儲かる自営業ってどんな仕事なの?人気のビジネスを紹介!
「自営業」と聞くと、なんとなく儲かるイメージがあるかもしれません。たしかに、毎月決まった給料をもらっているサラリーマンより、成功すれば大きな金額を手にする可能性もあります。せっかく事業をはじめるのであれば、できるだけ儲かる仕組みを考えたいものです。そこで、今回はどんなビジネスが儲かるのかみていきましょう。
目次
そもそも自営業は儲かるの?
「儲かる自営業」といっても、その実態をひとことで表すのは難しいものです。ひとくちに「自営業」といっても、その業種や業態は実にさまざまなのです。また、同じ業種であっても、経営規模が異なればまったく事情は変わります。1人ですべての業務を行っている場合もあれば従業員を雇っている場合もあり、売上もかかる経費も大きく幅があります。そのため、すべての自営業者の平均の年収や平均月収を出すのは難しく、仮に平均収入を出せたとしてもあまり参考にはならないでしょう。
成功者のなかには、通常のサラリーマンでは生涯手が届かないであろう豪邸や高級車を手に入れている場合もありますが、実際のところはそのような人ばかりではありません。なかなか結果が出せずに収入がゼロだったり、良いときと悪いときの波が激しく安定しなかったりする人も多いのが現状です。必ずしも、「自営業だから儲かる」とは言い切れず、儲かるためにはそれ相応の努力や工夫が必要になります。「自営業は儲かるのか」の答えとしては、「人による」ということになるでしょう。
なぜ自営業は儲かると考えられているのか
「自営業が儲かる」というイメージがあるのは、やはり成功している人がいるからでしょう。会社員など雇われている立場であっても「稼げる仕事」はいろいろあります。一方で、「儲かる自営業」の経営者は「自分でビジネスをつくりだしている人」という立ち位置であることが大きな特徴です。こうした経営者は、何かしらの価値を自らつくりだし、世の中に提供することで利益を得ているのです。そのため、人がつくったビジネスの仕組みのなかで雇われている立場の人では、収入面でも超えられない壁があります。
ビジネスの世界においては、そのビジネスの頂点にいる人が、もっとも稼げる仕組みになっているからです。もちろん、成功にたどりついた経営者であっても、それまでの道のりにおいてさまざまな苦労やリスクもあったはずです。そのようなリスクや苦難を乗り越えたうえで、儲かるビジネスモデルをつくりだしていることこそが、高収入を得ている理由だといえるでしょう。
自営業として働くメリットって?
自営業として働くメリットはいくつかありますが、一番の魅力は自由な働き方ができることでしょう。毎朝決まった時間に会社に出勤し、定時まで働くというスタイルにこだわる必要はありません。年末年始やお盆、ゴールデンウィークなど、世間の長期休暇のシーズンと合わせることなく、自由に休みをとることも可能です。どのくらい働いて、どのくらい休みをとるかを自分で決められるため、会社勤めをするよりもライフスタイルも自由になります。自分のペースで生活を楽しみたいという人にとっては、このうえなくうらやましい環境だといえるでしょう。
また、毎月の給料が決まっている会社員とは違い、収入にも上限がありません。なかなか社内で評価されずに昇進できず、給料も頭打ちといった悲劇とも無縁です。自分自身ががんばって働いたら、働いた分だけ収入を増やすことができるので、モチベーションも上がるでしょう。さらに、どんな仕事で収入を得るかも自分次第です。副業禁止の場合も多い会社員とは異なり、まったく違う業種の仕事を複数掛け持ちすることも可能です。自分が一番やりたい仕事に注力することができ、やりたい分野をのばしていくことができます。「働く」ということにおいて、組織にしばられることなく自分の意思を存分に反映させられるのが、自営業というスタイルです。
考えなければならない自営業のデメリット
自営業もいいことばかりではありません。誰もが必ず成功できるとは限らず、失敗の責任はすべて自分でかぶらなければならないというリスクもあります。長年経験を積んでいる業界であっても、市場は日々進化していくため、同じことを続けていくだけでは淘汰されていってしまうものです。そのため、常に新しいことを自分で学んでいかなければならないのです。誰かが教えてくれるわけではないので、自らアンテナを張りめぐらせ、情報をキャッチしていかなければなりません。このように、自分の力ですべての道を切り開いていかなければいけない厳しさがあります。
また、社会的立場が弱いというところも大きなデメリットになります。仮に、会社員時代より多くの収入を得ている人でも、銀行のローンなどの審査では、自営業のほうが不安定だとみなされ、不利になる場合が多いのです。一時的に高収入を得ている自営業の人よりも、企業で長く働く会社員のほうが長期的な立場は安定していると見られてしまうのが一般的です。そのため、住宅ローンを組むにも借入可能な上限額が低くなってしまったり、頭金を多く用意しなければならなかったりと、信用を勝ち取るには苦労します。勤めている会社の名前ではなく、自分の事業の実績で自身の信用を保証していくのが、自営業という立場に課せられる宿命です。
自宅で儲かる自営業は何?
自営業のなかでも、自宅ではじめられるビジネスは人気があります。開業初期に設備投資の必要がほとんどなく、すぐにはじめられる手軽さが人気の理由だといえます。具体的には、「アフィリエイト」も人気のビジネスのひとつです。アフィリエイトとは、成功報酬型のウェブ広告で、自分のサイトで企業の商品やサービスを宣伝・販売することで利益を得るビジネスです。たとえば、自分が運営しているブログにバナー広告を貼り、そのバナーを経由して商品が売れた場合に、広告料として売上が入るという仕組みになっています。なかには、クリックされるだけで報酬が発生する広告もあります。目標の金額に応じて戦略を立てやすく、自分の興味のあるジャンルに特化して商品を選定していくことで、稼ぎやすくなるでしょう。
また、「セールスコピーライター」も人気の仕事です。セールスコピーライターとは、文字通り「セールスのためのライター」であり、「販売数」「集客数」「問い合わせ数」といった効果に直結するコピーを書くライターのことを指します。ただ単に文章を上手に書く力だけではなく、「ものを売るため」「集客数を伸ばすため」「問い合わせ件数を増やすため」といった目的に応じて、最適な設計力が求められます。そのため、その業界の課題や構造などを深く理解しておくことが必要です。セールスライターになるには、もともと働いていた業界などから入るのが近道だといえるでしょう。
そして、「ネットショップ運営」も人気の業種のひとつです。たとえば、ハンドメイドが好きな人がハンドメイド雑貨のショップを運営したり、犬が好きな人が犬用の洋服の輸入販売を行ったり、自分の興味のある分野からはじめる人も多くいます。趣味の延長線上から入ることもでき、心理的にはスタートのハードルが低いといえるかもしれません。ただし、在庫を抱えなければいけない場合もあるため、仕入れのリスクはあります。最初は小さくはじめて、売れ行きを見ながら徐々に規模を拡大していくほうが、失敗のリスクは少なくなるでしょう。
このように、自宅でできるビジネスの多くは、会社員として勤務したままで副業としてスタートできる点も魅力です。副業としてはじめた事業が軌道に乗ってきたところで会社を辞め、本業に切り替えることで、急な収入ダウンの心配を減らすことができます。逆に、副業ではじめればリスクが少ない分、なかなか本腰を入れられないという面もあります。いずれにしても、成功させるためには強い信念をもって推進していく気概が必要です。
儲けやすい飲食店の種類は?
儲けやすい飲食店としては、いくつかの業態が挙げられます。ひとつは、既存のブランドの「フランチャイズ」です。経費としてロイヤリティを払う必要はありますが、すでに儲かる仕組みができているものなので、失敗のリスクは少なく安心できます。また、出店にあたっては、本部から営業のアドバイスを受けられたり、マニュアルがあったりとサポート体制がある場合も多く、飲食店経営初心者の人でもはじめやすい業態だといえるでしょう。
また、「移動販売」もおすすめです。オフィス街ではお弁当の移動販売などもありますが、たこやきやクレープといった単品であれば、より利益計算がしやすくなります。時間帯や曜日によって出店場所を変えられるため、お客さんの流れを見ながら臨機応変に営業することができるのもポイントです。通常の飲食店であれば家賃が大きな出費となり、月々の固定費となりますが、移動販売であれば車ひとつで気軽に営業できます。継続的にかかる経費が抑えられることで、リスクを減らすことができるでしょう。移動販売車の運転から調理、片付けまで1人で完結できることで、人件費を節約できるところも大きな魅力です。
同じく「テイクアウト専門店」も、規模によっては1人で運営することができます。テイクアウトの場合、持ち帰りや食べ歩きで購入する場合がほとんどなので、食器やテーブルの片付けなどに人員を割く必要がありません。さらに、注文を受けてから調理、会計まで最小限のスペースで営業することができるのが特徴です。テイクアウト専門店であれば、内装にこだわる必要がないのも大きなメリットだといえるでしょう。お客さんが店内に入って食事をする形態の場合は、内装をまったく無視するというわけにはいきませんが、店内にお客さんが入ることがなければ、設備さえ整っていれば十分なのです。
その他、「焼き鳥屋」も人気の業態のひとつです。鶏肉は肉類のなかでも原価が安いうえに、比較的単純なオペレーションで営業できます。さらに、酒類を一緒に売ることができるため、単価も上がりやすいのが大きな魅力です。同じく酒類を出す業態で比較すると、通常の居酒屋もありますが、居酒屋のほうが仕入れの種類も増えてしまいます。焼き鳥がメインの場合は、仕入れる材料も絞ることができるため、コストを抑えることができます。食材の仕入れは、種類を絞って量を確保したほうが、仕入れ単価を抑えることができるのです。焼き鳥をつまみとして、酒をたくさん飲んでもらえるようメニュー設定をすることで、儲かりやすい業態だといえるでしょう。
原価率という点では、「お好み焼き屋」も見逃せません。「粉ものは原価が安い」ということは広く知られていますが、粉以外にも必要な食材の種類が少なくて済むため、廃棄のロスも減らせるのです。また、基本的にはお客さん自身が鉄板で焼くスタイルのため、店側で調理のために確保する人員が必要ありません。人件費も固定費として大きな割合を占めるため、全体的なコストの削減に大きな影響があります。調理場での作業は、通常の飲食店に比べると複雑な作業が少ないため、アルバイトの教育なども簡単です。
最後に、「ラーメン屋」も儲かりやすい業態のひとつだといえます。ラーメンは、もはや日本の文化とも言えるほどの人気を誇る国民食となりました。その分、競合となり得るたくさんのお店がありますが、独自の特色を打ち出すことができればチャンスはあります。ラーメン屋の一番の魅力は、「回転率」です。営業開始前にスープなどの仕込みさえしておけば、営業時間中に行う調理は麺を茹でたりトッピングをしたりという簡単な作業だけです。そのため、注文から提供までの時間も短くて済み、お客さんが食べ終えるまでにもそれほど時間がかかりません。通常の飲食店であれば、昼1回転のみ、夜1回転のみという業態に比べ、人気のラーメン店であれば、昼夜それぞれ数回転させられることが最大の強みだといえるでしょう。
年収が高くて有名な自営業は?
自営業のなかでも、専門的な知識や資格、技術が必要な仕事は、年収が高くなる傾向にあります。高収入の専門職としてまずイメージしやすいのは、「開業医」でしょう。医師免許の取得は、医学部受験や国家資格の難易度の面でも、医学部で学ぶ学費の面でも、限られた人にしか道が開かれていないうえに、開業するまでに相応の設備投資も必要です。しかしながら、一般的に、勤務医と比べても開業医のほうがはるかに儲かるといわれています。さらに、開業医のなかでも儲かるのは、「自由診療」を行っているケースです。
通常の保険診療は、過当競争を防ぐために料金などが定められています。一方で、歯列矯正や美容外科、レーシック、不妊治療といったように、保険適用にならない分野であれば、そのクリニックごとに自由にサービス内容や診療費を決められます。一般的には、保険外診療は、高度で質の高いサービスが提供される場合が多く、「費用が高くても、よりよい医療サービスを受けたい」という人に支持されている傾向にあります。そのため、保険外診療を行う開業医は、より儲かるといわれているのです。
また、「法律関係」も収入面では注目分野です。「弁護士」「司法書士」といった、いわゆる「士業」といわれる仕事です。どこかの事務所に所属して雇われて給料をもらうよりも、自分で事務所を立ち上げたほうが基本的には稼げます。ただし、専門職でありながら、地域によっては競合も多い分野でもあります。弁護士や司法書士ごとに得意とする分野は異なるため、自身の得意分野を明確にし、広告や口コミなどで顧客を広げていくための営業活動も忘れてはいけません。ただ資格を持っているだけでは、同業者の競争に勝てないのです。事務所を開いて待っているだけではなく、顧客獲得のためには工夫が必要になります。
開業医や法律関係の仕事については、マスコミなどで顔や名前を売ることで、かなりの報酬を稼げることもあります。テレビや雑誌などで取材されることでかなりの宣伝となり、遠くからも患者さんやお客さんがきてくれることもあるのです。自分の売りを明確にしておくことで、その分野での取材のチャンスも広がります。広報活動にもしっかり力を入れていくことが成功の鍵だといえるでしょう。
意外と知られていない専門的な仕事としては、「水産業」も儲かるといわれています。自営業の漁師は、かなり儲かっている人もいるのです。特に、カニ、マグロ、カツオといった遠洋漁業の漁師が、年収は高い傾向にあります。ただし、遠洋漁業は拘束時間が長く、年間半分位以上の日数を海の上で過ごすことになる厳しい環境です。また、天候による漁獲高の減少など、自然現象の影響で収入が左右されることもあります。このようなハードな環境に耐えてこその高収入だといえます。
医師や法律専門職とは異なり、漁師になるには特別な資格は必要ありません。これまでの経歴に関係なく、健康で体力のある人なら誰にでも門戸が開かれているのも魅力です。そのため、一攫千金を狙って人生を賭けて飛び込む人もいます。未経験の人が漁師を目指す場合、直接漁業者との面談などを通じて採用してくれそうな経営者と知り合うことからはじまります。採用されたら、半年から数年の期間、漁業経営者のもとで技術を学び、自立する人が多いといいます。経験がものをいう世界でもあるため、この雇われている期間にどれだけの技術を習得できるかが、自営業で独立したあとの成否を分けるといえそうです。
儲かりやすければ成功するとは限らない
いくら「儲かりやすい業界」だといわれていても、当然ながら本人にやる気や工夫がなければ成功することはないでしょう。はじめるだけで儲かるのであれば、多くの人がすでにやっているはずです。逆に、一見するとあまり儲かりそうにないといわれているビジネスであっても、努力やアイデア次第で儲かる可能性も秘めています。世間が注目しない点に着目することで、競合がいないなかで成功するチャンスがあるかもしれません。実際に事業をはじめるとなると、その業界の相場や最低限の情報は仕入れておきながらも、自分で戦略的に経営手法を考える必要があります。人の真似をしているばかりでは大きく儲けることは難しく、後追いすることしかできないのです。どんな業界でどんなチャンスを手にするかは、自分次第だといえます。
やりがいのある仕事を儲かる自営業にしていこう
今回紹介した「儲かりやすい業種」は、あくまでも一般論をもとにした相場です。稼ぎやすいといわれる業種でもさまざまなリスクがあり、困難な事態に陥る可能性があることは決して否めません。儲かりやすいか儲かりにくいかという事前情報はもちろん大事ですが、どんな仕事でも工夫なくして儲かることはありません。これらの情報を参考に、もともと興味があるものに取り組んでみることが、成功への近道かもしれません。
「好きこそものの上手なれ」ということわざのとおり、もともと好きな分野であれば収入アップに向けての新しいアイデアも浮かびやすいのではないでしょうか。また、自分が好きではじめた仕事であれば、大変なときでもがんばれるものです。なかなかうまくいかないときにモチベーションを保ちながら続けていくには、自分にとっての「やりがい」が重要だといえるでしょう。自営業は、自分の意思が最大限に反映される自由度の高い働き方です。せっかく自営業として働くなら、自分が興味を持てる仕事をはじめ、その分野で儲かるビジネスになるよう工夫してみませんか。