構造計算と構造設計の違いとは?
構造計算と構造設計・・・
一見すると同じように思いますが、実は全然違います。
簡単に言うと、構造計算とはただ「計算データ」です。
ルールに沿って計算した数字上のデータになります。
一方、構造設計とは
構造計算ではじき出されたデータを元に設計する事です。
ここでの設計とはデザインの設計ではなく、
耐力壁や柱の径、梁の大きさ、鉄筋量等を設計する事です。
構造計算は専用のソフトがあり、
建物のデータを入力するだけなので、誰でもできます。
中国人やカンボジア人などを使って
構造計算させているところもあります。
実際、ハウスメーカーで「全棟構造計算します」と謳っていた場合、
調べてみると外国人が構造計算しただけだった事もありました。
構造計算で問題なかったからと言って
そのまま建てれば安全・・・ではありません。
構造計算さえすれば、安全だと勘違いしている方が多いですね。
法律も準拠し、ルールも守った上で構造計算しても、基準ラインであれば
とんでもなく構造的に弱い建物になります。
安全を手に入れるのであれば、「構造計算をしているか」より
「誰が構造設計するのか」という事の方が大切です。
現場を知らないデスクワークのエリート設計士がするのか、
数々の現場を経験し一棟一棟、責任を持った設計士がするのか、
同じ外見の建物でも、かなり違うと思いませんか?
みなさんは、どっちの建物に住みたいですか?
構造とはすごく地味な分野です。
しかし地震大国の日本においては、とても重要な事なんです。