場調査やライバル店調査の根拠となるだろう。

 

①消費者ニーズを分析する。

②コンセプトが地域市場でうまく営業できるかの判断する。

 

聞き取り調査を行えば、お客さまの通っているお店の理由、不満、希望、適切な料金など美容院の理想の姿が見えてくるだろう。お客さまの要望、希望を、あなたのお店のコンセプトに反映してみよう。

具体的に聞き取りを行う際は「聞き取り調査中」のネームプレートを表示しておけば、通行人の目を引き付けることになり、効果があるだけでなく、聞き取り調査をスムーズにするこができる。

協力してくれた方には、粗品と名刺を渡すなど、また、住所を聞くことが出来た方にはオープン日時の案内状を送れば、今後の大事なお客さまになってくれる可能性もある。

 

法則5・美容院に開業において居抜き物件はリスクあり!!

 

美容院の新規開業の場合、居抜き物件での新規スタートはリスクをともなう可能性がある。確かに資金面での節約は可能だが、結果的にオープン後の売上が想定した数値が達成できないことが多い。安易に居抜き物件に手を出すのは危険だ。

居抜き物件は、前店舗の固定客があると一般的に考えられるが、美容院の場合、好き嫌いや、技術力が集客の大きな要素を占めるのと同時に、目的性をもったお客様がほとんどだ。

前店舗の営業スタイルを踏襲しない限り、既存の固定客を取り込むことは厳しいだろう。また、経営不振で前店舗が閉店した可能性があるため、美容院として適していない立地であることも考えられる。

また、閉店した店舗は周辺からのイメージも良くなく、過去の悪いイメージを払拭するのは難しい。以上の理由より、出来る限り初期費用を準備して新規テナントを探した方が賢明な判断と言える。

 

法則6・物件探しの要注意項目はこれだ!

 

まずは美容室に入りやすいかどうかの動線をチェックしよう。美容室にあったテナントを探す上で、一番大事なことはお店への入りやすさだ。

1階であれば、エントランスが表通りに直接面しているか、若しくは建物の中の廊下に面しているかで集客力は全く異なる。

テナント賃料は階数が上がるほど安くなるが、1階と2階では来客数が2倍以上も異なると言われている。2階以上のテナントにする場合は、垂直移動の動線も考慮しなければならない。

階段は表通りに面していてわかりやすか、エレベーターがあるか、その位置はわかりやすいかなどを充分にチェックしよう。

テナントの想定がついたら、実際に美容室のプランニングをイメージしてみよう。スケルトン状態の物件の床にマスキングテープを使って、什器や設備の配置してみる。

例えば、セット面、シャンプースペース、フロントなどをマスキングテープで囲って、お客様の流れと従業員の流れを想定し、それらが交錯しない様な配置を検討してみよう。

さらに、デジカメなどに収めておけば、内装工事業者に図面作成、見積作成を依頼する時に役立つだろう。

 

最後に

 

これから美容院を開業しようとするあなたにとって市場調査、立地物件選びがいかに大切かご理解頂けたと思う。全国に美容院は23万店舗あると言われている。

それらの中から、飛び抜けるためには、適切な場所で他にはないコンセプトを持つあなただけの個性ある店舗にする必要があるのだ。そのためにもリサーチに時間をかけて後悔の無い様な店舗を出店して欲しい。

 

 

株式会社 アーキバンク
株式会社アーキバンク
建築に関わる専門知識、経験を活かし、建築や内装に関わる「ヒト」「モノ」「サービス」を効率的かつ有効に結びつけるため、建築関連のWEBメディア事業を中心に、WEBコンサルティング事業を展開。
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