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美容院開業の為の助成金と開業資金の効果的な活用例

これから美容室を開業しようという方にとって気になるお金の話。特に助成金については事前に学んでおかなければ、結果的に損をしてしまうこともあるので十分にリサーチし機会を逃さないように注意することが必要だ。

今回は美容院開業に関する助成金の種類と助成金を踏まえた上で開業時の効果的な資金の活用例について紹介する。
 

そもそも助成金とは何か?

助成金とは

経営者の方やこれから事業を始めようと考えている方であれば「助成金」という言葉を耳にする機会も多いのではないだろうか。ただ、助成金と言っても様々な種類のものがあり詳しくわからないという方も少なくない。まずは、助成金とは何かについて
経営者の方やこれから事業を始めようと考えている方であれば「助成金」という言葉を耳にする機会も多いのではないだろう紹介する。

助成金とは政府が公益上の価値を認め、民間企業や事業者に対して交付する補助金のことであり、補助金、負担金、助成金など用途や支給する団体によって呼び方が異なることもある。
このような補助金の中で厚生労働省所轄で取り扱う補助金のことを一般に「助成金」として区別し、主に雇用関連の助成金、研究開発に関する助成金の2種類が用意されている。

美容院の開業に当たっては、研究開発関連の助成金が基本的には対象外となっているため、雇用関連の助成金のみを利用する形となる点をまずは覚えていただきたい。

その他にも、開業時に利用するものに国民金融国庫などを利用した融資があるが、融資が返済の必要があるのに対して、助成金は返済の必要のない資金となっている点も合わせて理解しておく必要がある。

つまり、助成金とは、一般的に厚生労働省所轄で事業者に支給され、主に雇用関係において適応される返済の必要がない補助金のことである。

美容院開業に適応される助成金4つ

続いて、美容院の開業において適応される助成金について具体的に紹介していこう

受給資格者創業支援助成金

まずは、ハローワークへの申請を行う受給資格者創業支援助成金だ。
この助成金は雇用保険加入期間が5年以上であり、ハローワークから失業手当をもらえる資格のある者が再就職ではなく起業し、さらに起業後一年以内に長期的に働く予定のある人材を採用した際に支給される助成金で、申請を認められれば創業時に使った費用の一部を助成してくれる仕組みだ。

支給を受ける条件は少し細かく設定されており
・事業が本業である
・起業から3ヶ月以上事業が継続している
・雇用保険の適用事業所である
・起業をする前日までに所轄のハローワークに「法人など設立事前届け」を出している
・雇用保険加入期間が5年以上ある
・起業後1年以内に人を雇用した
上記の項目を満たしている必要がある。

特に注意が必要なのが「法人など設立事前届け」の部分である。
事前の届け出をしていなければ助成金を受け取ることができないので注意が必要だ。

トライアル雇用奨励金

トライアル雇用奨励金とは高年齢者や若者など、なんらかの事情により就職が難しいと公共職業安定所長が認める求職者を採用した場合に最大月額5万円、最大3ヶ月に渡って支給される助成金のことである。
助成金のタイトルにもある通りトライアル期間を助成することによって就職困難者の再就職を支援する目的で運営される助成金であるため、基本的には長期的な雇用を前提としていなければ支給条件違反になることもあるため注意が必要だ。

トライアル雇用奨励金を受けとるための条件は
・事前に所轄のハローワークに申請をしている
・ハローワークを利用した求人の実施をしている
・採用決定後のトライアル雇用開始書類の提出
・トライアル期間終了後の書類申請と給付申請
・トライアル雇用期間の労働時間が週30時間である
以上の項目を満たしておく必要がある。

ハローワークへの申請時に注意事項の注意はあるが、トライヤル雇用の場合、書類選考を行わず面接のみで採用を決定するなど細かな条件があるので、上記以外の項目についても念入りに確認しておこう。

均等待遇・ 正社員化推進奨励金

続いては少し事業が進んだ段階で利用できる助成金について解説をする。
均等待遇・ 正社員化推進奨励金は事業者に対してすでに勤務するパート・アルバイトを正社員として再雇用する場合や、非正規雇用者の処遇改善を行った際に支給される助成金である。

場合によって幾つか支給される助成金の種類に違いがあり、最高で1事業者に対して60万円、最低でも15万円の支給を受けることができるものとなっている。

条件は適応される助成金によって異なるが、
・非正規社員を正社員に対して転換された場合
・非正規社員に対して、正社員と同等の待遇改善を実施した場合
・非正規社員に対して、正社員と同等の教育訓練を実施した場合
・短時間勤務制正社員制度を導入した場合
・非正規社員に対して健康診断を実施した場合
上記のような場合に支給される。

キャリア形成促進助成金

そして最後はキャリア形成促進助成金についてだ。この制度は名前の通り、原則として正社員のキャリアアップに関する教育、研修を行った場合に支給される助成金となっている。
この助成金は複数の種類があり、さらに支給決定までに準備しなければいけない書類なども多岐に渡るため、基本的には社会保険労務士などに依頼し申請を行う必要がある。

具体的には
・医療、介護、IT、バイオなど特定の分野に限定された分野に対する「成長分野等人材育成コース」
・海外進出に関わる人材育成のための訓練に対する「グローバル人材育成コース」
・育児休業取得中または復帰後の訓練に対して支給される「育休中・復帰後能力アップコース」
・国指定の実践的な教育訓練に対する「中長期キャリア形成コース」
・採用後5年以内で35歳未満の人材への訓練に対する「若年人材育成コース」
・熟練技能工の指導、自脳継承の為の「熟練技能・継承コース」
・国の認定教育を受けた実施に対する「認定実習併用職業訓練コース」
・労働者が自発的に受けた能力開発に対する「自発的職業能力開発コース」
上記の8つにコースが用意されている。

それぞれの助成金を申請するためには各実習の計画や実績などを所定の雛形で提出する必要があるため申請前には十分に調査することが必要だ。

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助成金の財源は雇用保険!申請には雇用保険加入が必須

美容院開業に関する助成金の種類について解説してきたが、厚生労働省所轄の助成金の財源は基本的には雇用保険を中心に賄われている点も忘れてはいけない。

雇用保険が財源であることから、助成金を申請し承認されるためには雇用保険に事業所として加入していることが必須の条件となる。
雇用保険が従業員の勤務時間、賃金の支払い額によって計算されるものであることはご存知だと思う。雇用保険の加入申請すると同時に出勤簿や賃金台帳、労働契約書などの整備を行い基本的な労務管理も必要となるため、社労士などに依頼したり、抜け漏れがないような準備も忘れずに行うようにしなければならない。

また、加入はしているものの滞納がある場合も同じく承認条件を満たしていないとみなされてしまうため、助成金の申請前には滞納の有無についても合わせて確認すると良いだろう。

個人事業主でも助成金は利用できるのか

美容師として開業する方の多くは、いきなり法人成りせず、個人事業主として開業する方が多いのではないだろうか。ここで気になるのが「個人事業主でも助成金は得られるのか?」という点だ。
この点に関してはご安心いただきたい、もちろん個人事業主でも助成金を受け取ることは可能である。
ただ、先に紹介した通り助成金を受け取るためには様々な準備や条件が必要なためかなり手間を要することになる。従って一人で事業を始めようという方は、家族の協力や社労士などの専門家に力を借りることも合わせて検討しておくべきだろう。

助成金以外の資金の効果的な活用方法

美容院の内装

美容院開業に関する助成金について解説をしてきたが、結局のところ人材雇用や育成などに関する助成金が主なものということはご理解いただけたと思う。
美容室開業において計画的に事業を進めていくためには自己資金、助成金を十分考慮した上で資金を活用していくことが重要なことである。

では、一例として美容院開業における資金の活用方法と実際に考慮しなければいけない費用について解説していく。

物件を確保しなければ始まらない?物件取得費

美容院を成功させる上で大きなウェイトを占めるのが物件や立地などだ。
開業時に選択する物件はそこまで大きなものである必要はないが立地などは特にこだわって選ぶことが必要となる。

具体的に物件を獲得するためにかかる費用は保証金が家賃の半年〜1年分程度、手数料、前払い家賃などの経費がかかってくるが、事業を左右する重要な決定であるため慎重に決めていくことが重要だ。

理想と重要性で考える備品経費

続いては、備品に関する経費についてだ。
備品とはシャンプー台、椅子、家具などのことであるが、中にはオリジナルのシャンプーやワックスなどの販売を考えていることもあるのではないだろうか。もちろんこれらの備品も非常に重要なものであるが、ここでは理想と緊急性を考慮して資金を配分することが重要になってくる。

初めて美容院を開業する場合、あれこれ理想の店作りを想像しながら進めることだと思うが、事前の見立てにおいて抜け、漏れなどがあることも多い。その結果、あれも、これもと購入していくことで結果的に予算が足りなくなってしまうという失敗はよく聞くことがある。

備品選びでは理想だけにとらわれず、重要性を考慮し無駄な出費になってしまわないように注意することが必要となるだろう。

美容室の内装は顧客満足度に直結!内装工事費

先ほど物件について解説をしたが、内装にこだわることも忘れてはいけない。
備品やサービスの質などは事業をスタートしてからでもフレキシブルに変更していくことができる。しかし、物件と内装だけは後で変更することが難しく、壁や天井の色、床の素材などは空間の印象を決める重要な部位であるため、開業前に特にこだわることが必要となる。

また、内装はDIYでなんとかなると考え、備品などに資金を回してしまうケースもよくあるが、結果的に空間全体の安っぽさが目立ってしまうということにもなりかねない。

従って内装に関しては専門の内装業者に相談し、事前にしっかりと計画しておくことが美容院成功の鍵となる点は事前に認識していただきたい重要なポイントだ。

綿密な計算で運転資金を割り出そう

最後は運転資金だ。
どんなに準備をしていても初月から黒字になるということは稀なことである。従って、運転資金は半年程度、できれば1年分程度は準備しておく方が良いだろう。

ただ、無策にお金をためていくといくらあっても足りないという不安がつきまとうことになってしまいかねないので、綿密な計算を行い運転資金についても考えるようにするべきである。

新たに美容院を開業するとなると非常に多く考えなければいけないことや、資金が必要になってくる。その中でも資金の活用方法については事業を左右する重要な項目になるため特に時間を咲いて計画を立てなければいけないのではないだろうか。

上記で解説した4つの項目のうち物件、運転資金などは比較的、重要視されているが美容院の雰囲気やお客様の居心地につながる内装工事費は以外と見落とされるケースも少なくない。内装工事費についても十分に検討することをおすすめしたい

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まとめ

今回は美容院開業に関する助成金と資金の活用方法について解説をしてきたが、
ポイントになるのは
・助成金とは一般的には雇用に関するものが多く、申請には様々な条件がある
・資金を効果的に活用していくためには理想を追いかけるだけの資金活用ではなく、物件、内装など事業の成功を左右する重要なポイントから振り分けていくことが重要
という2点ではないだろうか。

初めて事業を開始するという方にとっては不安なこともあるだろうが、ぜひ今回の記事を参考にしていただいて満足のいくスタートを切っていただきたい。

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