高級ホテルの内装から学びたい3つの「魅せる」ポイント
国内外を問わずいわゆるファイブスタークラスと呼ばれるような高級ホテルで、そのホテルイメージを演出する空間作りに思わず魅了された経験を持つ人は多いだろう。高級和風旅館なら最大限日本の美を表現したしつらえがさりげなく配されているし、南国リゾートホテルなら開放的なムードを生かしたスペースが、ロビー、客室、レストルームに至るまで表現されている。「憧れのあのホテルに宿泊するために」旅行に出かける人が少なくないこともうなずける。
これらの高級ホテルが、自らのブランドイメージを高めるために凝らす様々な内装における工夫は、一般店舗にも参考にできる事例がたくさんある。
この記事では、高級ホテルの内装から学びたい、顧客を魅せられる店舗作りのアイデアをお伝えする。
目次
なぜ高級ホテルの内装はこんなにも魅力的に映るのか？
非日常を味わうことができる！これこそホテルライフの醍醐味
普段の忙しい生活から解放され、気分のリフレッシュが出来る空間こそ、高級ホテルの最大の魅力。
居心地よくしつらえられた客室はもちろん、エントランスからロビー、そしてエレベータ内や廊下に至るまで隅々まで計算しつくされた豪華な内装で、客の目と心を満足させる。
また、特別な時間を過ごさせてくれるレストランやバーも、高級ホテルの演出の重要な役どころだ。
舵に仕事に時間に追われ、日常の煩わしい些事を忘れられるホテルライフに、夢中になる女性たちが多いこともうなずける。
高級と呼ばれるホテルの内装は様々なシーンを想定して構成
高級ホテルの内装というものは、家具のレイアウトやカラーコーディネートが、どんな人にも心地良く感じるように選び抜かれた工夫の結晶だ。
また、宿泊だけではなく、結婚式などのセレモニー、大規模なビジネス会議など、様々な目的で利用されるホテルは、その利用シーンを想定して構成されている必要がある。どの場所もホテルの名にふさわしいハイクラス感と、居心地の良さを提供する必要がある。ただ華美なだけでなくホテルイメージを表現し、かつ機能性も万全で、訪れた客を満足させる上質さを兼ね備えることが大切なのだ。
このように高級ホテルの内装には、ホテルネームにふさわしい高級感と、滞在客が居心地よく過ごせるための機能性を備えているが、その秘訣とはどのようなものなのだろうか。
次項からは、ポイント別に高級ホテル内装の心地よさの理由を挙げてみた。
高級ホテルにおいて内装はイメージを表現するツール
高級ホテルには、そのホテルのアイデンティティ―を物語る背景がある。それは創業者の立身出世ストーリーであったり、波乱万丈の歴史であったり、ホテルのホスピタリティを象徴するエピソードなど、高級ホテルロビーを歩けば、そこかしこにそのホテルが持つプライドを象徴するようなモニュメントを見つけることができるだろう。
このような高級ホテルの基盤にある自分たちのホテルに対する自信、誇りは、日々働く自らの職場が美しく洗練されたものであるほど強固になる。
単に贅沢で流行りのインテリアを追いかけるのではなく、自分たちのホテルの歴史、成り立ちを物語るものが、ホテルの内装には必要なのだ。
だからこそ、プライドのある格式高い高級ホテルのというものは、決して安っぽい素材の家具や内装素材を使うことはしない。
未来のビジターのためには目を引く外観を、実際に訪れてくれた滞在客には最高の内装を提供することが高級ホテルの矜持といえる。
高級ホテルの内装はインテリア・機能共にハイクオリティ
一般的な家屋と比較すると、圧倒的にスペースに余裕があるホテルだが、一人の人間が生活するシーンをすべて宿泊する客室一部屋に再現しようとするにはやはり工夫がいる。コンパクトに必要な設備を備えながらも、どこまでも居心地の良さを追求する必要がある。
そのために凝らされた工夫を、一般客室を例に取っていくつか紹介しよう。
広く大きく見せる工夫
豪華なスイートルームは別として、どうしても一般客室の大きさには限りがある。
この小さなスペースを広く大きく見せるには、「家具」が重要なポイントとなる。部屋の面積、窓などの開口部の大きさに対して「大きすぎない」サイズの家具をセレクトすると、遠近法効果で部屋が実際よりも広く見える。
また、区運を広く見せるという意味では、鏡やガラスの素材を家具や内装に多用することも効果がある。
スムーズな動線の確保
ドアを開ける、バスルームに移動する、ベッドから照明を消す、といった宿泊客の動作、行動を想定し、室内の家具配置やコンセント位置を決めている。
宿泊客がリラックスして、かつ使いやすい部屋であるように考えられている。
間接照明で優雅なムードを演出
天井に取り付けられた主照明の他に、フロアランプやベッドサイドテーブルに読書用ライトといった間接照明を加えることで、一挙に部屋に優雅さが漂う。
そして、この正目類が同じテイストでまとめられることによって、室内の内装の統一感も一段と増す。
高機能かつデザインが優秀な電化製品類
コンパクトな空間では、小さなものでも、その存在が与えるインパクトが大きい。特にバスルームは、ゆったりとした高級感を表現したい場所。ドライヤー他小さな電化製品もグッドデザインで高機能なアイテムが選ばれている。
また、最近は室内でパソコンなどIT機器を利用する宿泊客が増え、ケーブル類やコンセント類も極力目につかないような工夫を凝らされている。
「質の高いライフスタイル」をイメージさせる内装あってこその高級ホテル
壁にはアートを欠かさない
高級ホテルには、ホテルゆかりのアーティストがつきもの。ホテルを状祝としていたアーティストが宿泊した部屋が、有名な観光スポットになっているホテルもたくさんある。
なるべくたくさん植物を配する
非日常的な空間に身を置き、心からリフレッシュできる演出が必要
五感を心地よく刺激する演出
音や香り
高級ホテルの内装は一般店舗にも参考になるアイデアの宝庫！
いかがだろうか。
確かに、高級ホテルと呼ばれるにはもちろん内装のようなハード面だけではなく、従業員のホスピタリティなどソフト面でのクオリティの高さも重要だ。しかし、そのようなホテル経営のポリシーは、ホテル外観や内装といった、顧客が「代価を支払う」対象にこそ最も反映されるべきものでもある。そして、「誇りを持って働ける職場」を表現する内装は、ホテルで働く人たちの意識に反映されないはずはないのだ。
そして、それは一般店舗においても参考になるポイントが多いはず。顧客が見に来るのは商品かもしれないが、商品を手に取りながらも、居心地の良い空間にいた記憶は、ショッピングの満足度をさらに高めるからだ。
ぜひ店舗作りの一つの参考事例として、あまたある高級ホテルの魅力ある内装を研究してみることをおすすめしたい。