店舗レイアウトの鍵は「導線」!お客さんの流れを操るコツを解説
店舗のレイアウトを考える際に大切なポイントをご存知でしょうか。
店舗の雰囲気、ディスプレイのデザインも大切ですが、一番売上アップにつながりやすいポイントは「動線」なのです。
この動線を店舗レイアウトに取り入れることによって、お客さんを店舗内で誘導できたり、生産効率や回転率を上げて店舗の売上アップにつなげたりといったことができるのです。
ではこの動線とはなんでしょうか?また具体的に動線をレイアウトに取り入れるには、どうすればいいのでしょうか?
当コラムでは、これらの動線の解説をしていますので、店舗のレイアウトでお悩みに方はぜひ参考にしてくださいね。
「導線」を伸ばしてお客さんの滞在時間を伸ばそう
店舗レイアウトの解説をするうえで欠かせないのが「動線」です。この動線とは人の動きを線にして表したもので、レイアウトを考えるうえでとくに重要なポイントといえます。
言い方を変えれば動線とは「人が通るコース」です。店舗レイアウトを考える際に意識的に取り込めば、お客さんの滞在時間を長くすることができたり、注目してほしい商品をアピールしたりすることができます。
このように動線をレイアウトに取り込むことを「動線計画」といい、これを店舗レイアウトの際に取り入れれば生産性や回転率が向上し、売上アップにつながってくるのです。
逆にこの動線計画をおろそかにしてしまうと、お客さんに店舗の商品などをちゃんと見せることができずに帰らせてしまい、売上が落ちてしまうことになりかねません。
売場の見せ方にこだわろう
では実際に、この動線計画を店舗レイアウトにいかすためにはどうしたらいいのでしょうか。「お客さんの滞在時間を伸ばし、店舗内を隅々までまわって見てもらう」ということを動線計画の目的として考えてみましょう。
・ディスプレイ
商品を見せるということはディスプレイを見せる、ということなのでディスプレイの配置はもっとも肝心といえるでしょう。じつはディスプレイの配置箇所には「入口付近」「レジ前」といったような王道パターンがあるのです。新商品、注目商品のディスプレイをこれらの場所に配置するなどの工夫を心がけましょう。
・死角をなくす
お客さんに店舗内を隅々まで見てもらいたいのなら、死角があってはいけませんね。実際に客動線を歩いてみて、死角になる向きのディスプレイなどがあれば改善するなどして、死角となるポイントの徹底排除を行いましょう。
・レジカウンター
またディスプレイだけではなくレジカウンターの配置箇所も重要なのです。たとえば、入口に対して真正面にレジカウンターを配置してしまうのは悪い例です。これは入店してきたお客さんが、店員の目線と対面してしまいお客さんに威圧感を与えてしまうためです。入店しやすい店舗にするためにも、レジカウンターは店舗内の隅などに配置するようにしましょう。
従業員の「動線」を短くしよう
店舗のレイアウトでは従業員側の動線も考えておく必要があります。これは従業員が無駄な動きをなくし、生産効率を上げるための動線計画として、レイアウトに取り入れる必要があるからです。つまり、客動線は長いほどよく、従業員の動線は短いほどよいということです。
従業員の動線計画は、従業員の作業効率が売上に直結する業種ではとても重要です。とくに、飲食店といった生産性と回転率が命といえる業種のかなめといえるでしょう。
具体的には、バックヤードを狭くするなどといったことが挙げられるでしょう。バックヤードとは、倉庫や厨房といった売場に該当しないスペースのことです。このバックヤードを狭くするということは、相対的に売場のスペースが増えるだけではなく、短い動線を作りやすいというメリットがあるのです。
たとえば、厨房ではすれ違う従業員2人分ほどを想定した通行幅と、メニューで使う調理設備2つを近くに設置するなどといった工夫があれば、従業員の動線は短くなりますよね。
「避難動線」も忘れずに作ろう
また、店舗レイアウトに取り入れなければならない動線計画の一つに「避難動線」があります。これはつまり災害時の避難経路を確保しておかなければならないということで、ここでも動線を意識する必要があります。
避難時にはお客さん、従業員問わず必要な動線のため、施設の広さによっては建築基準法で通路幅が定められています。また、行き止まりとなってしまう避難動線は建築基準法に違反してしまうことがあるため、注意しましょう。
避難動線で大切なのは通行のしやすさを考えた数人分の通行幅、行き止まりがないかといった点です。ほかにも、緊急事態に対応できるような、両方向からの動線を意識することが肝心といえます。
避難動線は経営関係の動線と違い、緊急時でも混雑しない余裕のある動線計画が大事ということですね。
まとめ
動線とは人の予想される動きを線にして表した、コースのようなものです。店舗のレイアウトを考える際にはこの動線を取り入れることで、お客さんの滞在時間をのばしたり、店舗内を隅々まで見てもらったりすることができるのです。
また、動線は上記のような客動線のほかにも従業員の動線も意識して取り入れると、生産性、回転率が上がり売上アップにつながります。そのためにはバックヤードを狭くしたり、必要な設備を近づけたりして、できる限り動線を短くするといった工夫が必要です。
つまりお客さんの動線は長くする工夫をし、従業員の動線は短くする工夫をすればいいということですね。
また、これらの経営関係の動線とは別に避難動線も確保しておく必要があります。避難動線をおろそかにしてしまうと、建築基準法を違反してしまうだけではなく、人の命に係わる問題になる恐れがあるので、充分に注意しておきましょう。