恵比寿でひと味違うおしゃれなカフェのランキング
江戸時代の恵比寿は大名の下屋敷が点在する静かな農村で、その様相が変わるのは明治時代になってからである。1887年(明治20年)、サッポロビールの前身である「日本麦酒醸造会社」の場設立。1890年(明治23年)、「ゑびすビール」が評判になったことに端を発する。
ビール輸送のために「日本鉄道品川線(現在の山手線)」の貨物駅「恵比寿停留所」ができ、さらに1906年(明治39年)には、近くに旅客駅を開設。恵比寿駅のまわりには商店が立ち並び、人が集まり、周辺は恵比寿と呼ばれるようになる。その後は関東大震災、太平洋戦争における復興と開発を繰り返し、街が形成されていった。
恵比寿駅前の景観が大きく変わったのは、サッポロビール恵比寿工場の移転がきっかけである。工場跡地の再開発計画に基づいて、1994年に水と緑の街「恵比寿ガーデンプレイス」が開業。商業店舗、企業、ホテルなどの施設が集中する、当時はまだ珍しかった「複合都市」として生まれ変わったのである。
ここでショッピングや飲食を楽しむ年間来訪者は1,200万人。また毎年話題になる「クリスマスイルミネーション」をはじめ、年間を通して各種イベントが行われており、恵比寿エリアの活性化にも貢献している。今や東京有数の人気スポットだけに、恵比寿のカフェも百花繚乱といっていい。
オーソドックスな店舗もあれば、個性的なお店、女子会にターゲットを絞ったものまで、バラエティーに飛んでいる。また若い人だけでなく、幅広い年齢層を狙ったカフェが多いのも恵比寿の特徴だといえよう。
今回は「おしゃれ」を含め、さらにひと味違うこだわりを持った恵比寿のカフェを集めてみた。カテゴリーに収まらない、自分が抱く恵比寿のイメージを超えた店舗が見つかればうれしい。
目次
NO.1京鼎樓 恵比寿本店(京鼎樓 HANARE店、京鼎樓バル)
「小龍包カフェ」をコンセプトに、台湾でも行列ができる名店「京鼎樓」の味を、そのまま日本で再現したお店。おすすめはもちろん、「小籠包」をはじめ、世界的に認められた点心の数かず。注文があってから、職人がひとつひとつ丁寧に包む超薄皮の「小籠包」は、皮を開くと旨み凝縮のスープがたっぷり。
厳選した豚肉の風味と絶品スープが、口の中いっぱいに広がっていく。本場の点心を出来立てほやほやで味わえるということで、芸能人、著名人の来店も多く、遠方から足を運ぶ人も少なくない。
点心の名店でありながら、店内は誰でも気軽に入れるよう、「中華料理」という印象を感じさせない、カジュアルな雰囲気にまとめられている。人数に応じてフレキシブルに動かせる2人用テーブル、カウンターが設けられていることで、おひとりさまでも周囲を気にすることなく飲茶や食事を楽しむことができる。
テーブルをつなぐ、半個室を利用すれば、グループでの会食やちょっとしたパーティーも可能。点心場では、手際よく丁寧に小籠包を包み、絶妙のタイミングで蒸しあげる、本場台湾の点心師の場の技を楽しめる。
また本店は用途によって使い分けることが可能で、1階の「京鼎樓HANARE」は、接待や大人のデートにぴったりの「隠れ家」的な「雰囲気が特徴だ。HANAREとは日本の伝統的「離れ」をイメージしており、「母屋とはひと味違った特別なおもてなし」がテーマ。
店内にはウエイティングバーを用意し、家具調度品も2階より落ち着いた色合いでまとめられている。また天気の良い日はテラス席での食事もおすすめ。
恵比寿にはもう一軒、「京鼎樓BAR」がある。こちらはワインとイタリアンチャイニーズをテーマにした店舗で、看板メニューの小籠包に加え、イタリアンと台湾中華を融合させた料理と、種類豊富なワインが楽しめる。
内観はイタリアの「バル(バールとも。スペインやイタリアなどの南ヨーロッパにある、食堂とバーがひとつになった感じの飲食店)」そのもので、壁面には絵画やワインをディスプレイ。気の置けない友人とランチやお酒を堪能できるテーブル席、一人でも安心なカウンター席が用意されている。
同じエリアにありながら、それぞれの個性が際立っている点心のダイニングカフェ。その日の気分で選んでみてはいかがだろう。
住所:渋谷区恵比寿4-3-1 クイズ恵比寿2F
TEL:03-5795-2255
営業時間:月〜土/LUNCH:11:30〜15:00 (L.O. 14:30)、DINNER:17:30〜24:00 (L.O. 23:00)、日・祭日/LUNCH:11:30〜15:30 (L.O. 15:00)、DINNER:17:30〜23:00 (L.O. 22:00) ※年末年始営業日は時間変更あり。
定休日:無休(12月31日、1月1日のみ休業)
アクセス:JR恵比寿駅東口より徒歩1分、東京メトロ日比谷線恵比寿駅より徒歩2分
京鼎樓 HANARE店
住所:渋谷区恵比寿4-3-1 クイズ恵比寿1F
TEL:03-5795-2213
営業時間:月〜土/LUNCH」:11:30〜15:00 (L.O. 14:30)、DINNER:17:30〜24:00 (L.O. 23:00)、日・祭日/LUNCH:11:30〜15:30 (L.O. 15:00)、DINNER:17:30〜23:00 (L.O. 22:00)11:00~22:00(フードL.O 21:00、ドリンクL.O21:30)
定休日:無休(12月31日~1月3日のみ休業)
アクセス:JR恵比寿駅東口より徒歩1分、東京メトロ日比谷線恵比寿駅より徒歩2分
京鼎樓バル
住所:東京都渋谷区恵比寿4-9-5 1F新宿区新宿6-27-30 新宿イーストサイドスクエア1F
TEL:03-5422-7305 03-6457-6714
営業時間:月〜金/LUNCH:11:30〜15:00 (L.O. 14:30)、DINNER:17:30〜24:00 (L.O. 23:00)、土/LUNCH:12:00〜17:00、DINNER:17:00〜23:00 (L.O. 22:30)。日・祝日/LUNCH:12:00〜17:00、DINNER:17:00〜22:00 (L.O. 21:30)11:00~22:00(フードL.O 21:00、ドリンクL.O21:30)
定休日:無休(12月31日~1月3日のみ休業)
アクセス:JR恵比寿駅東口より徒歩2分、東京メトロ日比谷線恵比寿駅より徒歩2
3分
NO.2 ル・リオン
数ある東京に人気エリアの中で、恵比寿にはワンランク上のイメージがある。そのせいか年齢層も幅広く、恵比寿で働く人に交じり、品の良いご婦人の姿が目立つ。そんな女性方に人気を呼んでいるのが「ル・リオン」。
ランチタイムにもなると、ちょっとおしゃれな女性のグループが楽しそうにテーブルを囲んでいる。特にランチはお手頃価格でカジュアル・フレンチが堪能できると評判。
フランスはリヨンの郷土料理を中心に、「マグレ鴨のロースト オレンジソース」「牛ロースステーキ」といった人気の肉料理、前菜からデザート、ワインまで、自慢の逸品を用意。
基本的はビストロ(もともとは、仲間や家族と食事を楽しむ庶民的な食堂、レストラン。現在は高級料理を出す店も)ではあるが、カフェだけの利用も可能だ。明るい店内には普通の席とソファが置かれたテーブルが並び、友人や同僚との飲食を楽しむにはぴったりの雰囲気。
ガラス張りになっているため奥行き感があり、ゆったりとくつろげる。オープンテラス席は緑に囲まれ、天気のいい日は屋外利用もおすすめ。なお、オープンテラスはペット同伴できるので、散歩がてらに立ち寄る地元の人も少なくない。夕方からは雰囲気が一変。店内もオープンテラスも、より落ち着いた表情を見せる。
そのため、カップルや夫婦で時間を過ごすのにふさわしい。本格的な料理を味わえるにもかかわらず、誰でも気軽に利用できる貴重なお店だけに、誕生日や大切な日にぜひ利用してほしい。
住所:渋谷区恵比寿1丁目21−16 シェソワ恵比寿
TEL:050-5571-0880(予約専用番号)、03-3445-8131(問い合わせ専用番号)
営業時間:月~金/11:30~24:00(ランチ:11:30~14:00、ディナー:14:00~23:30(LO 22:30))、土・祝/11:30~24:00(ランチ:11:30~15:00、ディナー:15:00~23:30(LO 22:30))、日/12:00~20:00(ランチ:12:00~17:00、ディナー:17:00~20:00(LO 19:00)、11:00~22:00(フードL.O 21:00、ドリンクL.O21:30))
定休日:無休
アクセス:恵比寿駅東口徒歩5分
NO.3 猿田彦珈琲
昨今、チェーン店のコーヒーは決して「安かろう悪かろう」ではない。二百数十円で、それなりの味を提供しているところが多いので、ついついそちらに足が向いてしまう人も少なくないのだろう。そのせいで、純粋な喫茶店スタイルの店は減っているときく。
しかし、どうしても「一杯から丁寧に入れてくれるコーヒーが無性に飲みたい」と思う時がある。そんなコーヒー好きには知る人ぞ知るお店が、自家焙煎のコーヒー専門店「猿田彦珈琲」だ。
オープンは2011年と日は浅いが、大手飲料メーカーの缶コーヒー監修を行うなど、行列のできる人気店として注目を集めている。コンセプトは「たった一杯で幸せになるコーヒー屋」。
ドリップとエスプレッソマシンによるコーヒーの味はまろやか。砂糖がなくても飲みやすいと評判だ。木の温かみが感じられる椅子やテーブルが置かれた店内は、常に満席状態。販売用コーヒー豆のディスプレイ、写真集などがさりげなく飾られている。
店舗の広さもあり、正直なところ長居はしにくいが、仕事に疲れたとき、喉が渇いたとき、柔らかなテイストのコーヒーを口にすることで気分転換になることは請け合いだ。店舗が狭いせいで、コーヒーを抽出するときの香りが店内に流れてくるのもいい。
住所:渋谷区恵比寿1-6-6 斎藤ビル 1F
TEL:03-5422-6970
営業時間:8:00~翌0:30、土・日・祝/10:00~翌0:30
定休日:無休
アクセス:JR山手線他・恵比寿駅西口徒歩2分、東京メトロ日比谷線恵比寿駅徒歩3分
NO.4 kawara CAFE&DINING 恵比寿
飲食の世界も、最近は境界があいまいになっている。かつては料理ジャンルなら和洋中で、フレンチやイタリア料理は「洋」に含まれ、「中」といえばほぼ中華料理店を指していたように思う。
しかし、現在の日本には様ざまな国の料理があふれており、和洋中のカテゴリーでは分けられなくなってしまった。業態も同様で、カフェといえば喫茶が主体だったが、今は違う。カフェと名乗っていても、純粋にスイーツやドリンクを提供する店舗もあれば、ランチやディナーが食べられるお店も珍しくない。
このお店も同様で、ティータイムの利用はもとより、和のテイストをメインにした本格的な料理も楽しめるなど、カフェとダイニングの要素を併せ持った店舗だといえる。店内には用途に応じたカップルシート、VIP個室、夜景の見える席、ソファ席などを用意。
また「デザイナーズダイニング」とうたうだけあって全体は黒を基調とし、センスのよいウォールアートが店内を演出する。頭上にはきらびやかに回るミラーボール、DJブースやプロジェクターの無料貸し出しも行っているため、誕生日や記念日(特製ケーキをプレゼント(要予約))、女子会、デート、合コン、さらに結婚式2次会の貸切などのイベント会場としても、幅広い利用が可能だ。
住所:渋谷区恵比寿西1-9-3 恵比寿入船ビル 7F
TEL:050-5869-5622 (予約専用番号)、03-3780-1912 (問い合わせ専用番号)
営業時間:11:45~24:00(ドリンクラストオーダー23:00、フードラストオーダー22:30)
定休日:無休
アクセス:恵比寿駅西口徒歩1分
NO.5 カフェ アクイーユ
家庭で簡単に作れるおやつの代名詞だったパンケーキも、今は立派なスイーツのひとつ。焼き方や厚さ、上に乗せるトッピングやソースに工夫を凝らし、ケーキに勝るとも劣らない味わいが人気を呼んでいる。
恵比寿に店を構える「カフェ アクイーユ」もそのひとつで、味はもちろん、見た目も美しくデコレーションされたパンケーキが人気。
「和栗と仏産マロンのモンブランパンケーキ」、夏の定番「マンゴーソレイユ『夏の太陽』」ほか、パティシェの手掛けた季節のフルーツを効果的に使った果実たっぷりのパンケーキが、訪れる人の目と舌を堪能させてくれる。
店内のテーブルには、ぬくもりすら感じさせる木製を採用。二人向き合う大きさのテーブルがメインだが、数人で料理を囲める大きなテーブルも用意。ランチやディナーをカップルで、また友人や家族で楽しむことができる。
ガラス張りで、外からの光がふんだんに取り込まれた室内は明るく、開放的な雰囲気がいい。また、ペット同伴も可能なオープンテラスを設けており、天気に恵まれた日は木々に囲まれての憩いのひとときを過ごせる。
壁面には目覚まし時計などの雑貨がディスプレイされるなど、自分の部屋にいるようなテイスト。低めのソファ席を選べば、まったり感もアップ。またコーナーにさりげなく置かれた生花、観葉植物が安らぎをもたらせてくれるのもいい。
住所:渋谷区恵比寿西2-10-10 エレガンテヴィータ1F
TEL:03-6821-8888
営業時間:11:00~23:00(フード L.O 22:00/ドリンク L.O22:30)、ランチタイム11:00~17:00 9:30~23:00(L.O.22:30)
定休日:年末年始のみ
アクセス:山手線・日比谷線恵比寿駅徒歩4分、東横線代官山駅徒歩5分
最後にまとめ
他の有名スポットとは一線を画し、ちょっとハイソなイメージを店舗に感じられるのは恵比寿の特徴。そのため年齢層は高くなっているが、結果的には若い人から年配の人まで、ドリンクや料理、スイーツといったメニューを楽しむことができるといえよう。激戦区だけに、「恵比寿のカフェ」といっても営業内容は様ざま。その中からピックアップした店舗は恵比寿に行く機会があれば、ぜひオーダーしてみて欲しい。