美容院開業オーナーのための物件探しと契約時の3つのポイント

美容院開業において物件探しは、立地探しに続く、重要な項目だ。いくら立地が良くても、物件選びに失敗してしまうと、全く集客すらできない店舗になってしまう可能性もある。

また物件によっては内装工事も、デザインの制限や価格も高くなる可能性がある。しかし、今まで美容業界で働いてきた新規オーナーにとって、物件選びといわれてもピンとこないのではないだろうか?

今回は、その様な新規オーナーでも理解できる様に分かりやすく解説させて頂く。

 

美容院物件の種類と注意点とは?

 

物件の種類には路面店(1階)と2階、半地下物件、3階以上の物件がある。それぞれ、賃料や内外装デザインの方法も異なってくる。

また、美容院は多くの設備機器を使用するので、物件の調査時には設備容量を必ずチェックしなければならない。

また、契約時の契約内容も内装工事や開業資金計画を行う上で重要だ。上記項目についてこれから詳しく説明してく。

 

美容院の物件選び種類別チェックポイントについて

 

路面店(1階)について

路面店は道を歩く人にとって最も見やすい物件であり、広告効果も非常に高く大きな集客効果が望めるが、その分家賃は高くなる。

また、間口が広すぎると、サロンとしての落ち着きを得られないというデメリットもある。逆に狭すぎても広告効果が低くなるので避けたい。

間口1に対して奥行き1.6ぐらいの比率の物件がちょうどバランスが良い。平面プランニングもこのぐらいの比率が丁度良い。

続いて、ファサードデザインの自由度もポイントだ。テナント物件の場合、ファサード(外観)のデザインに制約がある場合が多い。

通常はシャッターの範囲内の建物内側は工事可能だ。つまりシャッターの大きさを把握する必要がある。看板設置など広告効果に影響を与えることもあるので、必ずチェックしておこう。

続いて、ファサードの向きだ。住宅の場合は一般的に南向きが好まれるが、美容院の場合は避けたい。直射日光が入ってしまうと、鏡に反射してカット作業に影響がでてしまう。

また、ゆっくりとくつろぐスペースにも適さないだろう。特に西日は絶対に避けたいところだ。できれば北向きの安定した光が入る物件を選ぼう。

最後は障害物だ。店舗前に電柱や信号、交通標識、駐輪場や樹木が無いかチェックしよう。障害物があるとせっかくの路面店でも充分な広告効果が発揮できない。

また道路、歩道からの段差も気を配ろう。歩道から1階レベルまで勾配で摺り付いてるのが良い。段差がある物件はアクセスが悪く、高齢者の出入りも危ないので避けた方が良いだろう。

 

半地下、2階物件について

路面店に比べて6、7割ほど家賃が安くなるが、その分集客効果は小さくなる。物件チェックのポイントは看板と動線だ。直接店舗を覗くことができないため、看板設置は必須だ。

道路から見える位置に、看板が配置出来るかチェックしよう。また店舗への直通階段があるかも要チェックだ。共用階段しかない場合と比べると集客に大きな違いがある。

直通階段の入り口はできれば道路に面していると尚良い。但し、美容院の場合、リピート客が多いという特徴があるため、既にに充分な固定客がいるという場合は、敢えて半地下や2階にお店を構えて、家賃を削り固定費を減らす方法もある。

 

3階以上の物件について

路面店に比べて家賃は5割り程度安くなる。しかし、広告効果が殆どないため、通りすがりの新規顧客を獲得するにはかなり難しい物件となる。

既に多くの固定客がいるか、WEB集客に卓越してい無い限り避けた方が賢明だ。しかし家賃のメリットは大きいので、上記条件を満たしているのであれば積極的に物件を探していきたい。

物件のチェックポイントは看板と動線だ。看板は袖看板や外壁に設置できるか確認しよう。また、エレベーターの有無と、エレベターホールへの動線がわかり易いかも要チェックだ。

 

美容院物件設備容量のチェックポイントについて

 

美容院はシャンプー台、パーマ機など多くの設備機器を使用する。そのため、物件自体が設備機器の負荷に対応出来る様な仕様でなければならない。

対応ができていない場合、内装工事費が余分にかかったり、デザインにも大きな影響を与えてしまうこともある。下記に記載するチェックポイントをよく確認して、スムーズに内装工事に取り組める様にして頂きたい。

 

天井高のチェックポイントについて

美容院の理想の天井高は3mだ。それ以上だと空調の効率が悪くなってしまう。またスケルトン仕上げにした場合も同様に空調効率が悪いので注意が必要だ。

シャンプー台を設置するエリアは排水のため床を200mm程度立ち上げることが多い。(床がすでに下がっている物件の場合は必要無い)その部分天井高が低くなるので最低でも2.8mは確保したい。

また古い物件の場合は、下階の天井を下げて排水管を通している物件もあるので要注意だ。

 

床のチェックポイントについて

床に関しては、上述した通り、シャンプー台エリアに限って排水管を設置する必要があるため、床を200mm程度上げる必要がある。

しかし、新築計画の時に、飲食店や美容院やクリニックなど排水設備が必要なテナントが入ることが決まっていた物件は、すでに床が下がっているので、床上げは不要となる。

また、通常の物件はどの様な床仕上げでも可能なようにスラブ(躯体)レベルがフロアレベル(その階の床の高さ)より30〜50mm程度低く設定されている。

こうすることで、厚みの異なる石でもタイルでもタイルカーペットでも設置が可能なのだ。余り部分はモルタルで調整することにる。

退去時には通常このモルタルも撤去するのだが、撤去されていない物件もある。撤去費用は意外と大きいので必ずチェックシておきたい項目だ。

 

給水排水のチェックポイントについて

美容院でシャンプー台を3台以上設置する場合、給水管は通常20mm以上必要となる。古い物件は13mmの場合が多い。

3台以上設置が必要であれば、20mmに変える必要がある。水道局に依頼をすれば変更可能だが、時間がかかるので注意が必要だ。また給水圧力も要チェックだ。

美容院の場合、水圧は最低2.0気圧は確保したい。足りない場合は圧力ポンプの設置が必要となる工事費が高くなる。また排水管ついては60mm以上は確保したい。

 

電気のチェックポイントについて

電気はブレーカーが落ちるなど営業上問題になることが多いのでチェクは必須だ。電気には電灯と動力がある。美容院の場合、電灯の代表格はドライヤーで1台1.5KWの容量が必要だ。

複数のドライヤーを使った時にブレイカーが落ちないない様にしなければならない。一般的には店舗坪数×0.5で計算ができる。20坪の店舗の場合、20×0.5=10KWの容量が必要となる。

また動力はエアコンのみで舗坪数×0.4で計算ができ20坪の店舗の場合、20×0.4=8KWの容量が必要となる。

つまり、合計18KW以上の電気容量が必要となる。電気容量が不足する場合は、容量アップのためにキュービクルを設置するなど大掛かりな工事が必要となるので、事前に必ず確認しておきたい。

 

物件を決める前に契約書のチェックポイントについて

 

物件の目処がつくと、いよいよ内装工事も本格的に進み気分が高揚しますが、物件の契約書はしっかりとチェックしなければならない。特に借り主に対して不利な条件が記載されいることが多いので、一字一句見落とさずに確認することが重要だ。

まずは賃貸借のタイプを確認しよう。賃貸借契約書には「賃貸借契約」と「定期建物賃貸借契約」がある。前者は更新可能で長期間借りることが可能だが、後者は同条件での更新ができない。

契約期限の6ヶ月以上前に申し込みし、その際に家賃値上げを通達されることもあるので要注意だ。

次は、家賃の発生日についても確認したい。通常は内装工事の開始日となる。また更新料も通常は家賃の1ヶ月程度となるのでチェックしたい。

また、契約を解除する場合に、退去する日の何ヶ月前に伝えればいいのかも確認しよう。通常は6ヶ月前の場合が多い。時期を超えてしまうと保証金が返金されないこともあるので要注意だ。

最もトラブルが多いのは保証金の返金に関する問題だ。通常は退去後、6ヶ月以内に返還されることが多いが、契約によっては1年後以降や次のテナントが決まってから、ということも多々ある。

保証金を次の店舗の開業資金に当てている場合は、資金計画が破綻し、大きなトラブルとなることが多いので、必ずチェクしておきたい。

また退去時の引き渡し条件も重要だ。基本は現状回復といって、契約時状態に戻して引き渡しをしなければならない。スケルトン状態であれば、内装は全て撤去する必要がある。内装解体費用は坪当たり2万円程度は準備しよう。

事務所であれば、解体後、仕上げまで戻さなければならない。内装解体費用と仕上げ工事で坪当たり4万円程度は準備が必要だ。

 

最後に

 

物件探しは、後戻りができないため、絶対に失敗ができない。今回の記事で公開させて頂いた内容を実践していただければ、まず、失敗することは無いだろう。また契約条件も開業資金や退去時の資金計画に大きく影響を与えるので、漏らすことなくチェックして頂きたい。

 

 

【記事監修】 山田 博保
店舗ビジネス&建築マーケティング/一級建築士     
建築業界での経験を活かしたWEBメディアを運営。内装工事マッチングサイト「アーキクラウド」創業者。WEBコンサル事業、コンテンツ販売事業にも携わる。Facebookお友達申請大歓迎です。その他WEB集客、自社メディア構築、ビジネスモデル構築に関するコンテンツは公式サイトより。
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