池袋で(必ず行きたい)おしゃれなバー5選
池袋は、いい意味で雑多な街である。ランドマークとして知られる複合施設サンシャインシティ、有名百貨店、ファッションビルをはじめ、地下街、路面に様々な商業施設がひしめき合う中に、「美術館」などの文化施設、「乙女ロード」といったマニアックなスポットが点在。
そのため若い世代が中心ではあるが、足を運ぶ人の年齢層は意外と広い。また駅周辺の再開発で雰囲気の変わったエリアもある一方で、昔から変わらない老舗が残っているのも池袋の魅力。
そこで今回は、じっくり腰を据えて飲めるお店からエンターテイメント感あふれる異色の店まで、新旧池袋を楽しめるバーを紹介していく。おしゃれであるということのみならず、池袋というエリアならではのお店を楽しんでいただきたい。
目次
NO.1 ペンギンのいるBAR
東京唯一、店名の通り「ペンギンのいる」とても珍しいBAR。ペンタ、ぴーこ、てっぺい、ぺこと名付けられた4羽のかわいいペンギンたちが、人間のスタッフと共にお客様をもてなしてくれると評判だ。
店内奥には水族館を思わせる水槽があり、飲食をしながら彼らの泳ぐ姿はもちろん、愛らしいしぐさ、コミカルな行動を見ることができる。
さらに、ペンギンたちに餌をやるサービスも行っており、デートや誕生日、記念日などに利用する人も少なくない。また同店は、肉、魚、旬の野菜を目の前で焼き上げる「鉄板料理」をはじめとする料理も自慢。
味に加え、ペンギンの姿に細工された食材など、見た目にも食欲をそそるメニューがイタリアン中心にそろっている。ドリンクも種類豊富で、ウイスキーやワイン、焼酎など様々なアルコールを用意。
レモンとりんごでペンギンをイメージした「ペンギンBARオリジナルフローズンカクテル」ほか、カクテルのバリエーションは50種類を超える。店内は全体的に落ち着いた雰囲気だが、基本的には明るい感じ。
カウンター席、テーブル席ともに、水槽で遊ぶペンギンを眺めることができる。カウンター席は眼前に鉄板が置かれ、スタッフが手際良く料理を仕上げていく様、華麗にシェーカーを振る姿を見ながら、目と舌で食事が楽しめる。
椅子はソファのように体をすっぽり包み込んでくれる。テーブル席は、常時ペンギンに近寄れると人気の的。低く大きめの椅子はカウンター同様心地よく、くつろぎながら飲食ができると好評だ。
席を離れ、水槽に近寄ってペンギンを見るためか通路は気持ち広め。ペンギンとダイニングバーは普通なら異端に思われる組み合わせだが、最奥に設置したことで水槽がスクリーンのように見えるのがマッチングの秘訣か。
2013年オープンの新しい店だが、「ペンギンの仕草に癒される」とのことで、開店からわずかな時間で席が埋まるとのこと。池袋に行った際は、一度は足を運んでみたい画期的なバーだといえよう。
住所:豊島区池袋2-38-2 COSMY1ビル
TEL:050-5890-1098 (予約専用番号)、03-5927-1310(問い合わせ番号)
営業時間:18:00~翌4:00
定休日:無休(年始のみ)
アクセス:地下鉄池袋駅徒歩2分、JR池袋駅徒歩4分、東武東上線池袋駅徒歩4分、西武池袋線池袋駅徒歩4分
NO.2 Bar Too(バー・トゥ)
「知る人ぞ知る、池袋の名店」といわれる、オーセンティックなバー。住宅やマンションに囲まれたコンクリート打ちっぱなしのビルの1階にそっけない木のドア。
そこには照明が当たっているものの、店名も看板も何も出ていないため、初めてたずねる人は見過ごしてしまうかもしれない。しかし、足しげく通う人には、それがいいとのことだ。この店では、女性バーテンダーがシェーカーをふっている。
おすすめは、彼女たちが腕を振るう各種カクテル。中でも季節のフルーツを使った、すっきりと口当たりのよいカクテルは自慢の逸品。またつかず離れずの接客も絶妙で、1日の疲れを癒すバータイムを十分に堪能できる。
大人がくつろげる雰囲気と魅力的な女性バーテンダー。男性客中心だというのもよくわかる。店内は7~8席のカウンター席とテーブル席というオーソドックスな内観。身体を包み込椅子は男性が座ってもゆとりがあるサイズ。
カウンターを挟んでバーテンダーの背中には、ぎっしりと酒瓶が並び、酒棚の下段には人形などがディスプレイされている。店内全体は適度な明るさ。カウンターに置かれたクリスタルの光が、カクテルグラスを浮かび上がらせる演出も洒落ている。
住所:豊島区南池袋2-8-1 エバーグリーンハイツ1F
TEL:03-5979-1822
営業時間:17:30~翌2:00(入店1:00 LO.1:30)
定休日:日曜・祝日
アクセス:都電荒川線都電雑司ヶ谷駅徒歩4分、池袋駅東口から徒歩約15分
NO.3 BAR 夜警
「夜警」と聞いて、それがバーの名前だと考える人は少ないのではないだろうか。それ以前に、警備会社でもない限り、店舗の名に「夜警」を付けることはほとんどあり得ないと思われる。
ではなぜ、この店はバーとは無縁な名前を選んだのか?「夜警」の由来は、光を巧みに使った明暗対比を得意とし、「光の画家」「光の魔術師」と称されたオランダ絵画の巨匠、レンブラント・ハルメンス・ファン・レイン(以下レンブラント)の代表作「フランス・バニング・コック隊長の市民隊(アムステルダム国立美術館所蔵)」~通称「夜警」と呼ばれる作品にある。
同店の公式ホームページによると「バーも光と影の明暗がおりなす空間。スポットライトのない時代にレンブラントが創造したものを、現代のスポットライトの中で表現したら…」という思いから、この店が誕生したそうだ。
ドリンクはビールをはじめ、モルトウイスキー、カクテルなど種類豊富。おすすめのサイドメニューは定番のナッツやチョコレート、「バゲットピッツァ」「自家製ピクルス」オリジナルソースを使った「Takoyaki」など。
予算はやや高めではあるが、静かな雰囲気の中、腰を据えてじっくり飲めると評判だ。落ち着きのある内観を演出しているのは、バックバーの壁に飾られた「夜警」そのものであろう。
ロゴマークがあしらわれた扉を開け、カウンターに向かうと、レンブラントの名作が出迎えてくれる。驚くのはこれが写真でもポスターでもなく、「模写」で描かれているということ。もちろん本物ではないが、印刷物とは違う独特の質感が漂っている。
さらに店内には絵画が点在。淡い照明に浮かび上がる作品に、ここは画廊ではないかと錯覚してしまう。また、ところどころに中世ヨーロッパを思わせるファニチャーやディスプレイ。そのアンティーク感も、この店の魅力だといえよう。
かつて池袋周辺には、大正末期から終戦頃まで画家、音楽家、詩人などさまざまな分野の芸術家が住み、「池袋モンパルナス(芸術の中心であったパリ市内の地区名)」と呼ばれていた。レンブラントに因み、芸術家ゆかりの地にオープンしてから約20年。池袋の名店として、これからも多くの人が訪れることだろう。
住所:豊島区西池袋3-31-15 ロイヤルプラザII 7F
TEL:03-3590-8890
営業時間:19:00~翌04:00
定休日:無休
アクセス:JR池袋駅徒歩5分、東京メトロ副都心線池袋駅徒歩2分
NO.4 TIPTOP(ティップトップ)
どの世界においても、奇をてらうことで一時的には話題になるが、それを持続するのはとても難しい。逆に基本を踏まえたオーソドックスなものは、爆発的な人気になることはないものの、結果的に長く愛されるものだ。
それを体現しているのが、飲食店の激戦区池袋で四半世紀以上の歴史を誇るショットバー「TIPTOP」である。コンクリート打ちっぱなしという印象的な外観を持つビルの地下にある池袋の老舗は、大人が腰を据えてお酒が楽しめると評判の名店。
世界の銘酒やレアウイスキーなどの600種類以上の洋酒、季節のフレッシュフルーツカクテルといった多種多様なドリンクが、訪れる人の心と体を癒してくれる。またガラス張りの扉の奥に広がる店内の雰囲気も秀逸。
高級感あふれる本皮張りの椅子、重厚な一枚板のカウンター、さらに独特の電飾とミラーが巧みに配され、独特の空気感を作り出している。
地下でありながら天井が高く、開放的な空間で、ちょっとセレブな気分に浸りながら銘酒や料理に舌鼓を打つひととき。「蟹のパスタ」ほか豊富なメニューも絶品と評判が高い。
オープン以来、変わらないたたずまいに客層は高めで常連も多いとのこと。池袋で大人が安心して飲める貴重なバーとして、これからも親しまれていくことだろう。
住所:豊島区池袋2丁目53-10 フラッグメントミッブB1F
TEL:03-3590-5017
営業時間:18:00~05:00 LO 04:30
定休日:無休
アクセス:各線池袋駅西口より徒歩5分
NO.5 古城の国のアリス
ルイス・キャロルが書いた児童小説の世界的傑作「不思議の国のアリス」。主人公の少女アリスが不思議の国に迷い込み、冒険を繰り広げるストーリーは、1865年の刊行以来、今も多くの人に読み継がれている。
好奇心旺盛なアリスはさることながら、チェシャ猫、白うさぎ、三月うさぎ、帽子屋、ハートの女王などの個性的なキャラクターが魅力的なのも人気の理由といえるだろう。なお、1871年には続編「鏡の国のアリス」が発表されている。
作品は舞台や映画、ミュージカル、アニメ化されており、特にディズニー映画「ふしぎの国のアリス」は有名。またアリスをはじめ、キャラクターを用いた様ざまなグッズが数多く作られており、日本にも愛好家が少なくない。
そんなアリスの世界観に浸れるのが、池袋のダイニングバー「古城の国のアリス」である。店内に一歩入った時から、自分がアリスになったような感覚を覚える内観が、幅広い世代の女性を中心に人気を呼んでいる。
そのため流行の「女子会」に利用されることも多い。まず目を引くのが、天井に届く光の繭のような限定1席の「シャンデリアシート」。トランプ兵が控えたソファー席はまばゆい輝きの中、幻想的な雰囲気を楽しみながら食事ができるということで、記念日・誕生日におすすめ。
2名限定のカップルシート「女王クリスタル舞踏会(BOX席)」と共に、カップルにも好評だ。ほかにも古城の国を見渡せる「魔法の鏡のドレスルーム」、大きな水槽が置かれた「海の神殿」、その奥にある幻想的な個室「人魚の洞窟」も女性の感性をくすぐるディスプレイが施されている。
もちろん、「白ウサギの懐中時計型ケーキ(1日限定3個)」ほか、提供されるドリンクや料理も、物語をイメージさせるものばかり。キャラクターを模したスイーツなどには「崩すのがもったいない」「可愛いから食べたらかわいそう」といった声も上がるそうだ。
とことんこだわった内装が施された店内は、アミューズメントパークといっても過言ではない。飲食のみならず、都内でファンタジックな世界に浸りたい人にもぴったりの店舗だといえるだろう。
住所:豊島区南池袋2-16-8 藤久ビル東3号館 B1F
TEL:050-5890-1527(予約専用番号)、03-4540-6442(問い合わせ番号)
営業時間:月~金/17:00~23:30(L.O.22:30)、土・日・祝/16:00~23:30(L.O.22:30)19:00~翌04:00
定休日:無休(施設に準ずる)
アクセス:JR池袋駅西武口徒歩3分、東京メトロ池袋駅西武口徒歩3分、東武東上線池袋駅西武口徒歩3分、西武池袋線池袋駅西武口徒歩3分
最後にまとめ
もともと繁華街としてにぎわっていた池袋だが、再開発が行われたこともあり、昔とは異なる様相を見せるエリアも少なくない。種々雑多とした雰囲気もひとつの魅力だったが、近年は新しい店が進出、リニューアルしたところも多く、より若い世代が足を運んでいる。
しかし、その一方で、古くから続く老舗の人気も衰えず、中高年の人たちが安心して飲食を楽しめるのも、この街の魅力となっている。池袋に対するエリアとしては新宿、渋谷があげられるが、再開発も手伝ってか、池袋はよりアミューズメント性の高い店舗が目立っているように思える。
本物のペンギンがおもてなしする「ペンギンのいるBAR」、不思議の国のアリスにこだわった「古城の国のアリス」は典型的な店舗で、思い切ったアイディアと工夫が凝らされた内観は、今までのダイニングバーの超えたものといえる。
この傾向は、まだまだ続くのではないかと思われる。このような新しい試みの店、そしてどこまでもオーセンティックな老舗の混在。対極の世界観を持つ店舗がぎっしり詰まった池袋エリアのバーからは、これからも目が離せないといえるだろう。