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歯科医のための歯科医院の内装工事費と坪単価及び相場観について

これから新たに歯科医院を開業しようとする新規開業医にとって内装工事費は切っても切れないほど重要な項目だ。何故なら、内装工事費用は開業資金の半分以上を占める大きな項目だからだ。

内装工事費を安く抑えることができれば、資金計画にも余裕ができ、内装以外の人件費や器材購入等に資金を回すことができる。

しかし、内装という分野は専門性が高いため、素人が工事費を下げようと業者と交渉してもなかなか難しいという現状がある。今回は、歯科医院の内装工事費について誰もが簡単に理解できる様に分かり易く解説させて頂く。

新規開業医が内装工事について知っておくべきこと

新規開業医が内装工事について知るべきことは、まずは見積書の中身を理解することだ。内装工事の見積書は、これはワザと難しくしているのではないか?と思えるほど素人にとって意味のわからない言葉が羅列している。

しかしここで、手を上げて業者にお任せをしては絶対にいけない。見積り書の中身を理解してその適正価格を把握してこそ、業者と対等に渡り合えることができ、値下げの的確な指示や交渉ができるようになるのだ。下記にプロが作成した見積書をベースにその中身について解説させて頂く。

 

歯科医院の内装工事費用を公開

歯科医院の内装工事見積書
<見積書>
クリニック内装工事見積書解説
<イメージ資料>※実際の工事金額との関連は無し
歯科医院の内装工事の見積書を解説
<イメージ資料>※実際の工事金額との関連は無し

まずは見積書の中身を理解することから始めよう。上記見積りは30坪の歯科医院を想定している。工事金額1,047万円、坪単価は約35万円だ。標準的な価格帯と言って良いだろう。特にわかりにくい工事項目について詳細を説明していく。

 

軽量鉄骨・ボード工事

部屋と部屋を区切る一般的な間仕切り壁の工事のことを言う。軽量鉄骨とは壁を支える簡易な鉄骨の骨組みのことを言う。この骨組みを600mmピッチで各階の床間に固定することで強度を保ち、これを下地としてボード(石膏ボード)を設置すれば間仕切り壁となる。工事費は5,000円/㎡程度が相場となる。

 

建具工事

建具とは開口部に設置される窓や扉のことを言う。歯科院の場合は木製建具と鋼製建具がある。木製は一般的な部屋の扉などに用いられる。鋼製建具はエントランスの自動扉や、ガラスのパーティションなどに用いられる。木製の場合は20,000〜30,000円/㎡程度、鋼製であれば40,000〜50,000円/㎡程度となる。
但しガラスを用いると価格一気に跳ね上がるので注意したい。

 

造作工事

造作工事は現場で職人さんが作業する上記以外の作業で例えば床上げ、や造り付けの家具類や収納、カウンターなどの工事が挙げられる。歯科医院の場合は、それほど費用がかからないが、既成品の家具を使わずに全て造り付けにするなど、こだわりを持つと費用は一気に跳ね上がる。30坪程度の規模であれば50万円程度が相場となる。

 

内装仕上げ工事

内装仕上げ工事は床、壁、天井など、目に見える仕上げの工事だ。当然のことながら使う材料によって異なるが、歯科院の場合はおおよそ使用する材料は決まっている。壁はビニルクロス、天井は岩面吸音板、床はビニルタイルとなる。

エントランスや待合室は少し良い材料を使うことになるだろう。総じて相場としては4000円/㎡以内に収まると考えて頂いて問題ない。但し、石や木など工業生産品でない素材を使うと高くなることだけは頭に入れていおいて欲しい。

 

家具・什器工事

その名の通り家具や什器の費用となる。主に既成品のもので設置費用も含まれる。例えば待合室のソファやテーブル、チャイルドルームがあればそのベンチ等、トイレのおむつ台、診察室の机や椅子、既成品の棚などもここに含まれる。

大きな金額となっているため驚かれるかもしれないが、家具、什器についてはオーナー自身で購入することも可能だ。業者の経費が不要なため、その方が安くなる。設置工事が不要なソファやテーブルなどはご自身で購入することも頭に入れよう。

 

電気設備工事

電気設備工事は照明器具の設置、分電盤やコンセントの設置及びの配線工事が主な工事項目となる。目に見えない部分が多いのでわかりにくいかもしれないが、決して安くない金額なので、把握はしておこう。

物件によって工事費用の大きなブレはないので30坪程度の規模であれば100万円程度は見込んでおこう。最近ではLEDの価格も安くなってきたので、積極的に導入するのも良いだろう。また間接照明は空間の雰囲気を演出するのに効果的だが、その他造作工事の費用が高くなるので注意したい。

 

空調換気設備工事

空調換気設備工事とは空調機の設置行工事とその配管の設置、換気設備の設置工事となる。電気設備工事と同様に大きなブレの無い工事となる。30坪の規模であれば100万円以上は必要だ。但し気をつけないといけないのが配管工事だ。

室内機と室外機をつなぐ冷媒管や換気用のダクトの径が大きく、RCの壁やALCの壁を貫通する場合は、思わぬ工事費がかかる場合もある。物件選びの際はパイプスペースが近くにあるか?RC壁の貫通は不要か?をチェックするのもコストを抑えるポイントとなる。

 

防災設備工事

防災設備工事は消防法に基づく設備機器の工事費用となる。物件の用途や規模によって必要となる設備機器が異なるため、一概には言えないが、火災が発生した時に消防署に信号を送る火災報知機と連動する感知器(煙感知器、熱感知器)は殆どの物件で必要となる。

また所轄の消防署への届け出や検査費用も必要となる。30坪程度の規模であれば30〜40万円は見込んでおこう。但し、スプリンクラーが必要になると費用は大幅に上がってしまうので注意したい。

 

諸経費

諸経費は業者の設計料や現場管理費などの経費に当たる。一般的には工事価格の7〜15%ぐらいが相場になる。

 

見積り書をチェックする上でのポイント

業者から見積書が提出されたら、まずは希望した内容が全て反映されているかをチェックしよう。細かいところで言えば、医療用のカーテンや室名札、スピーカーや看板などは当たり前に付いてくるだろうと思われるものだが、気をつけないと別途工事となっている場合も多いにある。これらが工事に含まれているのであれば内訳書に必ず記載されているので必ずチェクする必要がある。

 

工事価格を下げる方法とは?

まず、内装工事費を下げるということは、単純に仕様のグレードを下げたり、工事項目を削って工事費を下げることでは無いということを理解しよう。これはコストカットといって、発注者であるあなたのイメージからどんどんと遠いものなってしまうので危険だ。必要なのは、現状の計画内容を維持したまま工事費をいかに下げるかということだ。

これを実現するための方法として最も適しているのが、複数の業者から見積を取り、比較をすることだ。競争原理を働かせることで、業者は自社のネットワークや技術力や経験をフル活用して費用を下げる努力をするし、どうしても受注したい案件の場合は、自社の利益を削ってでも工事費を下げるだろう。

この様に複数業者に見積もりを取るメリットは大きい。アーキクラウドでは歯科医院の経験が豊富で実績のある複数の業者を無料でご紹介するサービスを実施している。是非活用頂きたい。

「内装工事見積り比較/アーキクラウド」

最後に

今回の記事で歯科医院の内装工事費用について相場感から見積書の見方まで理解できたのではないだろうか?この知識と複数業者への見積り比較を行えば、工事を適正化させ、さらに安くすることはそれほど難しいことでは無い。理想の空間を納得のいく金額で実現するために是非とも頑張って頂きたい。

 

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