カフェ開業は資格を取ってから! 「食品衛生責任者」や各種申請を解説
みなさんは雰囲気やメニューにこだわった、ステキなカフェを経営してみたいと考えたことはありませんか?カフェのような飲食店では、開業するときにいくつかの資格や許可が必要で、それらを取得していないと開業ができません。また経営するカフェの資格や許可はメニューやサービスによって必要なものがそれぞれ変わってくるのです。
今回は飲食店において必須となる資格や許可、あれば経営に有利な資格などをご紹介していきます。実際にカフェの開業を考えている人は、ぜひとも参考にしてくださいね。
必ず取得しよう「食品衛生責任者」
飲食店を訪れた際、レジの近くなどに証明書が掲示されているのを目にしたことがありませんか?お客さんからよく見える場所に掲示してあるのは、その飲食店が「うちは経営するために必要な資格を取得しています!」ということをきちんと証明しているのです。
「食品衛生責任者」という資格はご存知でしょうか。これは飲食店を経営するのであれば必ず取得しなければならない資格です。もちろん、カフェでも資格として必要なため、具体的にどういったものかをご紹介します。
●食品衛生責任者
これは「飲食店が衛生的な環境で経営されていることの責任」をもった人が店舗にいることの証明となります。ちなみにその責任者とは必ずしもオーナーである必要はなく、従業員でもかまいません。責任者は店舗の環境を衛生的に保つ責任があり、店舗内で問題があれば経営者に改善の指示をする必要があります。
●防火管理者
飲食店の収容人数が30人以上の場合に必要となる資格です。こちらの資格は「施設での防災につとめる責任」をもった人が店舗にいることの証明になります。また床面積が300平方メートル未満だと「乙種防火管理者」、300平方メートル以上だと「甲種防火管理者」といったように種類が変わります。
カフェを開業するときは各所に申請も必要
カフェでは資格のほかにも、各所に届け出を出して許可をもらう必要があります。カフェであつかうサービスや、設備によって必要な許可が変わってきますが、こちらも開業に必須なものがあるのできちんと把握しておきましょう。
※()内は提出する場所
●飲食店営業許可(保健所)
飲食店であれば必須となります。内装工事の前に図面を保健所に持ち込んで相談を受ける必要があり、厨房設備などが衛生的に問題ないかといった検査を通して取得できる許可です。
●防火管理者選任届(消防署)
30人以上の収容人数がある店舗の開業に必要です。先ほどふれた防火管理者の資格があっても申請する必要があるので注意しましょう。また火をあつかう設備の設置をする場合は「火を使用する設備等の設置届」が必要となります。
●個人事業の開廃業等届出書(税務署)
事業を始める場合に必要となる許可です。開業してから1ヶ月以内に、開業場所を管轄とする税務署に申請しましょう。
●労災保険の加入手続き(労働基準監督賞)
飲食店にスタッフを雇う際に必要となります。
●雇用保険の加入手続き(公共職業安定所)
上と同様に飲食店にスタッフを雇う際に必要となります。
カフェを開業するうえで一般的に必要となる許可をあげましたが、ほかにも深夜にアルコールを提供したり、お客さんに対する接待行為などのサービスをしたりする場合はまた別の許可が必要となります。
開業する予定のカフェの特徴を見直してみて必要になりそうな許可があれば、あらかじめ調べておきましょう。
カフェの開業に役立つ資格
カフェの資格では開業に必須ではありませんが、あると経営で有利となる資格がいくつかあります。そういった資格は経営しながらでも取得することができるので、売上アップのために取得を考えてみるのはいかがでしょうか。
●調理師免許
意外かと思われるでしょうが、じつは飲食店の経営で調理師免許は必要ないのです。しかしこの資格をもっておくとお客さんに対して「料理を提供する場としての信頼」が得られますよね。あるのとないのでは、お店の信頼はだいぶ変わってくるはずです。
また調理師免許を持っていることが証明できれば、上でもあげた食品衛生管理者の資格を講習なしで取得することができます。
●JBAバリスタライセンス、UCCコーヒープロフェッショナル
これらの資格もお客さんに対して、お店が専門的だということをアピールして信頼を得るうえで有利となる資格です。この2つはコーヒーに関する知識や技術に精通していることの証明となります。カフェの経営をするのであれば、ぜひ取得しておきたい資格といえますね。
必要なのは資格よりもコンセプト
これまでカフェの必要資格や許可の解説をしてきましたが、カフェの開業はほかにも忘れてはならないことがあります。資格や許可を取得し、いよいよ開業となっても、お店の特色や内装デザインにこだわりがなければ、普通のカフェです。
やはり他店と差をつけたいのであれば、お店の雰囲気で差をつけることが大切ではないでしょうか。開業前にまず自分のカフェのコンセプトを決めて、大体のイメージを固めていきましょう。
イメージができてくると、内装デザインやインテリア、店内BGM、提供するメニュー、サービスといった工夫できるポイントが浮かんできやすいと思いますよ。
まとめ
カフェのような飲食店では、開業するのに必要な資格や許可があります。必ず取得しなければならないものから、あつかうサービスやメニュー、設備によって必要な資格が変わってきますので気をつけましょう。必要な資格や許可がないまま開業してしまうと、法律に違反してしまい罰則を受けてしまうかもしれません。
またカフェでは資格、許可のほかにもお店の雰囲気を作る内装デザインにこだわるようにしましょう。それには、あらかじめきちんとコンセプトを定めて、自分のカフェには何が必要かといったポイントをいくつか洗い出すことをおすすめします。