弁当屋を始めるには?開業の方法やポイントを徹底解説
弁当屋を始めたいと思う理由は人によって違います。
料理が好きだったり子どもの弁当をほめられたり、いろいろなケースがあるでしょう。
しかし、どのケースにおいても経営者になる以上はビジネスとしての成功を目指すことになります。
開業するにあたり資金や物件選びなど考えることは多いです。
そこで今回は、開業の方法やポイントについて解説します。
目次
弁当屋の開業にはいくらかかる?
弁当屋を開業しようとすると、経営を開始するまでにいろいろな出費が発生します。
店舗として使用する物件を取得する必要がありますし、内装や外装の工事もしなければなりません。
食材を保管する冷蔵庫や調理に使うガスコンロ、オーブンといった厨房設備を導入するのも忘れてはいけません。
もちろん、包丁や洗剤をはじめとした多くの道具類も必要です。配達も行う営業スタイルであれば、バイクや自動車も必要になる可能性があります。
その他にも、開業を宣伝するチラシなども用意するのが一般的です。
いろんな資金を確保することが、弁当屋を始めるときの最初の課題となります。
店内で食事ができるサービスを提供する飲食店と比べると少ないですが、それでも目安として300~1000万円程度かかることは想定できます。
さらに、売上が安定するまでの生活費も確保しておきたいところです。
ただし、工夫によっては上記の金額以下に抑えることも不可能ではありません。
たとえば工事の費用を抑えたいなら、弁当屋として使われていた物件を選んだり、内装の工事を家族と協力して行う方法が考えられます。
また、どうしても機材が高くて困った場合は、厨房設備やバイクなどを中古で済ませるのも一つの手段です。
弁当屋のコンセプトの決め方
弁当屋のコンセプトを決めることは、お店作りにおいて重要です。
どのような弁当屋にするのかを決めないと、開業の準備も効率よく進められないからです。
何とか開業したとしても、場当たり的な運営を続けることになり、売上を安定させるのが難しくなります 。
したがってどのような場所で営業していきたいのかを明確にしましょう。
早い段階でターゲット層を明確にすることもポイントです。
ターゲット層によって趣向が異なるので、開業する場所やメニューの選定などに影響を及ぼすからです。
メニューを決めるときは、同時に価格帯についても十分考慮しましょう。
どれぐらいの個数を販売すれば、どの程度の利益が出るのかを計算しながら決めていく必要があります。
運営に関しては、必要なスタッフの人数の見通しを立てることが大事です。
仕入れや調理、配達などさまざまな作業があるので、人手が足りないと行き詰まってしまうかもしれません。
とはいえ、雇用しすぎても人件費が大きくなるので、作業をリストアップして過不足ない人数を割り出しましょう。
物件を決めるポイント
物件を決めるときはターゲット層が大きく関係してきます。
たとえば、ターゲット層がサラリーマンであればオフィス街が向いていますし、主婦なら商店街などが適しているでしょう。
ただし、どのターゲット層を選択する場合でも、物件選びで何より重要になるのは集客を見込めるかどうかを考えることが大切です。
そのため、人通りが少ないというだけで相当な出遅れになることを理解しておかなければなりません。
建物としての良し悪しだけでなく、人通りの多さも評価の軸にして物件を選んでください。
日によって、人通りの量にばらつきがあるケースもあります。
そのため平日だけでなく、土日や祝日の様子もチェックしておきましょう。
統計を取るだけでは分からないこともあるので、何度か実際に訪れて自分の目で確認するのが効果的です。
また、人通りだけでなく競合店の存在を確認することも忘れてはいけません。
いくら人通りが盛んな場所でも、他の弁当屋が近くにあるなら顧客を十分に確保できない恐れがあります。
すでに地域に根付いた評判の良い弁当屋がある場合はなおさら難しいでしょう。
また、競合店は他の弁当屋だけではありません。コンビニやスーパーなど、弁当を販売しているすべての店舗のチェックが必要です。
弁当屋の強みをアピールするポイント
弁当屋を成功させるには、購入したいと思わせる魅力を顧客に感じさせる必要があります。
自信を持てる強みをつくって、積極的にアピールしていくことが大事です。
アピールできる強みの例としては、他にはないメニューが挙げられます。
他にはない珍しい弁当を食べたい顧客がいれば、必然的に自分の弁当屋を選んでもらえます。
珍しいメニューを作るためには、他では使われていない食材を使うのも一つの手です。
たとえば、地元の農家が有機栽培で育てた安全な野菜を重点的に使うという手段なども有効です。
食の安全志向が高まっていますし、地域活性化の後押しにもなるので、良いアピールになるでしょう。
その他にも、オリジナルソースを考案して差別化するような方法もあります。
ただし、差別化を重視するあまり、弁当の味がないがしろになってしまうと本末転倒なので注意しなければなりません。
さらに、お弁当といえばほとんどはご飯がついているので、おいしいお米を用意できれば強みにできるでしょう。
また、冷めても味が落ちないことなどもアピールポイントになります。
多くの顧客を得つづけるには、味を良くするための工夫を惜しまないことが大切です。
弁当屋を開業する流れは?
しっかりとコンセプトを定めたら、開業に向けて本格的に準備を進めていきましょう。
スムーズに進めるには、最初に開業に必要な資金を調達しなければなりません。
多くの場合は銀行からの借り入れを検討することになりますが、全額を融資に頼ってしまうと、金利の負担が大きくなり返済に苦労するかもしれません。
準備の一環として、ある程度は自己資金を貯める取り組みをしたほうがよいでしょう。
資金を調達できたら、人通りなどを考慮しながら物件を決めていきます。
物件を確保したら、自分の弁当屋のイメージに合わせて内外装の工事を行います。
工事にかかる費用は依頼する業者によって異なるので、多くの見積もりをとって比較するのが得策です。
さらに、開業に必要な手続きも済ませておきます。
税務署に開業届を提出するだけでなく、保健所から飲食店営業許可を得る必要もあるので気を付けてください。
また、調理師免許はなくても構いませんが、食品衛生責任者の資格の取得は開業に必須です。
ここまで準備が進んだら、具体的なメニューを決めて仕入れ先を探します。
必要であればスタッフの雇用も検討しましょう。
後は開業に向けて、チラシの配布やホームページの作成といった宣伝活動を行っていくことになります。
オリジナルの強みをアピールできる弁当屋に!
弁当屋を開業しても、集客の状況が悪くて廃業せざるを得ないケースも珍しくありません。開業してから顧客が集まらないと気付いて対策を始めても、改善するまでは売上が少なくなってしまいます。
運営にかかる費用の支払いだけで手一杯になり、生活費を得られなかったり融資の返済が遅れたりして、経営を続けるのが困難になる可能性が高いです。
そのような事態を避けるには、開業前の段階から集客について強く意識しておく必要があります。
ポイントになるのは、オリジナルの強みを持つことです。
とくに他の弁当屋やコンビニといった競合店が多い地域では、それらに負けない強みをアピールして差別化を図らなければなりません。
そうしないと、自分の弁当屋までわざわざ足を運んでくれる顧客は少なくなってしまいます。
逆にいうと、競合店にない強みがあれば、口コミなどで知名度が上がっていくことも期待できます。
ぜひオリジナルの強みをアピールできる弁当屋を目指してください。