クリニックの内装はどうしよう?患者さんに安心感を与えるポイント
病院で勤務されていて、「いつか独立してクリニックを開業したい」と考える医師の方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし工事費、クリニックの内装、さまざまな検査など開業に必要な準備は決して少なくはありません。
当コラムでは、クリニックを開業するにあたって大事にしたいポイント、事前準備などをまとめています。開業をお考えの方はぜひ参考にしてくださいね。
目次
間違いやすい「クリニック」の定義
クリニックを内装工事のお話の前に、まずはクリニックと病院の違いをおさらいしておきましょう。この2つは似ているようで微妙に違います。これらの線引きは医療法で定められているため、内装工事をする前にしっかりと理解を深めておく必要があります。
病院は、「20床以上の入院施設を持つ医療施設」のことを呼びます。つまり、ベッドの数が20台以上ある場合ですね。それに対してクリニックは「無床もしくは19床以下の医療施設」をそう呼ぶように決められています。つまりベッドの数が0~19台ある場合はクリニックになります。
該当しない施設に「〇〇病院」といった名称をつけることは、法律で禁止されているので注意しましょう。
クリニックの内装を決める重要なポイント「清潔感」
クリニックに足を運んだときに、患者さんが第一に求めているものはなんでしょう。居心地のいい空間も大事ですが、やはり一番意識したいポイントは「清潔感」ですね。
清潔感を感じさせるだけではなく、実際に清潔で衛生的に保てる空間にする必要があります。クリニックというのは性質上どうしても病原菌が入り込みがちです。人が触れるスリッパや、設備に抗菌素材を使うなどの工夫を施してクリニックを清潔に保ちましょう。
ほかにも病原菌の飛散防止のためのパーテーションや、カーテンなどを設置したり、消毒用のアルコールを設置するなどの工夫があるといいかもしれません。
忘れてはいけないのがトイレです。トイレにはどうしても不潔なイメージがあるので、行きやすさよりも待合室からあまり目につかない場所に配置することが大事です。もちろん、トイレの清掃もこまめに行うようにしましょう。
これらに気を配れば、清潔で衛生的なクリニックの内装ができるはずです。治療の場所なので、きれいな環境作りを心がけましょう。汚い環境だとお客さんが不安に感じてしまうかもしれません。
クリニックの内装工事にかかる費用
クリニックの一般的な坪単価は40万円程ですが、これは他の業種と比べると高額な部類に入ります。医療機関なので特殊な設備などが必要なため、お店などの内装費用と比べて、どうしても高くなってしまうのです。こちらは工事費の一例ですが、ご参考ください。
・内装工事費 約500万円
・外装工事費 約750万円
・デザイン費 約250万円
・設計管理 約400万円
また、クリニックによってはX線室の有無や歯科設備などが必要になるため、別途工事費がかかる場合があります。費用をおさえたいのなら、クリニックの内装に居抜き物件を選ぶというのもひとつの手です。
クリニックを開業するときは「官庁検査」を受ける
クリニックの内装工事が済んだら、あとは官庁検査を受けることで開業の準備は整います。当項目ではクリニックの開業に必要となるそれら3つの検査を紹介します。
〇消防検査
クリニックの防災設備が、消防法に沿ったものかを消防署が検査するものです。内容は警報、消火設備が正常に作動するか、避難経路が確立されているか、といったものです。
〇保健所検査
クリニック内の設備、構造などに対する検査です。たとえば、クリニック内の見やすい場所に、医師の名前、管理者名が掲示してあるか、診療日時が書かれているか、個人情報の取り扱いが表示されているか、などです。
〇厚生局検査
クリニックは保険診療の受付を行う前に、保険外で受付ができるクリニックとして開業します。開業したあとは保健所に届けを出し、そののちに厚生局の検査を受けて保険診療の受付ができるようになるのです。
このような検査を通過して初めてクリニックの開業ができます。また、移転や分院などの場合はこれらの時期や手順が変わってくるため気を付けましょう。
クリニックの内装工事はデザイナーに任せよう
クリニックの開業には工事費、さまざまな検査などが必要で、なかなかクリニックの内装デザインに気を配る余裕がないと思います。しかし苦労して開業するからこそ、患者さんが過ごす環境にも徹底する必要があります。
そういったなかで清潔感を感じさせ、なおかつ衛生的なクリニックにするのであれば、専門のデザイナーにお任せするのも1つの手かもしれません。清潔感を感じさせるだけでなく、実用的で衛生面にも気を使った内装工事をしてくれるはずです。
また、照明の度合いや居心地の良い待合室などから、キッズルームや液晶テレビの設置など、患者さん目線の内装も大事になってきます。デザイナーならば、そういった細かい配慮の効いた内装を心がけてくれるので、相談してみることをおすすめします。
まとめ
クリニックは治療の場所なので、患者さんに清潔感を感じさせて安心感を与えてあげることが大事です。また、清潔感を感じさせるだけではなく、実際に衛生的でないと意味がありません。クリニックの内装はそういったポイントをおさえた内装にする必要があるのです。
クリニックの開業は、工事費の見積もりから開業に必要な検査など、事前準備が多いです。やることが多すぎるせいで、肝心な清潔感のある内装のデザインに手が回らないということになってしまうかもしれません。
そういった場合は内装の工事をデザイナーにお任せすることをおすすめします。清潔感や衛生面に不安のない内装にして、より患者さんが過ごしやすいクリニックにしたいですね。