地元工務店の価格と技術力の進化
「適性な価格」
大手ハウスメーカーは、工場での部材の量産、現場作業の極力カットを基本とし、
徹底的なコストカットを計っている。
そのため、本来ローコストな住宅を提供できるはずなのだが、
実際はそうではない。
平均的な住宅価格より2〜3割程度高めの価格設定となっている。
これは前述した通り、膨大な広告費がその価格にプラスされているためである。
テレビCM、新聞、チラシなど各種メディアへの広告宣伝費用…
住宅展示場への出展費用、建築費…
膨大な量の営業マンへの人件費…
などなど、
このように大手ハウスメーカーおビジネスモデルは、
住宅を安く提供するためにコストカットではなく、
膨大な営業経費を賄うためのコストカットなのである。
一方、小規模な地元工務店は営業経費の割合が低く、
その結果住宅価格も大手メーカーより低めに抑えることができる。
また、近年では部材の共同購入や工場でのプレカット材
(あらかじめカットしている部材)
の使用により、材料の価格もどんどん安くなっている。
材料の面から見ても価格の優位性は大手を圧倒していると言える。
「技術力の進化」
つい最近まで地元工務店と言えば最新の技術力に劣る部分があったが、
前述したフランチャイズ方式の拡大により、その傾向は大きく変化した。
優れた技術を自社のノウハウとして取り入れることが容易になったため、
地元工務店の技術力は、目覚ましく発展したのである。
小規模であるから、最新の技術をもっていないというのは過去の話し。
優良工務店は使えると思った技術は即取り入れどんどん成長している。
地元工務店ならではの、共同組合や、財団法人などのネットワークも近年は
盛んに行われ、大工の育成や地域材を活かした住まいづくりといった
取り組みも活発だ。
地元工務店が大手と匹敵するぐらいの価格面はもちろんのこと、
技術面においてもそれを抜きん出るようになったのもこのような
ネットワーク化の進展が背後にある。