歯科医院で勝つ為の開業資金活用方法について徹底解説
歯科医院は診療報酬のマイナス改定や、予防技術の向上によるう蝕の減少、さらには、コンビニよりも多いと言われるほど開業率が高く、競合が多く厳しい時代となっている。
今回の記事では、開業が難しくなっている歯科医院の環境の中で、勝ち残る為の開業資金の活用方法について解説したいと思う。これまで以上に慎重な戦略が求められる歯科医院の開業において、開業資金の活用方法は非常に重要なポイントとなるため、是非、参考にお読みいただきたい。
目次
真面目な診療だけでは勝ち残れない時代になっている
まずは、歯科医院を取り巻く市場について解説する。
すでにご存知の方も多いと思うが、現在、歯科医院の数はコンビニよりも多く、今後もさらに増加していく見通しとなっている。
それに伴って、市場が飽和していると言われているが、飽和状態にあるのは都市部だけではなく、郊外のエリアでも同様であり、これまでのように「腕がいい」「良い先生」というだけでは勝ち残れない時代となったと言える。
したがって、このような厳しい環境の中で開業を成功させるためには、開業前の事業戦略においてアイデアだけではなく、資金をどのように活用していくかが鍵になると言える。
歯科医院の開業資金は何に掛かる?
続いて歯科医院の開業資金について解説していく。
専門的な器具や備品を揃えなければいけない歯科医院において、開業にかかる費用は他の業界と比較するとかなりの資金を要する事になる。開業するスタイルにもよるが一般的には4000万円〜5000万円ほどの費用が必要だと言われている。
この資金の内訳としては、物件取得費、設備投資、運転資金が大部分を占めると言える。それでは、開業費用の内訳について解説していく。
物件取得費
まずは物件取得費からだ。
歯科医院はビルなどに入居するテナント型、郊外のエリアなどに多い戸建型など複数の選択肢がある。どちらにせよ、歯科医院を営業できるようにするためにはかなりの費用を要する事になる。一般的にテナント型の方が費用が安く、地域や立地にもよるが500万円〜800万円ほどの資金が必要となる。
反対に戸建型での開業の場合、一から建設する事になると安くても3000万円〜1億円ほどとなり、かなりの資金が必要となる点が覚悟しなければならないだろう。物件取得費が歯科医院開業において、もっとも費用がかかる場所だと言える。
設備投資
続いて設備投資だ。
歯科医院の設備投資は医療機器費が占める割合も多く、一般的には1200万円〜2000万円程度は必要となることが多い。したがって、物件取得費と医療機器費のみで安い場合でも2000万円程度、高ければ5000万円以上の費用がかかるという計算になるのだ。
とはいえ、この2つに関してはどのような歯科医院を開業するに当たっても必ず必要なものとなるため、開業資金を活用して歯科医院を成功させるためにはこれ2つ以外の部分でで差別化していく事が重要と言える。
運転資金
続いて、運転資金について解説していく。
歯医者というビジネスモデルにおいて、最初の顧客を獲得し、安定させるまでが一つの関門となる理解されている事だろう。開業後すぐに患者を呼べるような圧倒的な実績や、コネクションがあれば良いが全ての方がそういうわけでは無い。したがって、安定して顧客を獲得するまでの期間を乗り越えられるかどうかが最初の関門となる。
運転資金に関しては多いに越した事は無いが、最低でも一年間程度を乗り越えられるだけの資金は確保しておきたい。計算方法としては1ヶ月にかかる費用を単純に12ヶ月分用意できるようにすれば良いだろう。実際に開業をする多くの方は少なくても1000万円程度の開業資金を用意している場合が多いようだ。
歯科医院成功の鍵は広告、外装、内装費
先ほどは開業資金のうち割合の大きな2つの項目について紹介した。 続いては歯科医院開業の行方を分ける開業資金の活用方法について解説する。
行方を分ける活用方法とは他の歯科に無い差別化要素を作らなければいけない。
また、その差別化要素をお客様に適切に伝える事が必要となるため、注力するべきポイントは広告費、内装、外装などだ。
では、それぞれの項目に沿って解説をしていく。
広告費
まずは広告費だ。
広告は様々な情報を伝える事ができるツールであるため、十分に活用するために様々な情報収集をしていただきたい。一般的にはチラシ、ホームページ、集客サイト、タウン情報誌などの利用が中心ではあるが、SNSなどを活用する事も忘れてはいけない。
街の歯科医院などの場合は、メイン顧客の年齢が高いと行った理由からSNSでの広報活動に着手していない場合も多いが、同居する高齢者が利用する歯科医院をインターネット世代の子供が探すというケースも十分に考えられる話だ。したがって、どんな歯科医院であってもSNSを使った集客には着手するべきだと言える。
また、競合が多い業界全般に言える事ではあるが、歯科医院というビジネスの特製を考慮しても口コミを意識した運営が重要となる。もちろんリアルだけではなく、SNSによるシェアも同様だ。
口コミというと、良いサービスを提供すれば自然発生的に口コミが起こるという風に考えている方も多いが、実際はそこまで簡単なものではない。口コミを生み出すには、あえて共有したくなる仕組みを仕掛けていく事が重要になる。
この時、提供するサービスの工夫はもちろんだが、内装やインテリアの工夫、外装なども重要な武器になるという事は覚えておこう。
外装費
続いては外装に関してだ。
先ほども触れた点ではあるが、内装や外装にこだわるという事は、競合の多い歯科業界において一目で差別化できる重要なポイントになる。周囲に個性的な歯科が無い場合は特に効果的だ。実際に全面ガラス張りや、幾何学調の歯科医院など、商圏をこえ話題になった事例もある。
また、このようにわかりやすい差別化は口コミなどを作り出すのに非常に有効な武器となるため、できるだけこだわって頂きたい点である。とはいえ、単に奇をてらったものでは不十分であり、医院のコンセプトを反映するようなデザインである事が望ましい。
内装費
最後に内装についてだ。
考え方としては先ほどの外装と似ている部分があるが、サービス以外の差別化ポイントとして最も重要なのは内装だ。競合が多く飽和しつつある歯科業界において、数年前には効果のあったキッズルームやバリアフリーといったものだけでは差別化の要素として全く意味の無いものになっている。
近年では、都心部を中心にホテル並みの豪華な内装を備え、高所得者をターゲットにした歯科医院が人気を博していたり、盆栽や畳などをあしらいこれまでにない居心地を実現した和風の歯科など特色のある歯科が増えている。
このように個性的な歯科が増えている背景には口コミのされやすさや、他との差別化といった理由ももちろんあるが、居心地の良さ、顧客満足度を高めるための付加価値に直結するといった理由もある事を忘れてはいけない。
したがって、内装にこだわるという事は開業資金の活用方法として最も注力しなければいけない点だと言えるのでは無いだろうか。
外装、内装へこだわることができれば、開業後の広告費も削減出来る?
先ほどは広告費、外装、内装という点について紹介をしたが、実はもう一つ重要な話がある。それは、外装、内装にこだわる事で広告費も削減できるという点だ。
先ほど、安定して顧客を獲得できるまでの間を耐える事の重要性や、広告を十分に活用する重要性については解説してきた。しかし、競合の数が非常に多い現在の状況において、チラシや広告などは効果を出す事が難しくなってきている。したがって、広告自体のあり方についても工夫をする事が重要である。
ここで利用するツールはやはりSNSが有効だ。これまでの流れをお読みいただけた方はすでにお判りいただけていると思うが、SNSで良質な拡散をされるようになれば余計な広告費は必要なくなる。
したがって、SNSで拡散されるようなサービス、そして、外装・内装作りを行う事ができれば無駄な広告費を削減し、集客する事が可能になるという事は想像に難く無い事である。
拡散される外装・内装を作るための方法
集客の難しい歯科医院において外装や内装にこだわる事の重要性はご理解いただけたと思う。
では、具体的にどのようにすれば拡散される外装・内装にする事ができるのかというと、
・事前のコンセプト設計
・コンセプトを具現化する専門的な知見を持った業者選び
の2点が重要だ。
事前のコンセプト設計に関しては、設計段階にぶれてしまう事がないよう、誰にどんなサービスを提供する歯科にするのかを、マーケティング結果や自分の思いなどを踏まえながら設計していく方法しか無いだろう。もちろん、出店予定エリアもそうだが、インターネットやコネクションを利用し成功している歯科医院などを参考にする事も忘れてはいけない。
続いて、実際に作業を依頼する業者選びについてだ。いざ開業するとなると、知り合いの業者や、近所の業者などに依頼しがちだ。しかし、事業の成功を左右する重要な場所を安易に決めてしまうという事はおすすめできない。
やはり、業者を選ぶ際は過去に施工実績があったり、集客やサービスの付加価値になるという事を理解している業者を選ぶべきだろう。
まとめ:勝つ為の開業資金活用方法の鍵は他院との差別化ポイントに投下すること!
今回の記事では、歯科医院をこれから開業し、成功するために知っておいていただきたい開業資金の活用方法について解説をした。
ポイントとなるのは、差別化できる部分とそうで無い部分を切り分けて考え、適切に資金を投下する事だと言えるのでは無いだろうか。そして、差別化できる点は様々あるが、最も注力しなければいけない点はテナント型、戸建型問わず、必ず必要になる内装だと言える。
信頼できる内装業者選びを行い、満足のいくスタートを切っていただければ幸いである。