必要なのは筋肉だけ!?トレーニングジムを開業するために必要なもの
トレーニングジムで働いている人や通っている方の中には、いつか自分でジムを開業してみたいと思っている人もいるかもしれません。しかし「必要な資格や開業資金がいくらあればいいのかわからない…」と、なかなか開業まで踏み込めずにいませんか?確かになんの情報もなく開業することは、のちの運営にも影響してしまうためおすすめできません。
そういった方のために、今回はトレーニングジムの種類から、開業するにあたって必要となるもの、開業後の経営で気を付けたいことなどを解説します。
目次
トレーニングジムにも種類がある
ひとことにジムを開業するといっても、さまざまなタイプがあります。今回はパーソナルジムとフィットネスジムの2つを解説します。
●パーソナルジム
パーソナルジムは利用者1人1人に、パーソナルトレーナーと呼ばれるトレーナーが専属でつきます。「思い切ってジムに行ってみたものの、トレーニング器具がたくさんあってどうしていいかわからない…」といったことはよくあるのではないでしょうか。
パーソナルトレーナーが専属で指導にあたることで器具の使い方や、利用者1人1人にあった効率的なトレーニングを提案してくれます。手探りでトレーニングをするよりも、はるかに効率的な効果が短期間で得られるため、利用者の満足度が高いというケースが多いです。
●フィットネスジム
フィットネスジムは専属のトレーナーがつくことはありません。基本的にトレーニングスペースに器具が置いてあって、それを利用者が自分たちのペースで自由にトレーニングをするといったものです。フィットネスジムでトレーニングをする場合、メニューを自己管理しなければならないので、効果を得るにはトレーニングの知識が必要です。
しかし1人あたりの費用はパーソナルジムより安く、手軽に始められることから多くの人に利用してもらいやすい一面があります。
トレーニングジムの開業に資格は必要ない!
じつはトレーニングジムの開業に資格は必要ないのです。パーソナルトレーナーの資格はありますが、国家資格ではなく民間資格なので、ジムを開業するにあたって必ずしも必須というわけではありません。
しかし、民間資格があればジムを経営するときに有利にはなります。たとえば、わたしたちがパーソナルジムに通い、専属のパーソナルトレーナーに指導してもらうとします。その場合にトレーナーが民間資格をもっていたら安心できますよね。
このように利用者に対して、トレーニングをする実力、経験があることの証明になるのです。お金を払って専属でトレーニングしてもらうからには、信頼できるトレーナーに指導してもらいたいものです。
しかしジムの開業においては、資格の他に1つ気を付けたいことがあります。それは床の耐荷重です。トレーニングジムでは重量のある器具やマシンをたくさん設置する必要があります。利用者を増やしたい一心で器具の増設に気をとられていると、床に穴があいたり、傾いたりしてしまうかもしれません。トレーニングジムを開業するときは、内装の段階でしっかりと耐荷重に気を付ける必要があります。
トレーニングジム開業までの流れを解説
ジムを開業するにはトレーニング器具や、開業届など必要なものがいくつかあります。こちらの項目では、開業までの流れを大まかに紹介していきます。
①物件探し
トレーニングジムを開業するとなると、やはり必要なのはトレーニングスペースです。トレーニングジムの場合、とくに大切になってくるのが立地選びではないでしょうか。近辺の交通アクセスはそのままジムの利用者数に影響します。
またトレーニング器具の設置を考え、内装の問題にも気を付ける必要があります。先ほどもふれた床の耐荷重やスペースの広さ、防音性なども視野に入れて探さなければなりません。
②設備
トレーニングジムならばトレーニング器具がなくては始まりません。トレーニング器具と聞くと、トレーニングベンチ、ランニングマシン、エアロバイクなど色々ありますよね。ただ、やみくもに増設するのはおすすめしません。
大切なのはどのような利用者にターゲットを定めて設置するかです。一概にトレーニングといっても筋力トレーニングや、有酸素運動など種類はたくさんあります。設置する器具は客層によってそれぞれ違うので、はじめはある程度の方向性を考えて設置するといいでしょう。
③開業届
はじめてトレーニングジムを開業し運営していくとなれば、おそらく個人事業となります。そこで必要になってくるのが「個人事業の開業・廃業等届出書」です。ジムを開業したらこの書類を1カ月以内に税務署に提出する必要があります。
トレーニングジム開業に必要な資金
開業資金といってもトレーニングジムの規模によって費用は変わってきます。今回は300万円程の資金で開業できるマイクロジムを例にあげて解説していきます。マイクロジムとは商用利用が認められているマンションなどの施設を借りて行う、個人経営の小さなジムのことです。
メリットとしては資金をおさえて、できる範囲内で無理なく運営ができるところでしょうか。
●マイクロジムの開業資金
・物件費
マイクロジムは店舗物件で行わないため、補償金や敷金といった初期費用を払う必要がありません。半年分の費用を初期費用とすると、1カ月15万円で敷金が2カ月の物件で120万円の計算になります。
・器具費
マイクロジムで定番の器具であるパワーラック、アジャスタブルベンチ、ウエイトツリー、バランスボール、ロアマット、腹筋用マットなどをそろえるとなると大体100万円程になるでしょう。当然ながらこれらは器具のブランドによって多少値段が上下します。
・内装費
マイクロジムの場合、内装にそこまで費用をかける必要はありません。DIYをするなど工夫することを考えると数万円~20万円程で収まる場合がほとんどでしょう。しっかりとした内装を行いたのであれば、業者に頼むことになるのでもう少し費用がかかります。
ほかにも、ホームページやチラシなどで宣伝を行う場合に宣伝費がかかります。しかしそれでも300万円あれば多少の余裕があるはずです。このようにマイクロジムは開業資金が300万円程あれば、開業することができるでしょう。
トレーニングジム経営を成功させるためのポイント
やっとトレーニングジムを開業できても、ジム経営のポイントをおさえておかないと客足はなかなか伸びません。トレーニングジム特有の経営のコツをおさえて、「利用してもらえるジム」を作っていきましょう。そのために気を付けたいポイントをいくつかご紹介していきます。
・最初は小規模運営で
ジムを経営するとなると、やはりトレーニング器具の増設で出費がかさみます。最初は器具にそこまでお金をまわすことを考えずに、必要最低限のものをそろえていきましょう。それにはある程度の客層を想定して、ニーズを把握しておくとそろえやすいかもしれません。
・立地選びにはこだわろう
ジム近辺の交通アクセスは、そのまま客足に影響すると先ほども説明しました。やはりそのうえで大切なポイントは気軽にアクセスできる場所でしょうか。たとえば、商業施設内やコンビニの近くなど、利用者目線で立地を選ぶことがポイントです。
・内装でコストカット
トレーニングジムの内装は、カフェやレストランと違いそれほどこだわらなくてもできます。もちろんきれいなジムの方がいいのですが、利用者はトレーニングを目的として足を運ぶため、おしゃれな内装よりもはじめは設備にお金をかけたほうがいいでしょう。
このようにトレーニングジムの特徴をいかせば、経営のコツは見えてきます。上手に資金繰りをして、利用してもらえるジムの経営を心がけましょう。
まとめ
トレーニングジムの開業で大切なことはジムの方向性を決めておくことです。方向性が決まれば、自分のジムに必要なトレーニング器具が何かも把握できますし、立地も選びやすくなります。
費用面に関しては、マイクロジムなどの小規模運営でのスタートを意識することです。内装の面では床の耐荷重にさえ気を付ければ、それほどこだわらなくてもできるため、その分をトレーニング器具費や広告費などにまわしていきましょう。
これらのポイントをおさえておけば、理想のトレーニングジムの開業ができるはずです。