吉祥寺で一度は行きたいおしゃれ系カフェ5選
吉祥寺は「ショッピングやグルメを楽しみたい街」「住みたい街、住んでみたい街」「おしゃれな街は?」といったアンケートにおいて、必ず上位にランキングにされる地域である。
吉祥寺の名前が独り歩きして、「23区のひとつ」「吉祥寺市」だと勘違いされることもあるようだが、実は武蔵野市に属しており、吉祥寺(吉祥寺の下に東・本・南・北町が付いている)という町名はない。
ちなみに「吉祥寺」の名は、もともと江戸本郷元町(今の文京区本郷一丁目)にあった吉祥寺の門前町が焼失し、その際、焼け出された住人が移住したことに由来する。
移住者は、玉川上水の開通によって開発された新田や農地を、かつてのふるさとと同じ「吉祥寺」と命名したという(しかし、吉祥寺という寺は存在しない)。
交通アクセスも良く、JR中央線、京王井の頭線の「吉祥寺駅」が利用でき、練馬や調布行をはじめとするバスも充実していることから、このエリアの賃貸や購入住宅は決して安くはない。
しかし、成蹊大学、東京女子大学などが徒歩圏内、バス圏内の大学や高校が集まっているためか、築年数を経た一人暮らし用ワンルームは家賃5万円以下というケースも。
「東急」「丸井」といった百貨店、「ヨドバシカメラ」、「アトレ吉祥寺」などのショッピングモールのみならず、昔からの商店街が元気なこともあり、手頃な価格の生活用品や食材を扱う店も少なくない。
飲食店も同様で、リーズナブルな店舗から本格的なフレンチの名店、女性に人気のおしゃれなカフェやレストランまで、様ざまな店舗が点在。戦後の闇市から続く名所・ハモニカ横丁には長い歴史を持つ店が、今も軒を連ねている。
吉祥寺のランドマークで、桜の名所でも知られる「井の頭恩賜公園(通称井の頭公園)」周辺にも、カフェをはじめ個性的な店舗があり、特に犬の散歩をする近隣住民向けのペット同伴店が目立つ。
また併設の「井の頭自然文化園」、アニメ・ファンに人気の「三鷹の森 ジブリ美術館」を訪れた客の利用も多い。また、演劇、音楽、サブカルチャーの発信地としても有名で、ジャズ喫茶やライブハウスが多数点在。
アート系では漫画家やイラストレーターが居住しており、中でもホラー、ギャグマンガの大家・楳図かずお氏はよく知られた存在だ。そのため、ギャラリー併設の看板を出しているカフェもよく見かける。
他には、テラス席を設けている店舗が結構あるのも特徴。屋上、路面、公園など、設置場所は様ざまだが、四季や自然の風を感じながらの飲食はなかなか気持ちがいい。夜景が楽しめる店舗もあるので、カップルにはぴったりだといえるだろう。
NO.1 カフェ ゼノン&ソラ ZENON
2009年にオープンしたこの店は、音楽、映画、文学、アニメ、マンガをはじめ、様ざまな文化の中心地・吉祥寺を体現しているといっていい。
「吉祥寺は、読み手ではなくつくり手の街。漫画文化を伝える発信地として、吉祥寺の街から届けたい」をコンセプトに、「MANGA×ART×CAFE」にこだわる店作りを行っている。
それは、店内に飾られた、あらゆるジャンルのクリエイターの絵画、ロゴや小物デザイン、グラフィックアート、月替わりで開催される展示会開催だけではない。
熟錬のバリスタが創りだす多彩なラテアートなどのドリンク、オリジナルカクテルをはじめとする80種類以上のアルコール、地元武蔵野野菜を使った多国籍メニューにおいても、クリエイターの発想が生かされているそうだ。
入店して気が付くのは、まず天井が高く、広々とゆったりした空間が広がっていること。そこには漫画本や雑誌、漫画を描く道具、ぬいぐるみなどが配置され、大小のシャンデリアが店内を明るく照らしている。
階段の上には、60年代アンティーク家具や装飾品が施されたロフトがあり、落ち着いた大人の雰囲気を醸し出している。
オープンキッチンの前にカウンター席は、熟練のバリスタ、バーテンダーと会話をしながら食事やお酒ができるため、女性ひとりでも気軽に利用できると評判だ。
なお、奥のカウンター席にはガラス展示ケースが埋め込まれており、ファン垂涎、巨匠たちの貴重なネームや原稿をみることも可能。漫画家やクリエイター本人と遭遇するチャンスもあるという。
また、多目的空間としても利用することができ、結婚式の2次会やイベント、謝恩会ほか、様ざまな用途に応じて貸し切りすることができる。
パーティー、宴会向け料理の提供に加え、ステージ、コードレスマイク、モニター、プロジェクター、各種プレーヤー、スポット照明のレンタルも可能。
逆に一人で漫画を読みながら、またアートを鑑賞しながら、スイーツ類(即日オーダーで、誕生日などのメッセージも可能、各種スイーツ盛合せが人気)をはじめ、昼はランチ、夜はアルコールも含めたディナーを楽しむのもいい。
実はトイレも話題で、女性トイレは優雅でお姫様気分が味わえる、男性トイレはスタイリッシュで、壁面に有名漫画のセリフが描かれているユニークなデザイン。トイレを体験するだけでも、この店に行く価値ありと言われているだけに、ぜひ出かけてみてはいかがだろう。
井の頭公園のすぐ近くに立つ「吉祥寺じぞうビル」は、2013年にオープン。京都の街を思わせる伝統の町家作りの雰囲気、現代建築の新しさを併せ持つ建物の中には、吉祥縁結びで知られる「京都鈴虫寺」が開眼供養した「吉祥寺御縁地蔵」が安置され、いくつもの個性的な店舗が入っている。
そのひとつがビル最上階(6F)にあるカフェゼノンの姉妹店「ソラ ZENON」だ。評判のメニューは、漢方生薬、西洋ハーブ、フルーツ、ベジタブルほか、身体に優しい食材を用いた薬膳酒カクテル。
ほかにはスタンダードカクテル、オリジナル料理なども提供しており、飲みながら心身ともに健康かつ元気になれるカフェ&バーである。店舗の造りは、とにかく明るくて開放的。
特にテラス席からの景色は吉祥寺一ともいわれ、四季折々の井の頭公園をはじめ、吉祥寺の街並み、天気の良い日は富士山まで見渡せる。
そのため昼間は「パノラマカフェ」として、ランチやカフェ目的で訪れた人たちが、景色を眺めながら食事を楽しんでいる。お年寄りから子供連れ、会社員、学生までと客層も幅広く、またペット(犬)と一緒に利用することも可能だ。
夜は「薬膳酒バー」となり、利用客も会社帰りのビジネスマン、OL、カップルが中心。昼間同様、テラス席を利用することができ、バータイムは幻想的な夜景が眼前に展開する。ロマンティックな雰囲気を求めて訪れる、女性グループも少なくない。
街の近くに公園が広がり、さらに高層ビルがないため、良い眺めを確保できるのは吉祥寺の意外な魅力。それを最大限に活用しているのが「ソラ ZENON」といえるだろう。
なお、貸切も行っており、結婚式の2次会、歓送迎会、謝恩会、同窓会など様ざまなイベントに対応。誕生会、レッスン用教室など、ちょっとした集まりにも利用もできるという点も評価されている。
カフェ ゼノンとソラZENON、それぞれ特徴やロケーションは異なるが、どちらもおしゃれかつ、アイディア豊かでユニークなカフェ。その日の気分に応じて出かけてみてはいかがだろう。
カフェ ゼノン
住所:武蔵野市吉祥寺南町2-11-3
TEL:050-5868-4562(予約専用)、0422-29-0711(問い合わせ専用)
営業時間:11:00~24:00(フードL.O.23:00/ドリンクL.O.23:30)
定休日:不定休
アクセス:吉祥寺駅より徒歩5分
ソラZENON
住所:武蔵野市吉祥寺南町1-9-9 吉祥寺じぞうビル 6F
TEL:050-5869-5591(予約専用)、0422-41-8188(問い合わせ専用)
営業時間:11:00~24:00(ランチ:11:00~15:00)、日曜日/11:00~18:00、月曜日/18:00~24:00
定休日:要確認
アクセス:吉祥寺駅より徒歩2分
NO.2 FESTA (フェスタ)
吉祥寺のシンボルといえば、やはり「井の頭公園」。正式名称「井の頭恩賜公園」にあるよう、1913年(大正2年)、帝室から東京市に下賜され、1917年(大正6年)から「恩賜公園」として一般公開が始まった。
とはいえ、江戸時代には徳川家のお鷹場として知られており、弁財天は信仰の地であるとともに庶民の行楽地でもあった。
四季の自然の美しさは、歌川広重(「東海道五十三次」などの代表作がある江戸時代の絵師)の「名所雪月花・井の頭の池 弁財天の社雪の景」にも描かれている。
今も市民やの憩いの場である井の頭公園の中、春の花見、散策やボート遊びを楽しむ人の人気を集めているカフェが「FESTA (フェスタ)」である。料理はピザをはじめ、パスタ、チーズ、生ハムなどを使ったカジュアルイタリアンがメイン。
また、サンドイッチやカレーといったおなじみの軽食メニューもあるので、腰を据えての食事はもちろん、散歩や遊びの休憩にもぴったりだ。店舗の井の頭池に面した壁は大きなガラス窓になっており、季節に応じた花木を眺めることができる。
特に桜の季節は格別で、眼前には池を薄紅色に染める満開の桜が広がる。ランチやディナーはもちろんのこと、貸切も可能(15名から)なので、結婚式の二次会、アニバーサリー、誕生日などのパーティー、おしゃれ系女子会、合コンといった集まりにも利用できる。
なお、イベントを盛り上げるための「窓ガラスデコレーション」、52インチ大型モニターでの映像演出にも対応する。またペット同伴も可能なので、散歩の合間に愛犬らとの心休まる時間を過ごす人も多い。
住所:三鷹市井の頭4-1-11 水月ビル 1F
TEL:050-5570-2089(予約専用)、0422-44-7121 (問い合わせ専用)
営業時間:11:30~22:00
定休日:月曜定休(月曜日が祝日の場合は火曜日)
アクセス:吉祥寺駅南口から徒歩5分(井の頭公園内)
NO.3茶の愉 吉祥寺店
どのエリアにもひとつはある「和風カフェ」。「あんみつ」「かき氷」といったオーソドックスなメニューが幅広い層に支持されているが、実は店舗によってはメニューも違い、サービスも異なっている。
ここ「茶の愉 吉祥寺店」は、良質の茶葉を使ったお茶、熟練した職人が作り出す甘味の美味しさはもちろんだが、食器にまで強いこだわりを持っている和風喫茶である。たとえば、白い磁器を用いることで、スイーツやメニューが映える。
よりおいしいお茶を入れるために、直接窯元に赴き、専用の茶器(カップ&ソーサーなど)を製作するなど、徹底したサービスを心がけている。それは内装も同様で、訪れる人が心からくつろげるようにと、あちこちに工夫を凝らしている。
椅子を例にとると、デザインはもちろん、着席した際、全ての席から違う風景が眺められるよう、配置も細部にまでこだわっている。また引き戸を閉じるだけで個室となる「柳の間」は、大切な人との語らいにぴったり。
デザイン面では、店内を照らすガラスのシャンデリアは、店名に因んで高貴な雰囲気の茶葉をかたどっている。また晴れの日には、屋外で四季の息吹を感じながら、お茶屋や甘味、料理が楽しめるように限定の「テラス席」を設置。
ここはペットといっしょに利用することができる。さりげなく行き届いたおもてなしが、全体的に感じられる店舗であるといえるだろう。
住所:武蔵野市吉祥寺本町2-15-3
TEL:0422-22-6444
営業時間:GRAND MENU/11:00~19:00(L.O.18:30)、LUNCH MENU/11:00~14:00(L.O.14:00)
定休日:お盆、年末年始
アクセス:JR中央線、京王井の頭線「吉祥寺駅」中央口より徒歩7分
NO.4 ラパン アジル
一時期のブームは落ち着いたものの、一軒家をまるごと使った(一軒家風に作られた)レストラン、結婚式場には、まだまだ需要があるようだ。
その魅力は「室内に温かみがある」「自宅でくつろいでいるように思える」「おしゃれ感にあふれている」といった点にあるようだが、吉祥寺にもそんな一軒家カフェ&レストランは存在する。中でも有名なのが「ラパン アジル」である。
基本的にはカジュアルスタイルのフレンチレストランではあるが、ランチ、ディナーのほかに「ティータイム」が設けられており、1階はカフェとして利用することができる。
「カジュアルスタイル」とはいえ、ランチタイムには肉または魚料理のどちらかを選ぶコース、パスタをメインにした本格的なコースなどがそろい、さらにコストはリーズナブル。
毎日築地から仕入れた新鮮な海鮮を使った鮮魚のマリネ、野菜の美味しさを堪能できるバーニャカウダがテーブルを彩り、足を運ぶ人たちの目と舌を楽しませてくれる。ティータイムは、シェフの手作りデザートがおすすめ。
ケーキから、ソルベ、ジャムまでが全てが手作り。毎日こだわり続けてきたデザートを、大きな窓から日光が差し込む明るい1階のスペースで、たっぷり味わえると評判だ。
店内には吹き抜け空間があり、2階に上がる階段には一軒家ならではの温かみを感じる照明が配置されている。2階には、ゆったりできる個室が設けられており、貸切(5名以上)も可能だ。
このアットホームな雰囲気が女性には人気なのか、おひとり様で夜カフェや夜ごはんに足を運ぶ人も少なくない。なお、ラウンジ部分はペット同伴(ただし、条件があるので要事前確認)で、カフェや食事が楽しめる。
住所:武蔵野市吉祥寺本町2-15-3
TEL/FAX:050-5890-8316(予約専用)、0422-22-1225(問い合わせ専用)
営業時間:月・火・木~日・祝・祝前/ランチ:11:30~ (L.O.15:00)、月・火・木~日・祝・祝前/ディナー:18:00~22:00 (L.O.21:00)、月・火・木~日・祝・祝前/ティータイム:14:00~22:00 (L.O.21:00)12:00~24:00。日曜日は12:00~22:00
アクセス:吉祥寺駅北口下車徒歩7分。
定休日:水曜不定休
NO.5 カムラッド 吉祥寺店
どのエリアにも個性的なカフェはあるものだが、文化のクロスオーバーが盛んな吉祥寺は、それが顕著だといえる。このお店は日本野菜ソムリエ協会が認定した、カフェ&カジュアルレストラン。
仕入れは地元武蔵野地区の契約農家(20軒以上)から、野菜ソムリエが厳選したこだわりの食材のみを使用。デュラム小麦粉100%の生パスタが堪能できる。またハーブ豚、近江鶏などのこだわり食材を使った料理も人気を呼んでいる。
特に注目なのは「野菜を使ったデザート」。旬の野菜を利用した「ベジタブルケーキ」は低カロリーでヘルシー。体重が気になる女性も安心だ。
女性客が中心ということで、家具やテーブルには野菜を意識したグリーンをメインに、茶色、ベージュといったアースカラーを施し、店内は落ち着いた雰囲気になっている。様ざまなスパイスが並ぶキッチンは、まるでディスプレイのよう。
また子供連れも少なくないため、座敷タイプの半個室も用意しており、周囲を気にせず食事が可能。半個室はデートにもおすすめだが、かなりの人気。使いたい場合は予約したほうがいいだろう。
そして吉祥寺エリアには欠かせない、ペット(犬)同伴可能なオープンテラスも用意。天気のいい日は愛犬と一緒に素敵なカフェ・タイムを楽しんでみてはいかがだろう。
住所:武蔵野市吉祥寺本町1-10-14 ロータス第2ビル 1F
TEL:0422-20-7577
営業時間:ランチ/11:30~15:00、カフェ/15:00~17:00、ディナー/17:00~23:00(L.O.22:30)
定休日:火曜日定休(要確認)
アクセス:JR中央線・京王井の頭線「吉祥寺」駅西口徒歩7分
最後にまとめ
静かで住みやすい反面、先鋭的な文化や流行を発信してきた吉祥寺は、振り幅の大きさを感じさせる街だといえる。それはカフェも同じで、老舗もあればエキセントリックな店舗もあるし、おしゃれな雰囲気が持ち味のオーソドックスなお店も多い。
またカフェといっても多目的な利用が可能、また「カフェ ゼノン」のように漫画やアートとコラボレーションしているなど、クロスオーバーな特徴を持つところが少なくないといえる。
やはりライバルの多い吉祥寺だけに、頭一つ抜け出すための強い個性を持たねばならないというのが、その理由なのだろう。また、井之頭公園で愛犬と散歩する住民が多いせいか、ペット同伴可能なカフェが目立つ。これも吉祥寺にあるカフェの大きな特徴だといえよう。