飲食店の廃業率は高い!長く愛される飲食店になるためのコツも解説
飲食店は廃業率のとても高い業種です。たとえ開業しても、10年後経営を維持できているのは、およそ1割程度であるともいわれています。
お店が繁盛をさせるには、おいしい料理を提供することが大切だということは、誰もが考えることです。しかし、残念ながらこれだけでは、生き残れないかもしれません。多くの人が見逃してしまう「経営」についてもしっかり押さえておく必要があるのです。
今回のコラムでは、お店が飲食業界で生き残るためにするべきことと、してはいけないことについて詳しくご紹介します。
飲食店は廃業率は約35%
飲食店の廃業率は小売業や製造業などの業種に比べ高い数値になっています。しかも廃業するお店は、開業してから数年たったいわば中堅クラスが多いのが現状です。開店して数年間経営を維持できたのなら経営安泰と思いきや廃業にいたってしまうとは、なかなかシビアな世界です。
飲食店が廃業してしまう理由には、以下のようなものがあります。
・他店との競争に負けてしまった
多くのお店の中から自分のお店を選んでもらえなければ、経営を続けていくことはできないでしょう。他店と比べて料理の味は負けていないのに、価格やサービスといった部分で負けてしまうこともあります。また開業した当初は、近隣に自分のお店しかなく優位な状態だったとしても、その後近くに似たようなお店が開業してお客さんを他店にとられてしまうことも。
・資金不足
店舗の経営において、お金の存在は非常に重要です。このお金がなくなれば、当然経営も立ちいかなくなってしまいます。材料費や人件費、運転費用など、店舗経営ではさまざまな費用がかかってくるため、事前の計画はしっかり立てておかなければなりません。
・お客さんが増えない
お客さんが来ない飲食店には当然、利益もありません。利益がなければ店舗を経営していくお金もなくなり、結果廃業してしまうでしょう。お客さんが来ない原因として広告不足や立地の選定ミス、コンセプトとニーズの不一致などが挙げられます。
事前に余裕のある資金計画を立てよう
開店した後もお店が軌道に乗るまでの当面の資金計画は、念入りに立てる必要があります。無理な計画では、すぐにやりくりできなくなってしまい、結果廃業となってしまいます。飲食店の廃業率が高いのは、計画面の甘さも関係しているのです。
自己資金が少なく不安な方は、助成金や補助金が利用できるかを含め調べてみましょう。また、公庫や金融機関の融資を受けることが可能な場合もあります。これらの融資を利用する場合は、返済についても無理しないように長期的な視野を持つことが大切です。
なんとかなるという思いから無理をして営業を続けてしまうと、資産をつぎ込みすぎてしまい、最終的に大きな負債が残ってしまうことがあります。資金計画を立てるときは、運転資金を頭に入れて経営状態が悪化してもやりくりできるような計画を立てるようにしましょう。
資金面でのトラブルを防ぐためにも皆さん自身が経営について知識を持ち、毎日の売上や仕入れについては、日々整理し把握しておきましょう。
自分のお店に来るべき理由を与えよう
あなたのお店はお客さん目線で見てどのような魅力がありますか?魅力の薄いお店はリピーターがつかず、長期的な経営が難しくなってしまいます。廃業率の高い飲食店ですが、お店を軌道に載せるためにお客さんの身になって考えてみましょう。
何度も来店してもらうためには、誰もがおいしいという料理、いわゆる万人受けする料理を考えるよりも、お客さんの層を絞り、「私は好き」と思えるお店の方が有利です。
そのためにはお客さんを絞る、ターゲットの設定が必要となってきます。ターゲットを「女性」と決めた場合は、女性が喜ぶようなヘルシーなものや質や盛り付けなど目でも楽しいと思う演出が重要です。またメニューにするだけでなく、インテリアや内装も女性が喜んでくれるようなものにしましょう。
ターゲットを決めた後には、それに沿ったお店のコンセプトとサービスを考えていきましょう。たとえばハワイをコンセプトにしたお店であれば、ハワイ料理のほかスタッフがアロハシャツを着たり、ハワイのイメージがあるお花を髪飾りにしたりするというのもすてきな方法です。また、トイレやちょっとした空間にお花を飾るなどのさりげない気配りも喜ばれるでしょう。
このように料理だけでなく、スタッフの服装や髪形などお店のコンセプトに沿ったものを取り入れるとよいでしょう。自分がお客さんだったらどう感じるかという視点も重要です。
お客さんが「また来たい!」と思うような素敵なお店にするために念入りにコンセプトを考えましょう。
料理のクオリティだけでなく集客にもこだわろう
料理がおいしくて、かつお店の雰囲気がよくても多くの方々に知ってもらうには集客しなければなりません。
集客は、お店にとってとても大切なことですが、そう簡単にはいきません。資金に余裕があるのであれば、広告を打つことで知名度があがり集客できるかもしれません。
しかし、資金に余裕ある方の方が少なく、ほとんどの方がコストをかけずに集客したいと思っているのではないでしょうか。集客ができないと競争の激しい飲食店業界では生き残ることができず、廃業せざるを得ません。その結果として飲食店の廃業率が高くなってしまうのです。
これを防ぐためには、集客に力を入れていく必要があります。コストをかけずに集客するには、SNSを使って発信したり、近くのお店にチラシはショップカードを置いてもらったりするのも有効でしょう。クーポンを付けたり、来店時にポイントが貯まるカードというのも有効です。お客さんに来てもらうには、ただ待っているのではなく自分から働きかけをしていきましょう。
まとめ
飲食店の廃業率は35%ととても高いものですが、その原因を知ることで失敗しないための対策を立てることができます。とくに資金不足や客足の低迷に関しては事前の計画次第で対策をすることが可能なので、事前計画は妥協せずしっかり立てておくようにしましょう。
また、飲食店開業の際は、料理を作るだけでなく経営に関してもある程度の知識が必要です。そのための資金計画は、経営状態が悪化したとしても無理なく経営できるような長期的な計画をたてましょう。