カフェ経営者のための開業資金計画6つの法則
これからカフェを開業しようとするあなたが最も身に付けなければならない能力は経営力だ。
特に開業資金計画については、これから継続して利益を上げていくためにしっかりと手順を踏んで進めていかなければならない。
しかし、多くの新規オーナーは、この重要な部分を感覚的に進めてしまうことが多く、結果として失敗してしまう事例が沢山発生している。
アーキクラウドでは、カフェ経営者や提携パートナー会社へのヒアリングを行い、カフェ経営、開業資金計画について独自の調査を行ってきた。今回はそれらをまとめた記事をシェアさせて頂く。
目次
①最初に必要となるカフェ開業資金を把握しよう。
まずは実際に必要となるカフェ開業資金をシュミレーションしてみる。
カフェの平均的大きさは20坪程度だ。通常40万/坪程度の費用がかかるため内装工事費は20坪×40万/坪=800万円程度の価格となる。
席数は1坪当たり1.5席として30席とする。飲食店の場合、初期投資の回収期間は5年を目安とする。下記に必要となる資金をまとめたので参照頂きたい。
■設備投資(減価償却費※1)
内装工事費:20坪×40万円/坪=800万円
厨房設備:200万円
■物件取得費
初回家賃:25万円
保証金:150万円(家賃の6ヶ月分)
仲介手数料:25万円
■必要経費(開業費※2)
宣伝広告費:70万円(チラシ、HPサイト作成、求人)
備品購入費:60万年(食器、レジ、調理器具)
諸経費:70万円
合計1400万円
②毎月の固定費が資金計画の基本
売上の有無に関わらず、毎月必ず必要となる費用が固定費だ。資金計画を行う上で最も重要となる。こちらも具体的にシュミレーションしてみる。
今回の場合、例えお客様が1人も来なくて売上がゼロの場合でも毎月50万円の支出が必要となる計算となる。
その中でも30万はキャッシュが確実に減っていくことになるのだ。もしもの時に備えて運営資金はできるだけ多く確保しておきたい。
■キャッシュが発生する固定費
家賃:20万円
消耗品:5万円
諸経費:5万円
小計:30万円
■キャッシュが発生しない固定費
減価償却費 17万円
(1000万円÷5年÷12ヶ月≒16.6万)
開業費
(200万円÷5年÷12ヶ月≒3.3万円)
小計:20万円
合計:50万円
③毎月の売上高を想定してみよう
必要となる売上高は利益率から計算できる。カフェ経営で目指すべき利益率は売上高の10%だ。また、食材の原価や人件費、光熱費、販売促進費用などは変動費と言われている。
一般的には利益と変動費(変動費率)を売上高の75%以内に納めることが経営上の目標とされている。計算すると下記の様になる。
売上高=固定費÷(1ー変動費率)
=50万円÷0.75
=200万円
利益10%を確保するためには最低でも200万円の売上を確保したい。
④必要となる売上高を上げるにはどうすれば良いか?
それでは毎月200万円の売上高をあげるためのシュミレーションをしてみる。カフェの場合、ランチがメインとなることが多いため、ランチセット1000円を平均顧客単価として設定する。
必要客数は200万円÷1000円=2000人
不定休で営業した場合、2000人÷30=66.6人/日
客席の回転率は66.6÷30=2.22となる。
この回転率をベースに立地を絞り込み、物件を選び、お店の営業時間の設定をしていく。立地物件探しについてはポイントを下記記事にまとめている。是非参考にして頂きたい。
⑤税金は必ず必要となる経費と考えよう!
カフェに限らず税金は必ず支払わなければならない経費だ。あなたが法人の場合、法人税、法人県民税、法人事業税、法人市民全のなど各種税金が必要となる。利益に対して40%程度は税金として取られると考えておこう。
また、個人事業主の場合は、所得税、住民税が必要となる。消費税に関しては、前々期の課税売上高が1000万円を超えると納税義務が発生する。つまり開業2年間は自動的に免税となるのだ。
しかし、法人で設立時に1000万円以上の資本金ある場合は最初から消費税は必要となる。詳細は所轄の税務署に行けば回答してくれるだろう。
⑥目標売上が達成できない時は。。
開業後3ヶ月程度は思う様に客足が伸びないことが多い。その様な場合の対策について考えてみる。
客足が伸びないのであれば客1人当たりの単価を上げる方法がある。例えばメニューにアルコールを加えてみる。利益率も高く、つまみとして食事を頼む客もいるだろう。ただしその分営業時間を伸ばすなどの労力も必要となるので注意したい。
その他方法としてはメニューに関連する商品の販売だ。コーヒーに自家焙煎しているのであればそのコーヒーを店頭で打売ってみるのも良いだろう。
味がよければ必ず購入してくれるお客様はいる。あなたのお店で最も自信があるメニューを商品として販売してみよう。
その他広告宣伝を打つという手がある。現状でもっとも効果的な方法はwebを利用した広告宣伝だ。チラシなどのアナログ手法よりもより安価でターゲットを絞り込んだ確実なアピールをすることができる。こちらの詳しい方法については別記事にて公開しているので是非ともチェックして頂きたい。
最後に
東京、大阪、名古屋などの大都市圏では1万店舗以上の喫茶店があると言われている。その中で競合他店との戦いに勝ち抜いて行くには、資金計画を疎かにせずに戦略的に取り組むことが必要だ。
今回の記事を参照に是非もとにこれから開業するあたなのカフェの資金計画を是非とも進めて頂きたい。
また、アーキクラウドでは、これから店舗を開業するオーナー、オフィスを開設する経営者向けの資金調達支援サービスをご提供している。
日本政策金融公庫や銀行など金融機関から思うような金額の融資が降りなくても、当サービスをご利用して頂いた方の95%以上が審査を通過し、見事に融資を獲得してる。
内装工事費に関わらず、開業資金全般、運転資金などあらゆる資金の調達が可能となるので是非ご利用頂きたい。
※1減価償却費とは
20万円以上の設備投資が一定年にわたって分配する会計処理のこと。今回の場合は1000万円を固定資産として5年間で償却するため毎月17万円の固定費として計上している。実際のキャッシュの出入りは無いが、利益が減るため税金上のメリットは大きい。
※2開業費用とは
開業時に必要な費用で、その後も継続的に効果があるもの。減価償却と同様に一定期間で償却が可能。今回の場合も計算に含めている。