飲食店の経費がわかればお店を黒字にできる!経費の基準を紹介します
「飲食店の経営をしているけれど、どんな費用が経費になるのかよくわからない…」「領収書が出てれば経費になるのでは?」といった方は意外と多いです。
飲食店の経費にはなにが該当するのかを把握しておけば、節税の面でも有利となります。じつは経費となるものには基準があるのです。ではその基準とはどういったものでしょうか。
当コラムでは、飲食店で経費として扱われる費用や、その基準について解説しています。また、経営状態を確認する方法についても説明していますので、飲食店の経営でお悩みの方は参考にしてみてくださいね。
飲食店の経費とはなにかを把握しよう
売上が収入となるのに対し、経費とは支出のことを指します。まずは飲食店では経費がどんなものに多くかかっているのかを把握しましょう。飲食店での経費は大きく3種類に分けることができます。
【家賃】
店舗の賃借料で、立地により客足の伸びが大きく変わります。客足の伸びが良い好立地だと高額になりがちです。
【材料費】
店舗のメニューの材料を仕入れるための費用です。高級食材などにこだわると高額になります。
【人件費】
おもにアルバイトや社員に対して支払う給料です。
飲食店における経費とは、おもにこの3種類にかかる経費だと考えておきましょう。そのうえで、黒字経営にするための資金繰りが必要となってくるのです。
それにはこれら3つの経費がどれも高すぎず、低すぎずのバランスを上手くとることが大切です。高すぎると、その分利益が生まれづらくなります。逆に低すぎるとメニューやサービスの質が落ち、売上低下に影響してしまうのです。
どんなものでも経費になるわけではない
そもそも経費になるものは、基準をもとに決められています。単に領収書があれば経費となるわけではないので、飲食店の経費として扱われる線引きをきちんと把握しておきましょう。
では経費となる基準とはなんでしょう。
・事業と関連性が高いものであるか、もしくはそのことを証明できるか
・常識的におかしくない支出金額であるか
・やましく、不自然な支出でないか
これらの基準から外れたものは経費として扱われないケースがあるため注意しておきましょう。また、この基準をもとにしても経費か否かという判断ができかねる場合は、税理士などに相談して明確にしておくことをおすすめします。
確定申告時には、なにが経費として扱われるのかをあらかじめ把握しておく必要があります。経費となるものをきちんと理解しておけば、利益を経費変えることができるため、節税の面でも有利となるのです。
売上をシミュレーションしてみよう
どういったものが飲食店の経費となるかは説明しましたが、それでも経費と売上が漠然としか想像しづらいのではないでしょうか。そういった場合は売上予測を立てて、店舗の利益がいくらになるか把握しましょう。
売上予測は、「予測される客数 × 客単価 × 営業日数」といった計算式でおおよその予測が立てられます。
これらは店舗面積、座席数なども考慮して、できる限り細かく正確に計算すると予測も正確なものとなります。また予測される客数を、土日、祝日で調整し、忙しい日、普通の日といったようなパターンも用意しておくと予測結果のバリエーションをそろえることができるのです。
売上のシミュレーションをして店舗の利益を把握できていれば、のちの経営の方針が定めやすいのではないでしょうか。売上予測は正確なほど目安にしやすいので、綿密なシミュレーションをしておくことをおすすめします。
損益分岐点を理解してお店を黒字にしよう
「損益分岐点」とは店舗が利益を出しているのかを確認するための指標です。この指標をもとに、経営が黒字であるか、赤字であるかといった判断をし、対策の必要性を知ることができます。
この損益分岐点での判断で必要となることは「固定費」と「変動費」をきちんと把握しておくことです。これらは飲食店の経費の種類のことです。
固定費とは、店舗の経営のうえで欠かせないものです。家賃や、融資の利息などが該当します。対して変動費とは、店舗の売上によって変わる費用です。たとえば、材料費、人件費などがこちらに該当します。
つまり、黒字でも赤字でも必要な費用が固定費、経営の調子と相談しながら調整する費用が変動費です。これらを踏まえて損益分岐点を求めるための計算方法は「固定費 ÷ (1 – 変動費 ÷ 売上)」です。
たとえば、固定費40万円、変動費60万円、売上120万円だとすると40 ÷ (1 – 60 ÷ 120)で損益分岐点は80万円となります。そうなると売上120万円は黒字といえますね。
また、固定費40万円、変動費60万円、売上80万円だとすると、40 ÷ (1 – 60 ÷ 80)となり損益分岐点は160万円となります。この場合は売上が80万円のため赤字となるのです。
このように損益分岐点を計算し、売上と見比べることで店舗の経営状態が把握できるため、固定費を下げたり、変動費を下げたりといった対策をとることができます。
まとめ
飲食店の経費は大きく家賃、材料費、人件費の3つに分類することができます。また、経費として扱われる費用には基準があるため、経費となるものとならないものを明確にしておきましょう。経費となるものが理解できていれば、利益が出すぎた際に経費として利用することで節税となります。
また、売上はシミュレーションすることである程度の予測を立てることができます。予測を立てるためには、予測される客数などを細かく設定しておくと、よりハッキリとした結果が得られるのです。
そして経営が黒字であるか、赤字であるかを把握しておくことも忘れてはいけません。固定費、変動費をもとに損益分岐点を算出すれば、損益分岐点をもとに経営状態の目安を付けることが可能です。
自身の店舗の経営状態をきちんと把握できていれば、順調であるかピンチであるかの判断ができます。判断ができれば、対策をとることができるため、飲食店経営の方針を決めやすいですよね。