理想の喫茶店を経営したい!経営に必要な資格や大事にしたいポイント
おしゃれな喫茶店を開業して経営してみたいと考えている人は多いのではないでしょうか。「ブランドものの食器をそろえようかな」「店内ではすてきなクラシックを流してみよう」など、考えるだけでも楽しいですよね。
しかし、喫茶店の経営をするうえで重要なポイントはいくつかおさえておく必要があります。思い切って理想の喫茶店を開業したものの、客足は伸びず泣く泣く閉店なんてこともあるかもしれません。
今回は喫茶店の経営に必要な資格から、雰囲気づくり、経営するうえで大事にしたいことを紹介していきます。喫茶店の開業を考えている方はぜひ参考にしてくださいね。
喫茶店を開業するときに必要な資格
喫茶店を開業するのであれば、どの資格が必要なのかをちゃんと理解しておかなければなりません。喫茶店の開業にはなくてはならない資格と、あった方がいい資格があります。今回はそれらの資格と取得方法をご紹介します。
●なくてはならない資格
・食品衛生責任者
レストランや、カフェなどの飲食店に足を運ぶと、食品衛生責任者の証明書を目にすることも多いと思います。この食品衛生責任者は、飲食店を経営するうえで必ず取得している人がいなければなりません。
この資格を持つ人は名前のとおり、食品の衛生面での管理を任されています。衛生面に問題があれば、経営者に改善の指示をしなければならないからです。
⇒取得方法
開業を予定している県の講習会を受講することで取得できます。1万円ほどの受講料で受けられ、講習は1日で終わります。
・防火管理者
飲食店に限らず多くの人が利用する施設で、火災の予防にあたる責任者のことです。この資格は施設の大きさなどにもよりますが、収容人数が30人以上の施設を運営する場合に必要になります。
また床面積が300平方メートル未満なら、乙種防火管理者、300平方メートル以上なら甲種防火管理者といったように店の大きさによって取得する資格が変わってきます。
⇒取得方法
開業する店の場所を管轄内とする、消防署などが開催している講習会を受講することで取得できます。乙種であれば1日、甲種であれば2日といったように資格の種類によって期間は異なります。受講料は3~5千円とほどです。
●あった方がいい資格
・調理師免許
飲食店の経営となると調理師免許は必須だと思われがちですが、開業時に必要はありません。しかし食品を提供するうえで、やはりあった方が断然有利な資格といえるでしょう。料理の基礎を身に付けていれば、よりこだわったメニューを提供できますし、調理師だと証明できればお客さんからの信頼も得られます。
⇒取得方法
厚生労働省指定の調理師学校で取得する方法と、2年以上飲食店での調理の実務をこなし調理師試験を受けて取得する方法があります。2つめの方法なら喫茶店を経営しながら取得を目指すことができますね。
法律上必要になってくるものは食品衛生管理者と、防火管理者の2つ資格です。あった方がいい資格は調理師免許を例にあげましたが、他にも日商簿記やJBAバリスタライセンスなど数多くあります。
あった方がいい資格は持っていればお店に箔がつきますし、専門的なところをお客さんにアピールできますよね。
経営するときに需要なこと
実際に喫茶店を経営していくとなると、気を付けておきたいポイントはいくつかあります。いざ開業しても、経営がうまくいかず客足がどんどん減ってしまった、なんてことにならないようにしたいですね。必要なポイントをいくつか紹介しますので、参考にしてください。
・自分の特色を持ったお店にしよう
どこにでもあるようなお店だと、なかなかお客さんは集まりません。「ここじゃなくてもいいや」などと思われてしまうからです。「あのお店の~がおいしい!」と思われるように、自分のお店の強みを作るのです。
コーヒー豆や淹れ方にこだわったり、ケーキや焼き菓子作りに力を注いだりするのもいいかもしれません。他にも他店にはないオリジナルメニューを取りいれたりしましょう。もちろん、力を入れている商品はしっかりとアピールすることを忘れないようにしましょうね。
・お店の雰囲気
まずは、自分のお店の雰囲気はこうしたいといった方向性を決めましょう。その方向性に合わせた外装や内装を意識することが大事です。また、食器やインテリア、店内のBGMなどもお店の雰囲気を作る要素になるので大切にしていきたいですね。
・店内の環境づくり
お客さんにまた足を運びたい、と思わせるのには雰囲気づくりだけではいけません。雰囲気にくわえて、居心地の良さを提供しましょう。分煙を徹底することや、Wi-Fiなどを導入するといったことも大事です。
もちろん、飲食店なので清潔感も大切にしていきましょう。いくら雰囲気がすてきでも、衛生面に問題があると客足が減ってしまうかもしれません。
お店を経営するうえで、気を付けたいことはまだまだたくさんあります。実際に喫茶店でアルバイトしたりして、従業員側からの視点で喫茶店の経営にふれたり、人気店に足を運んで成功のポイントを研究したりしてみるのもいいかもしれません。
内装工事は重要?
さきほども雰囲気づくりの項目で少しふれましたが、喫茶店を経営するなら商品だけではなく内装にもこだわりたいところです。やはりお店の内装は喫茶店の雰囲気を表現するうえで欠かせない要因となりますので、失敗しないように気を付けましょう。
●内装を決めよう
自分の決めたコンセプトをもとに、お店の内装をイメージしましょう。喫茶店によく使われる系統のデザインをもとにして、内装を決めていくのもいいかもしれません。いくつかデザインの例をあげていきますので参考にしてください。
・スケルトン系
あえて天井、壁、床などをむき出しにして、コンクリートの打ちっぱなしの状態をデザインとした形式の内装です。内装工事もあまり必要なく、費用も安く済むのが利点ですが配管や設備がむき出しのため、布で隠したりペンキで塗装したりと一工夫くわえる必要があります。
・隠れ家系
名前のとおり、古民家などを改装すると雰囲気がでます。素材は木がベースのものがほとんどで、味がある内装になります。このデザインにするならば、全体的にチープになりすぎないような雰囲気づくりが肝心です。
・自然派系
植物などの自然のインテリアを盛り込んだ内装です。内装の素材も木や石が多く使われています。この場合は、食器や家具も内装にあわせたものを選んで雰囲気を統一させることが大切ですね。
・ポップ系
内装のカラーリングには原色を使用し、インテリアも丸みを帯びたデザインのものを多く取りいれた内装です。かわいらしく、若者受けが期待できるデザインといえるでしょう。
どうしても明確なイメージが浮かばなければ、デザイナーなどに依頼するのもひとつの手です。その際には自分のコンセプトを理解してもらうために、写真やイラストを用意してイメージが伝わりやすくしましょう。
好きな店と経営は違う
自分の喫茶店を経営するときには、どうしても理想にこだわってしまいがちです。コンセプトを決めるのは大事なことですが「内装はこんなふうにしたい」「商品はこんなものを提供したい」「うちの店ではこんなことをやりたい」などと、理想を詰めこみすぎるのは禁物です。
このような理想は大体「お客さんの視点」からのお店作りに目がいきすぎているからなのです。開業してからうまく経営していくためには「経営の視点」からもお店作りをする必要があります。
経営を意識したお店作りをしないと、開業するまではよくてもすぐに客足が途絶え、数年で閉店なんてことにもなりかねません。失敗のない喫茶店の経営をするには、理想のお店と経営問題のバランスを意識することが大切です。
まとめ
喫茶店を始めるのに必要な資格は、2つだけでそのどちらとも取得が簡単です。資金さえあれば開業自体はそれほど敷居の高い問題ではありませんが、メニューにだけこだわるのはもちろん、コンセプト決め、お店の特色、雰囲気などにはしっかりと考えて取りくんでいく必要があるでしょう。
また、開業前の段階では理想にばかり目がいきがちですが、経営のこともしっかりと見なければなりません。せっかく自分の喫茶店を経営するのですから、ずっと長続きできる安定したお店にしたいですよね。
ぜひ理想の喫茶店の経営者になってください。