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スターバックスの内装インテリアは何故魅力的なのか?

スターバックスの人魚のロゴ
スターバックスは今となっては、日本だけでも1,000以上もの店舗があり、利用したことが無い人を探すのが難しいほど有名なカフェだ。コーヒと付き添いのスイーツ等、商品のレベルは高いのはもちろんのこと、その内装やインテリアデザインのレベルが高いと感じたことは無いだろうか?

「スタバに行くと何だか落ち着く」「スタバで仕事をすると非常に集中できる」「スタバのおしゃれな感じが好き!」といった声をよく聞くが、何故これほどまでに魅力的なのだろうか?今回はそのようなスターバックスの内装やインテリアの魅力について徹底的に解明していく。

日本に同じ内装のスターバックスは1つもない。

冒頭にも述べたように日本には1,000店舗以上ものスターバックスがあるが、どれ1つとして同じ内装の店舗がない。通常のチェーン店の場合、内装のデザインや仕様を統一することで「早く、安く」内装工事ができるようにしているのだが、スタバに限ってはこれは当てはまらない。 各店舗毎に好き勝手に自由なデザインが施されている。しかし注意深く観察してみると、その中にもある一定の法則を見て取ることができる。この法則こそが魅力的な内装の理由なのではないだろうか?

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スタバのインテリア照明をチェックしてみる

照明はインテリアデザインの要と言えるほど重要な要素だ。特に雰囲気のある空間を演出するためには間接照明のテクニックが効果がある。また、照明自体のデザインもインテリアの雰囲気を演出するための重要な要素だ。まずは照明を中心に見てみよう。

スターバックスの間接照明事例

間接照明001

天井をこのように織り上げて(折り上げ天井)周囲に間接照明を仕込むパターンが多く用いられる。天井を高く見せることができると同時に、無表情な天井をふわっとした雰囲気にしてくれる。

 

スターバックスのペンダントライト

ペンダントライトと言われる天井から吊り下げる照明も良く使われている。飾り気の無い素朴な照明だが、規則的に配置されることで可愛らしさを醸し出している。

スタバのペンダントライト

これもペンダントライトの一種。円形状のカバーを付けたこのタイプもよく使われている。ぽんぽんと空中浮いているかのようでかわいらしい。

 

スターバックスのブラケット間接照明

トイレで必ず使われているのがこの照明だ。ブラケットタイプの間接照明で。ユニークな形が特徴ではあるが、暖色系の暖かな光をトイレ内に導いてくれる。

 

スターバックスのトップライト自然光

照明では無いが、自然光も室内に積極的に取り込むことが多い。この事例では天井からの光(トップライト)を上手く壁に反射させて、柔らかな光を室内に導いている。

 

スタバのインテリア天窓

こちらも自然光を取り込んだ事例。直接自然光が室内降り注いでいる。夏の昼間は相当眩しいかも。。。

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内装の仕上げを考察する

照明のデザインに続いて、内装の仕上げはインテリアの雰囲気を決める大きな要素となる。内装はアースカラーの素材を上手に組み合わせて、空間に落ち着きを持たせようとしていることがよくわかる。

床仕上げに関しては、落ち着き重視のソファ席エリアにはタイルカーペット。機能性が重視される通路やテーブル席はタイルといった形で、適材適所に素材を選択している。壁や天井は通常の塗装仕上げをベースに対して所々にプリントされたシートや木目調の素材を使用して空間に変化を付けている。気合いが入っている店舗では、本物の木も使われることがある。

 

スターバックスの内装床仕上げ
スターバックスの床仕上げタイルとカーペット

ソファ席と通路で内装の仕上げが切り替わっている。カーペットの上であればより落ち着いた状態でコーヒーを楽しめるだろう。

 

スターバックスのインテリア壁の仕上げ
スタバの内装木調風の壁仕上げ

白い塗装と木風素材のコンビネーション。清潔感溢れるデザインだ。ちなみに木のように見える素材は樹脂製のメラミン化粧板と言われモノで。使い勝手が良く価格もそれほど高くないので、よく使われている。

 

スターバックス内装壁に本物の木を使用

時には本物の木が使われることがある。本物の天然素材を使うことで、空間の印象はガラリと変わる。値段もそれなりの覚悟が必要だ。

 

スタバのテラスの法則

スターバックスと言えばテラス席では無いだろうか?どれだけ都会の劣悪な環境の中でも必ずテラス席が確保されている。一番の目的は室内では喫煙ができないため愛煙家のための配慮だと思うが、愛煙家でなくとも天気が良く温かい日はテラス席でまったりと過ごせるのは、スターバックスの魅力の一つだ。

 

スターバックスのテラスのデザイン
テラス011

深ーい庇の下で、まったりとくつろぐことができるテラス席だ。軒の深い庇は高度の高い夏場の日差しを遮り、高度が低い冬場の日差しを室内に取り込んでくれる。日本の気候にマッチでした伝統的な建築技法だ。しかし、残念なことにテラス席から見えるプールには暑い真夏でも入ることはできない。

 

スタバのウッドデッキテラス

幹線道路沿いだろうと関係ない。とにかくテラス席を作ること。これがスタバの使命なのだ。

 

スターバックスエントランス隣のテラス
スターバックスの入り口のテラス席

建物正面付近に配置されたテラス。深い庇下の暗い空間の奥にはエントランスの扉が。中に入ると上述したトップライトの空間が現れる。空間に強弱をつけた憎い演出だ。

 

スタバのこじんまりとしたテラス

こじんまりとしたテラス。何故か居心地が良くない。理由は背後の壁の圧迫感。やはりテラス席の背後はガラスで屋内との繋がりがあった方が良い。

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外観のこだわりを徹底解明する。

郊外型のスタバは戸建てとなるが、そんじょそこらのチェーン店とは違って外観にも強いこだわりを感じる。まず素材はタイルや木などの天然風の素材を多用していることが共通している。間違っても金属系、コンクリート系の素材は前面に現れない。(もちろん見えない部分には使っている)また色彩はアースカラーに統一し、特に茶色系に集中しているのが特徴だ。これだけ自然風な雰囲気を醸し出す素材を使っているのにも関わらず、やぼったく見えずに、外観にセンスを感じるのは空間構成が際立っているからだろう。

スタバ鎌倉の外観
スターバックス鎌倉の外観デザイン
深い庇が外観周囲を取り囲囲む特徴的デザイン。周辺環境に調和させた落ち着き感があり、高級感も感じ取ることができる外観だ。

 

スターバックスの外観タイル

2種類のタイルを上手に使い分けている。面ごとにタイルのサイズを変えると外観の表情がとても豊かになる。ヨーロッパの建築では良く使われる手法だ。

 

スタバの外壁デザイン

無駄のない正統派モダニズムの外観構成だ。よくある白っぽい構成だと面白みが全くなくなるが、タイルを用いることでちょっとはマシになる。

 

スタバの外壁タイルの詳細
スタバの外壁オーソドックスなタイル
スターバックスの外壁細長いタイルブロック

タイルの詳細。表情が豊かなもの、マットなもの、素材感が感じられるもの様々だ。タイル自体高級品では無いが、特注となれば話しは別だ。この中にもおそらく特注品としてかなりの費用がかかっているものがあるだろう。

 

スターバックスの外壁木仕上げ

タイルだけでなく、もちろん木も良く使われる。単に貼り付けるのでは無く、このように下見張りという手法を使うことでより表情が豊かになる。

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アートやインテリアの小物もチェックしてみる

スターバックスの内装アート作品

スタバのインテリア用アート作品

壁に飾られるアート類はコーヒーに関するものが多い。コーヒーショップであるから当たり前のことなのだが、これらがおしゃれかどうかは謎だ。しかしカフェらしさを演出する上では間違ってはいないだろう。

 

看板サイン、ロゴはどうか?

スターバクスのサインといえばあの有名な人魚?(たぶん)のロゴだ。色々と都市伝説もあったりするのだが、実際にはギリシャ神話に登場する二つの尾を持つ人魚「セイレーン」をモチーフにしているらしい。しかし都市型の路面店には彼女の姿は全くでてこない。彼女の出番は郊外の戸建て店舗だ。堂々とそびえ立つその姿は、のどの渇きで元気がない運転手の顔を一瞬で微笑みに変えてくれる。

スターバックスのロゴサイン
サイン05

「ドライブスルー」の文字はデザイナーとしては消したかっただろう。個人的には暗闇の中にボワっと浮かび上がる人魚だけを見たかった。。まあそう世の中は甘くはない。

 

スターバックス文字ロゴサイン
スタバの切り文字加工ロゴサイン

その他のロゴとしてよく使われるのが、こちらの文字サインだ。建物の貼り付けられるサインはこのタイプが多い。彼女だと、外観が損なわれてしまうということなのか。。。なんて失礼な。。。と思っていたところ、下記のように建物にも使われている事例を発見。これはこれで違和感は無い。

スタバの外壁に貼り付いたロゴサイン

 

最後にまとめ

今回の記事を作成するにあたって色々なスターバクスを訪問させて頂いたが、総じて、どこも落ち着けるし、おしゃれ感があった。設計者としてはここはもう少しこうした方が。。と思うようなところが無かったわけではないが、チェーン店でここまで、こだわりを貫いているのはやはりカフェ単体で日本NO1の売上を誇るプライドであろうか。いずれにしてもこれからカフェを開業しようとする経営者にとって、スタバの内装、インテリアデザインは大いに参考になるので是非チェックをしておいて欲しい。

 

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