クリニック医院の融資等5つの資金調達方法について
クリニック、医院を開業するには大きな資金が必要となることは理解頂けたと思うが、では実際にそのお金をどこからに調達すればいいのだろうか?
もちろん全てを自己資金で準備できればそれで済むのだが、恐らくそのような人は極小数だろう。ほとんどの新規開業医は融資という形で、資金調達をしている。今回はその資金調達をテーマにその方法を公開させて頂く。
資金調達にはどの様な種類があるか?
では実際に資金調達にはどのようなものがあるのだろうか?まず大きく分類すると融資と補助金、助成金に分けることができる。
てい融資は必ず返済しなければならないが、補助金、助成金は返済する必要はない。当然ながら補助金や助成金だけで開業できれば良いのだが、世の中はそれほど甘くはない。補助金で得られる金額は開業資金のごくわずかだ。
現実的には融資により資金調達をする形となる。クリニック、医院の場合、融資による借入れ先、補助金先は下記との通りだ。
□融資
・日本政策金融公庫
・福祉医療機構
・民間銀行
・リース会社
□補助金
・創業補助金
日本政策金融公庫から融資を受ける
日本政策金融公庫は国が管轄する機関で融資の借入れ先としては最もポピュラーだ。現在では無担保、無保証人で融資を受けることができ、自己資金の要件も不要だ。審査も他の借入れ先と比べて緩いのが特徴だ。審査から最短で2週間程度入金されるため、活用している人も多い。その他要件を下記に記載する。
融資金額
最大で7,200万円
※運転資金は4,800万円
返済期間
設備資金:20年以内(据置期間:3年)
運転資金:7年以内(措置期間:1年)
金利
金利は固定金利で、利率は返済期間別に定められる。おおよそ2.0〜3.9%程度で当然のことながら、短ければ低くなり、長ければ高くなる。
担保、保証人
新規創業制度であれば担保、保証人無しで借入が可能。だが、融資限度は3,000万円で基準金利に対して1.2%がプラスされる。
福祉医療機構から融資を受ける
福祉医療機構とは医療機関や福祉施設運営者に対する貸付事業をしている国の機関だ。条件次第では、長期間、低金利、固定金利での借り入れが可能なため、戸建てで開業する場合の借入先として利用される場合が多い。詳細を下記に記載する。
融資金額
建築費:5億円以内
土地取得費:3億円以内
返済期間
耐火建築物(RC造):20年(据置期間:2年)
準耐火建築物以下(RC造以外):15年(据置期間:2年)
金利
0.9%の固定
担保、保証人
担保、保証人は必要となる。個人の場合は1名以上の連帯保証人が必要となる。しかし、金利に一定の上乗せをすれば個人の保証の免除は可能。
その他条件
無床診療所や歯科診療所の場合、機構が定める「診療所不足地域」でなければならない。下記ホームページより確認ができるので参照頂きたい。
http://hp.wam.go.jp/guide/iryokashitsuke/iryokashitsuke/tabid/172/Default.aspx
民間銀行から融資を受ける
民間銀行の場合は融資のハードルは他と比べて高いと言える。また、都市銀行と地方銀行でもその性格は異なる。メガバンクや都市銀行の場合は、新規開業する開業医に対しての融資は積極的では無く、既に開業している医師に対しては積極的という傾向がある。
やはり実績を作り信頼を得ることが必要となる。一方地方銀行の場合は、新規開業の医師も優良な貸付先と捉えて積極的に融資を行う銀行があるのも事実だ。その場合は日本政策金融公庫よりも金利等の面で有利な条件での貸付を行っている場合が多い。下記に佐賀銀行の事例を記載する。
融資金額
100万円以上1億円以内
返済期間
設備資金:20年以内(据置期間:1年)
運転資金:7年以内(措置期間:6ヶ月)
金利
所定の金利
担保、保証人
原則無担保だが、取得する土地、建物の抵当権を設定。連帯保証人は配偶者(配偶者がいない場合は法定相続人1名)
その他条件
診療報酬の振込は佐賀銀行口座など
リース会社から融資を受ける
医療機器のリースをしているリース会社の中には、開業資金の貸付をしている会社もある。民間の銀行に比べて審査から入金までのスピードが早く、審査自体も緩い傾向にある。
しかし、リース会社自体は銀行から借入をしてその資金を貸し付けるというスキームであるため金利は銀行よりも当然高くなる。
しかし、その手軽さから利用価値は高いと言える。但し条件として、医療機器のリースが必要となるので、購入を考えている場合は計画の見直しが必要となる。下記に三菱UFJリースの事例を記載する。
融資金額
500万円以上4,000円以内
返済期間
最長7年(据置期間は6ヶ月まで)
金利
年1.5%~
担保、保証人
連帯保証人1名あるいは団体生命信用保険への加入
その他条件
医療機器のリース
創業補助金を手に入れる方法とは?
上述した様に補助金は返済が不要だ。もちろん誰でも受け取れるものでは無いが、チャレンジする価値はあるだろう。クリニック、医院の場合は「創業補助金」という制度がある。
当然のことながら、無条件で受けられるものでは無く、数回にわたる審査が必要となる。また、募集期間が定められており、その期間内に申し込みを行わなければ審査を受けることもできない。その他詳細を下記に記載する。
補助金額
補助の対象となるのは、弁護士や税理士などの専門家と顧問契約をするための費用や、広告費など販売促進費などになる。補助率は2/3と固定で、上限金額は200万円となる。
思うように融資が降りない場合はどすればいいか?
様々な融資先を紹介したが、安定した経営を続けるにはやはり自己資金をできるだけ準備することだろう。一般的には自己資金を50%準備するのが良いと言われてるが、クリニックの場合は金額が大きいの現実的では無いだろう。しかし、最低でも30%程度は準備はしたいところだ。
不足分は審査や保証面で手軽な「日本政策金融公庫」を中心として、借入れ計画を進めるのが良い。しかし、こちらも現実的には、必要資金の全ての融資を得ることは難しい。そのような問題を解決するためにアーキクラウドで開業資金調達に関する支援サービスを実施している。
日本政策金融公庫や銀行など金融機関から思うような金額の融資が降りない場合でも、当サービスをご利用して頂いた方の95%以上が審査を通過し、見事に融資を獲得してる。
内装工事費に関わらず、開業資金全般、運転資金などあらゆる資金の調達が可能となるので是非ご利用頂きたい。