あこがれのパン屋を経営しよう!開業までの基本的な流れはどんなふう?
最近ではパン作りがブームになってきています。家庭で手軽にパンを作れる機械も販売されはじめ、パン作りが以前よりも身近なものになりました。
そんな時代になったからこそ「おいしくできたパンを、たくさんの人に食べてほしい」とパン屋の開業を目指す人も増えたのではないでしょうか。今回はそんなパン作りを仕事にしたい方必見の、パン屋さんの仕事内容について解説していきます。
パン屋さんを開業しようと考えている方が気になるパン屋の経営に必要なものや、開業の届け出の仕方についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
パン屋の朝は早い!基本的な1日のスケジュール
パン屋の経営についてお話しする前に、まずはパン屋さんの1日のスケジュールを知っておきましょう。じつはパン屋さんは、あのかわいらしいお店からは想像もつかないほどハードスケジュールで業務を行っています。
パン屋さんは、開店時間に間に合うように、お店に並べるパンを焼き上げなければなりません。パンはふっくらと焼き上がるように生地を発酵させる時間が必要なので、焼き上がりまでに時間がかかります。そのため、朝早くからパンの仕込みが始まります。
しかも、売れた分だけパンの補充が必要になります。パン屋さんは、接客販売をしながら1日に何回もパンを焼かなければならないのです。これが閉店まで繰り返されるのですから、パン屋さんの1日は本当に大変です。
「一度に大量に作っておけばいいんじゃない?」と思うかもしれません。確かに大量に作っておけばパンを焼く回数は減りますが、長時間売れずに残っていたパンは味が落ち、おいしさが半減してしまうのです。
おいしさが下がってしまった分、パンの売れ行きが悪くなってしまうかもしれません。パン屋さんは、パンの売れ行きを確認しながら、パンがなくなりそうな時間に合わせて追加で焼くようにスケジュールを組んでいるのです。
1日に何度もパンを焼くのは、おいしいパンをお客さんに食べてもらうためのパン屋さんの経営努力なのです。
パン屋を開くまでのおおまかな流れとポイント
この章では、実際にパン屋を経営するまでの流れについてお話しします。
まずは、どんなパン屋にするのかお店のコンセプトを決めておきましょう。ファミリー層が買いにくることが多い立地条件なら、子どもが喜びそうなポップでかわいいお店にすると喜ばれるのではないでしょうか。一方、朝やお昼に買いに来るビジネスマンやOLなら、ちょっとモダンなお店の雰囲気にしてパンの種類も購買層に合わせると売れ行きがよくなるでしょう。
また、パンの売れ行きはお店の立地条件にも関わってくるので、お店を建てる場所にもこだわってください。店舗のある場所によっても買いに来るお客さんが変わるので、立地条件は慎重に決めましょう。
しかしコンセプトが決まり、パン屋を開業する場所が決まっても、開業するための資金が用意できなければパン屋を開くことはできません。店舗や設備、人件費などにかかるお金を、開業前に用意しておく必要があります。
開業資金は自分で貯めて用意したほうが、返済する必要もないので安心してパン屋を開くことができます。それでも、どうしても開業にかかるお金を用意するのが難しい、という場合があるかもしれません。そんなときは、企業や銀行からの融資を考えてみてはいかがでしょうか?
日本政策金融公庫の「食品貸付」を利用して、パン屋を開業することができます。そのほかにも、「新創業融資制度」なども利用することができますよ。
女性がパン屋を開業するときには、「女性、若者/シニア起業家資金」を利用することも可能です。どの制度も、利用するための基準があるので、申し込むときに内容をしっかりと確認しておきましょう。
パン屋を経営するために必要な資格や申請
パン屋を始めるのにお店や機材を用意するのはもちろん大事ですが、経営を波に乗せるにはやはりパンの味が大切になります。お店で買うのなら、やはり美味しいパンを買いたいと思うものです。
パン屋を始めるのにとくに資格が必要なわけではありませんが、おいしいパンを作り安定したパン屋経営をしていく上で持っておいた方がいい資格をご紹介します。
・パン製造技能士
パン作りのエキスパートが持つ国家資格です。美味しいパンを作るための知識や技術を試験で確認し、国から認められた人が持てる資格になります。
パン製造技能士は、受験内容が級によって異なっています。受ける級数が上がるごとにパン屋での実務経験が必要になるので、段階を踏んで上のクラスを受験してみてくださいね。
・パンコーディネーター
パンを食べる上でのあらゆる知識を持っていることの証明になるのが、パンコーディネーターです。ただし、パン作りの技術に関する知識は求められることはありません。
・パンコンシェルジュ検定
パンに関する知識を評価してくれるのがパンコンシェルジュ検定です。パンを作るときに必要な器具に関する知識やパンを食べるときのマナーなどを学ぶことが可能になっています。
ただし、これらの知識を独学で得ようとしてもなかなか難しいこともあるのではないでしょうか?パン屋を開業する前に、パン作りの専門学校に通って学ぶと、効率よくパン作りの技術や知識を得ることができます。お金を貯めて技術を学び、資格を取ってからパン屋を開業しても遅くはないかもしれません。
お客さんの心をつかむ!個性ある店にしよう
「おいしいパン作りができるよう資格を取ってからパン屋を開業したのに、お客が来ない……」なんてことにはなりたくないですよね。パン屋の経営を軌道に乗せるためには、集客についても考える必要があります。
まずパン屋を作るときに決めたコンセプトに合わせた外観や内装にすると、お客さんが集まりやすくなります。お店の中に購入したパンを食べられるイートインスペースがあると、買ったパンをすぐに食べられていいかもしれません。OLやビジネスマンが、朝やお昼に利用してくれることが増えるのではないでしょうか。
また、パン屋さんで売っているパンの種類はたくさんありますが、「これ!」といった売りになるパンがあるとお客さんが集まりやすくなります。
例えば、もっちりしていてトーストにするとサクっと歯触りのいい食パンなど、メインで売り出すパンを決めておくとお店の宣伝がしやすくなりますよね。また、メインで売り出すパンが決まれば、内装を考えるときにも売り場を広めにとるなどの対策がしやすくなります。
このようにお客さんがリピーターになりやすい、売り上げの見込めるパン屋作りをすることが大切になります。パン屋を開業するときは、お店の外観や内装にもしっかりとこだわるようにしましょう。
まとめ
パン屋は1日に何回もパンを焼かなければならないので、見た目よりも非常に重労働です。しかし、「おいしかった!」という感想を直接聞ける、やりがいのある仕事です。
おいしいパンをお客さんに提供することでリピーターも増えて、経営もしやすくなります。外観や内装を工夫して、たくさんのお客さんお客さんに好まれるお店作りをして、人気のあるパン屋を経営してみてはいかがでしょうか?皆さんの作ったパンで、たくさんの人を笑顔にしてくださいね!