自宅でカフェを開くにはどうしたらいい?注意点~必要な申請まで解説
「ホッとできるような空間のあるカフェを開業したい」とお考えの方もいらっしゃるのでは?理想のカフェを開業するとなれば、物件を借りるところから始まり、内装工事やインテリアなど多くの費用がかかります。しかし、自宅でカフェを開くことで初期費用をおさえることができるのです。
この記事では、自宅でカフェを開業するメリットや必要な許可についてご紹介します。これを読めばあなたも自宅でカフェを開きたくなるかもしれません。カフェの開業を考えている方はご参考ください。
目次
自宅でカフェを開くメリット
カフェを開業したいけれど、自宅でカフェを開くべきか、新しく物件を借りるべきか悩まれる方も多いのではないかと思います。ここでは自宅でカフェを開くことの主なメリットである3点についてご紹介します。
開業費用を抑えられる
カフェを開業するには多くの費用がかかってしまいます。店舗型のカフェを東京都で開業する場合には、物件費用や内装費などをあわせて1,500万円ほどかかるようです。しかし自宅でカフェを開業する場合は、初期費用は高い場合でも1,000万円ほどです。このように、比較的費用を安くおさえることができます。
物件を探す手間がない
カフェに限らず、飲食店を開業するときには、物件を探す必要があります。しかし、広さや立地、物件費など自分が気に入る物件が見つかるとは限りません。しかし、自宅であれば物件を探す手間がないので、開業準備にかかる時間を短縮することが可能です。
通勤時間がない
また、店舗型のカフェと異なり、自宅がカフェになっているので通勤時間がかからないというメリットがあります。物件を借りる場合と比べて通勤時間を短縮できることで、貴重な時間を有効に使うことができます。
自宅でカフェを開くときの注意点
自宅でカフェを開くには多くのメリットがありますが、一方で注意しなければならない点もあります。注意点は以下の3つです。
自宅が住宅街や郊外にあると人が集まりにくい
自宅が住宅街にあったり郊外にあったりすると、知名度が上がりにくく、人が集まりにくい場合があります。人通りが多い場所であれば、店の存在を知ってもらう機会も多くなりますが、住宅街など人通りが少ない場所では店の存在自体を知ってもらうことが難しいでしょう。
ご近所トラブルになる場合もある
さらに、住宅街で自宅カフェを開業した場合は、ご近所トラブルに発展することもあります。自宅でカフェを開業するときには、事前に付近の住民の同意を得るようにしましょう。
駐車場を確保しなければならない
都心や駅前など特別な場合を除いて、駐車場を設置しなければなりません。
駅の近くやイベント会場の近くなどは、休む場所としてカフェが利用されやすい傾向があります。しかし、静かな場所でカフェを営みたいという場合は、駅から少し離れた場所でもよいでしょう。
お店の立地は、周囲の交通量にも関連してきます。車の通りが多い場所であれば、駐車場を設置する必要もあるでしょう。また、車の通りが少ない場所でも徒歩で安全にお客さんが来やすいか、という周囲の環境はチェックする必要がありそうです。
自宅でカフェを開くときにかかる費用
自宅でカフェを開くには、安くて約500万円、また高くて約1,000万円の費用がかかるといわれています。ここでは自宅カフェ開業でかかる費用の内訳を紹介します。
◆内装費
内装費は設計やインテリア、また冷暖房設備に関する費用が含まれます。一般的なカフェの場合、1坪あたりの内装工事費は20~40万円が相場だそうです。
◆運転資金
運転資金は、開業してから当面必要になる費用で、家賃10か月程度の金額が必要になるといわれています。赤字になった場合も考えて、余分に用意しておくと安心です。
◆厨房機器費
カフェのコンセプトによっても必要な機器は違ってきます。たとえば、コーヒーにこだわりをもつ場合は、エスプレッソマシーンなどの機器が必要です。高額になる機器もあるので、予算にあわせて購入しなければなりません。安い場合では20万円ほどで購入できる場合もあります。
自宅でカフェを開くときは飲食店営業許可を取ろう
カフェに限らず、飲食店を開業するときには「飲食店営業許可」が必要です。飲食店営業許可は、保健所で取得することができます。保健所では事前相談が必要になります。申請には数日かかるので、日にちに余裕をもって申請するようにしましょう。
ほかにも、自宅でカフェを開くには許可が必要になります。必要な許可は以下の通りです。
防火管理者選任届
防火管理者選任届の提出先は、各地域の消防署となっています。平日は17時までが受付時間となっていることも多いので、受付時間を確認するようにしてください。
深夜酒類提供飲食営業開始届出書
深夜酒類提供飲食営業開始届出書は24時以降にお酒を提供する場合に必要な届けです。提出先は警察署となっています。申請をする際は住民票のコピーも必要になるので、準備しておくようにしましょう。
また従業員を雇う場合は、「労災保険の加入手続き」が必要です。労働基準監督署に、保険関係成立届と労働保険概算保険料申告書を提出しましょう。従業員がアルバイトやパートなど形態を問わずに加入が必要です。
自宅でカフェを開くための内装を整えよう
自宅でカフェを開くには、まずカフェのコンセプトを明確にすることが必要です。
コンセプトを考えるときには、お店にくると想定されるターゲットを絞ることも必要です。ターゲットが定まるだけでお店のコンセプトも変わるはずです。ポップな雰囲気のお店では、設置するインテリアも、柄を工夫したり明るい系統の色を使用したりするようにしましょう。
ただし、内装を整えるにあたって注意しなければならないのは、保健所の基準をクリアできているかどうかを確認することです。たとえば、店舗は営業専用のものとするという決まりがあるので、自宅の台所とカフェの厨房は分けなければなりません。
また、換気が十分おこなえる構造であること、自然光を十分取り込める構造であることなどのこまかな決まりもあります。コンセプトをもとにして考えつつ、保健所の基準もクリアできるような内装にしましょう。
まとめ
カフェを開業するためには、多くの資金が必要になります。しかし自宅でカフェを開業する場合には、初期費用をおさえることが可能です。また自宅で開業することで、物件を探す手間がなくなり、通勤時間もかからないというメリットがあります。
しかし、立地によっては人が集まりにくくなってしまいます。住宅街でカフェを開いたら、交通の便が悪くなることもあるので人が集まるような工夫が必要かもしれません。
また内装を決める前にはどのような人がくるのか想定し、コンセプトを決める必要があります。カフェのコンセプトが決まったら、内装を決めましょう。内装はインテリアや照明の設置、またインテリアを工夫するなどの雰囲気づくりも含まれます。
コンセプトは決めたけれど、どんな内装にするかを考えることができないというかたは、プロに相談したほうが理想的な空間に近づきやすくなるでしょう。それ以外でも、カフェの開業でお困りの場合は業者に相談することをおすすめします。