喫茶店開業に資格は必要?カフェとの違いやあると有利な資格も紹介
食器や店内BGMなどにも、独自のこだわりを注いだ喫茶店というのはステキですよね。そんな内装もメニューもオリジナリティ溢れる喫茶店の開業に、あこがれる方は多いのではないでしょうか。
喫茶店開業は資格が必須となります。喫茶店の開業の前にこれらの資格をきちんと把握しておきましょう。
当コラムは必須となる資格から、あると有利な資格の解説をしています。喫茶店の開業に興味がある方は一度参考にしてみてはいかがでしょうか。
目次
「喫茶店」は「カフェ」ではない
喫茶店の資格の説明の前に、喫茶店とカフェの違いを明確にしておきましょう。これらの違いは営業許可の違いで線引きすることができます。
食品営業許可の取得の際、カフェは「飲食店営業許可」を取得するのに対して喫茶店は、「喫茶店営業許可」を取得します。
この2つの許可の違いは飲食店営業許可と比較して、喫茶店営業許可ではメニューでアルコールが提供できない点と、調理の必要がないメニューの提供といったように限定されてしまうことです。そのかわりに喫茶店営業許可は、飲食店営業許可と比べて取得が容易というメリットがあります。
また、喫茶店とカフェの違いがあいまいになりがちなのは、どちらの許可を持っていても喫茶店、カフェのどちらを名乗って良いとされていることもあるのではないでしょうか。
許可によって提供するメニューに制限があるものの、飲食店営業許可を取得した喫茶店、喫茶店営業許可を取得したカフェもあるということですね。
「喫茶店営業許可」など必要な資格を取得しよう
喫茶店開業の資格には喫茶店営業許可が必要だと説明しましたが、飲食店であるカフェの場合は開業に必要となる資格があります。必須となるものを紹介していますので、参考にしてください。
・食品衛生責任者
飲食店関係の営業には必須となる資格です。飲食店が衛生的な環境で営業されていることの責任をもつ人が店舗に1人いることの証明です。責任者は必ずしもオーナーである必要はありませんが、1店舗につき1人必ず必要となります。
・防火管理者
店舗の収容人数が30人以上である場合必須となる資格です。店舗の火災などの予防につとめる管理者が店舗に1人いることの証明となります。また施設の広さによって「甲種」、「乙種」と種類が変わる点には気を付けておきましょう。
これらの資格は飲食店において必須となる資格のため、喫茶店だけではなく、カフェの営業にも必要です。これらの資格がないまま営業してしまうと、営業停止処分となってしまうため必ず取得するようにしましょう。
味に説得力を持たせるための資格を取ろう
喫茶店開業に必須となる資格のほかにも、取得しておくと有利になる資格がいくつかあるのです。これらはあればあるほど有利といえます。喫茶店の資格において特に役立ちそうなものをいくつかみていきましょう。
・調理師免許
喫茶店開業に必須ではありませんが、あれば有利となる資格です。調理師免許を取得していれば、上記の食品衛生責任者の資格の取得で講習会を受けずに取得できます。ほかにも、料理に関して精通していることがお客さんに対して証明できるため、喫茶店やカフェの信頼や安心感につながりますね。
・コーヒーインストラクター検定
全日本コーヒー商工組合が主催する、コーヒー専門の検定です。検定によって2級、1級、コーヒー鑑定士検定、コーヒー鑑定士としての評価が得られます。
・JBAバリスタライセンス
日本バリスタ協会が開催している試験に合格することで得られる資格です。バリスタとは「淹れる」ことを意味し、エスプレッソ抽出技術などの専門的な能力の証明になります。
喫茶店の開業資金を把握しよう
喫茶店開業の資格のほかにも、開業資金もきちんと視野にいれておかなければなりません。喫茶店では開業の際に資金計画がきちんとできていないと、のちの経営で運転資金が足りず、難しい経営を強いられるということがよくあります。初期費用に関しては充分に気を付けておくことが重要です。
喫茶店では、開業形態や物件によって開業資金が大きく異なります。たとえば居抜き物件での開業を考えている場合は、ある程度の内装工事が施されているため工事費をおさえることができます。しかし、全く内装工事が施されていないスケルトン物件での開業となると、1からの内装工事となるため工事費が大きくかかってしまいがちです。
喫茶店の開業において店内の雰囲気にはこだわりたいところです。しかし、開業後の運転資金も視野にいれるとなると、どうしても初期費用が足りないといった場合がありますよね。
そういった際には融資や、補助金、助成金といった制度を利用するのもひとつの手です。
また融資においては融資額に応じて利息が発生するという点を忘れてはいけません。経営しながらの返済となるため、融資額が高額になればなるほど難しい経営を強いられてしまうということには注意しておきましょう。
独自のコンセプトで他の喫茶店と差別化しよう
喫茶店では資格、開業資金のほかにも、あらかじめ明確なコンセプト作りをしておくことが重要です。このコンセプト作りは店舗の骨組みのようなもので、開業から経営までの方針を決める大切な役割をもっています。
コンセプト作りでは、「特色をもった喫茶店」を作ることを心がけましょう。大手の有名喫茶店やカフェのサービス、メニューと似たものになってしまうと、お客さんはそちらに足を運んでしまうからです。
ライバル店となる喫茶店やカフェと同じ土俵で勝負するよりも、他店にない特色をもった喫茶店にしてオリジナリティで差別化をはかりましょう。
たとえば、「焼き菓子に力を入れている喫茶店」、「制服、メニュー、内装などが斬新な喫茶店」など考えてみると色々ありますよね。必要なのは他にない喫茶店を作ることなのです。
まとめ
カフェと喫茶店は資格が違うという点で線引きができます。しかし飲食店営業許可をもっている喫茶店、喫茶店営業許可をもっているカフェなどもあるため、2つの違いはあいまいになってしまいがちです。
またカフェも喫茶店も、開業に必須となる資格があります。これらがないと営業停止処分などのペナルティが科されるため、充分に気を付けておきましょう。
必須となる資格のほかにも調理師免許をはじめとした、カフェや喫茶店において有利となる資格もいくつかあります。お客さんに対する店舗の信頼、安心感につながるため取得しておいて損はありません。これらは経営しながら時間を見つけて取得するのもいいかもしれませんね。